ビル・ゲイツ、S.ジョブズよりもスゴい!? 世界最年少億万長者の成功と孤独『Facebook』
#映画 #洋画
非モテのオタク学生がネット起業で大成功して、25歳で世界最年少の億万長者に――。世界最大のソーシャルネットワーキングサービス「Facebook」の創設者、マーク・ザッカーバーグの半生を一言で表せば、そんなところだろうか。『ソーシャル・ネットワーク』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給、1月15日公開)は、この若き天才の成功と裏切りの物語を映画化した話題作だ。
2003年のある夜、ハーバード大学でコンピュータ科学を専攻する19歳のマーク(ジェシー・アイゼンバーグ)は、ガールフレンドのエリカに振られた腹いせに、女子の顔をランク付けするサイトを作ろうと思い立つ。学内のサーバーをハッキングし女子学生の写真を集めて開設したサイトは、わずか2時間で2万2000アクセスを集めるが、大学側から半年の観察処分を受ける。
ハーバードで一躍有名人になったマークは、エリート学生のウィンクルボス兄弟らから持ちかけられた話にヒントを得て、親友のエドゥアルド(アンドリュー・ガーフィルド)とともに、学内の友人を増やすためのネットワーキング・サービス「Facebook」を開発。Facebookの人気はたちまち他大学にも広がっていく。
音楽ファイル共有サイト「ナップスター」の創設者ショーン(ジャスティン・ティンバーレイク)が経営参加したことで、大型の資金調達にも成功し、Facebookは先行するサービスの利用者数を追い抜き世界最大のSNSへと急成長。だがその過程で、マークやショーンと意見の合わないエドゥアルドは追放される。やがてマークは、アイデアを盗まれたと主張するウィンクルボス兄弟と、創業者としての権利を求めるエドゥアルドから、2件の訴訟を起こされてしまう。
本作の監督は、『セブン』『ファイト・クラブ』で知られる映像派の鬼才デビッド・フィンチャー。訴訟の当事者たちがそれぞれ回想する過去のいきさつをフラッシュバックで多角的に描き出し、緻密な台詞劇で緊張と興奮を高めていく。昨秋から米国などで公開が始まり、1月上旬までに30の映画賞で86冠を達成するなど高い評価を獲得。アカデミー賞の有力候補と目されている。
実世界で(主に女性との)人間関係に問題を抱えていたからこそ、ネットの世界で友達を作るツールを誰より必要としていた主人公。アイデアが形になり、ビジネスとして成功していく過程に観客もワクワクし、Facebookを一緒に立ち上げた親友を裏切った後の孤独感が切々と伝わってくる。
出演陣の注目株は、エリカを演じた知的な美女、ルーニー・マーラ。出演シーンは多くないが、フィンチャー監督が大いに気に入り、次作のリメイク版「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」の主役に大抜擢。日本での人気も急上昇しそうな新進女優だ。
(文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉)
「ソーシャル・ネットワーク」作品情報
<http://eiga.com/movie/55273/>
本人非公認本ですが。
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