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ゲッツ板谷氏が案内! 予算1万2,000円でストレス発散する大人の遠足『板谷遠足』

itaya.jpg『板谷遠足』(扶桑社)

 代表作『板谷バカ三代』(角川書店)など、身近な家族や友人を描いた爆笑エッセイで知られる、元暴走族&ヤクザ予備軍のコワモテ作家・ゲッツ板谷氏が、予算1万2,000円で大人の遠足を案内する『板谷遠足』(扶桑社)を発売した。    

 2009年6月から2010年の6月まで続いた「週刊SPA!」(同)の連載をまとめた本で、連載当初は板谷氏が行きたい場所に行くはずだった……。が、板谷氏が遠足の予定地として事前に挙げた場所は巨大仏か温泉ばかり。

 似たり寄ったりの行き先に、この連載の担当編集であり、東大卒のシンボ氏から、「(この行き先だと)板谷さんが気持ちイイだけで、一般の読者は興味がゼロだっつーーの!」「とにかく、これから2回に1回は、俺か読者が提案した場所に行くことにしますからねっ」と告げられてしまい、泣く泣く従うハメに。


 そんな事情もあり、嫌々出かけたスポットもあったものの、日本一大きな牛久大仏、黒部ダム、ガマランド、サーキットの狼ミュージアム、横田基地日米友好祭、多摩川でのラフティング体験などなど、なんだかんだでバラエティーに富んでいて、関東近郊を中心に、北海道や九州にまで出かけている。

 遠足にはシンボ氏をはじめ、板谷氏のエッセイではおなじみのハック氏、キャーム氏など地元の友人たちもたびたび参加。昨年末に敢行した東京~九州の7泊8日の大遠足では、連載4回分としてカウントしたものの交通費や宿泊費がかさみ、余裕で予算オーバー。地元の友人も同伴し、プライベートも兼ねているので、”絶対自分が行きたいところにだけ行く!”と決意するもののやはり思い通りにはいかなかったようで……。

キャーム氏「おう、ハック。次の姫路西インターで高速から下りてくれ」(板谷氏と車の運転を交替したハック氏に、キャーム氏が指示を出す)

板谷氏「ち、ちょっと待てよっ! 今日は、このまま広島まで行く予定だろっ」

キャーム氏「いや、その前に日本で一番美しいと言われている姫路城を見学する」

板谷氏「勝手に決めんなよっ!! おメーは、狂った金パチかぁぁぁっ!?」

キャーム氏「とにかくハック、次のインターで下りろっ。文句を言う奴がいたら、俺ももう45歳になって何やったって関係ねぇから、この車ん中でウンコとかを漏らしてやるからよっ!」

板谷氏「おいっ………………………………」

 とても大人とは思えない会話を延々と繰り返しながら遠足は続く。くだらね~と思うのだが、小学生の頃、遠足ではしゃぎまくっていた楽しげな雰囲気が伝わってきて、ついついニヤリとしてしまう。

 そんな板谷氏だが、あとがきでは、

「最近の社会人はケータイやパソコンに囲まれながら仕事をすることがますます多くなってんでしょ。(中略)せめて休みの日ぐらいは、こういう能天気な遊びを実際にやってもらって、たまったストレスを発散してもらいたい、っていうのがあったから連載を始めたんスよね」

 と真面目な一面も見せている。

 この本を読んでも、別に何かのためになんて全然ならない。けれど、めいっぱい遊んで、また仕事頑張ろう! そんな前向きになれる一冊だ。
(文=上浦未来)

●ゲッツ板谷
1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザ予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は『板谷バカ三代』(角川文庫)『ワルボロ』(幻冬舎文庫)『板谷番付!』(扶桑社)など多数。

板谷遠足

ゲッツ板谷の新境地!?

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最終更新:2010/12/16 11:19
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