なぜかサイゾーに降臨!! 新アルバム『D+SECT』についてクールに語る!!
#音楽 #インタビュー
ヴィジュアル系バンド界のカリスマ、MALICE MIZER(マリスミゼル)のリーダーManaが12月15日、バンドMoi dix Mois(モワ・ディス・モワ)名義でアルバム『D+SECT』(Midi:Nette M.+.M)を発売する。最近では分島花音【チェロを弾きながら歌う、ゴスロリ系女性アーティスト】のプロデュースをして話題を集めたが、Mana自身の活動としては、久しぶりのアルバムとなる。
「ライブでは一言も話さない」「いついかなる時でもゴシックな衣装でキメているらしい」など、その存在のすべてが謎に包まれている、Mana。そのカリスマ性からファンの間では「Mana様」と呼ばれることも多い彼を、サイゾー本誌においてヴィジュアル系バンド・インタビュー連載「ヴィジュアルさん、いらっしゃい!!」(2010年11月号で終了)を担当していた、ヴィジュアル系好き”鬼畜ライター”角川慶子が直撃!!
Mana(以下、M) よろしくお願いします!!
――うわ! Mana様がしゃべってる! 肉声を聞けただけでうれしいですよ。
M フフフフ。
――以前から、ライブではしゃべらないキャラだったんですか?
M 基本的にはそうですね。
――では、今活動しているMoi dix Moisは、一体どんなバンドなんしょう?
M マリスミゼルとは若干違っていて、Moi-meme-Moitie(モワ・メーム・モワティエ)ってブランドを立ち上げた流れで作ったバンドで、そのブランドの服をカスタマイズして、それを着て演奏するっていうスタイルなんです。要は、モワ・メーム・モワティエの世界を表現するための音楽というか。
――以前から、衣装デザインもやっていましたよね?
M 絵を描くのが好きなんです。バンドの衣装も、自分でラフを描いてデザインからすべてやっていました。その流れで、99年にこのブランドを立ち上げたんです。僕の中では、ファッションと音楽は、自分を表現するために必要なもので、その表現のためにブランドを立ち上げたんです。
――この業界の噂で、Mana様は近所のコンビニに行く時もゴシックな服を着ているというのがありますが、本当なんですか?
M それは分かりませんが(笑)、実際、黒い服しか持ってないんですよ。Gパンも持ってないし。
――寝る時は何を着ているんですか? ジャージ? パジャマ?
M ジャージは持ってないです。最近スヌーピーのパジャマを購入したんで、寝る時はそれを着てます。スヌーピーが好きなんです。
――スヌーピーのキャラが好き?
M 子どもの頃にスヌーピーの布団で寝てて、それにすごく愛着があったんで、そのままスヌーピー好きになってしまったんですよ。
――そのパジャマは何色ですか?
M 水色です。
――きゃー、Mana様が黒以外を着てるんですね。見たいっ! さて、今回発売されるアルバムは、どんな感じのものなんですか?
M そうですね……ダークですね。
――いつぐらいから構想があったんですか?
M 曲は前からちょこちょこ書いてたんですけど、ここ数年、分島花音のプロデュースなんかをやっていたので、そっちのほうでずっと忙しかったんです。それが一段落したので、いまは自分のものをどんど作っている感じですね。
――今後、また自分以外のミュージシャンのプロデュースすることなどは考えているんですか?
M 積極的に誰かをプロデュースしたいってわけではないんです。ただ、もちろんいい出会いがあって、刺激になることであれば、またプロデュースしてみたいですね。でも、やっぱり自分の音楽を作りたいっていうのが、いちばんの願望です。
――アルバムの話に戻りますが、内容をもう少し具体的に言うと……。
M 僕はパイプオルガンとチェンバロの音が昔からすごく好きなんですけど、僕の原点に帰って、そういった楽器の音がフィーチャーされたアルバムになってます。僕的な意味での「宗教的」な雰囲気がうまく出てる作品になったと思います。
――もともとクラシックをやっていたんですよね?
M いや、クラシックを取り入れた音楽をやってはいるんですけど、クラシックをきちんと学んだことはないんですよ。
――えー! ピアノが基礎にあるのかなって、ずっと思ってました。
M 親が音楽の教師をしているので、子どもの頃からずっと家でクラシックが流れている環境だったんです。それで、クラシック音楽が自然と自分の中に入ってきたんじゃないかな。
――でも、聴くのと作るのでは大違いでしょう。独学でできるものなんですね。
M できる……みたいですね(笑)。
――自分の中で、どのようにして音楽が生まれるんですか?
M 自分のイメージ通りの音楽が作りたいので、ポンポンとそんなにすぐには生まれてこないんですよ。結構緻密な計算のもとに音楽を作っているので、スタジオで「いっせーのせっ!」ってやってバンドでアレンジをするんじゃなくて、基本的には完全に僕の中で緻密に作り込むっていうのがスタイルです。
――レコーディングにも、かなり時間をかけるんですか?
M そこまでではないと思いますけどね。どちらかっていうと、レコーディングそのものよりも、それ以前のアレンジに時間をかけますね。曲の構成、展開、そういうものをいちばん最高な状態にもっていきたいので、そのためには周到な準備をしないと。
――歌詞は、曲ができてから書いているんですか?
M 歌詞から先に作ることはほとんどないですね。音のイメージがまず最初にあって、それを具体的な音にしていって、その音ができたあとに歌詞を作る。
――素朴な疑問なんですけど、Mana様は、ヴィジュアル面の作り込みもハンパないですよね? メイクはもちろん、衣装とかPVとかライブとか。ああいう壮大なものをやる時に、最初のイメージを具現化するにあたって、コスト面とか会場の問題とかで、最初にやりたかったことを軌道修正せざるを得ないってことはあるんですか? マリスミゼルの時とか、どう考えたって金かかってますよね!?
M 結構リアルな話だね(笑)。
――やりたいのに、予算が足りないとか。
M 基本的に、それは常に……(笑)。舞台監督に「それは不可能です」って言われることもしょっちゅうなんで(笑)。
――じゃあ、もし予算を考えないとしたら、どんなことをやりたいですか?
M ヨーロッパの廃墟とか、例えば教会の崩れた跡とか、寺院の崩れた跡とかでライブをやってみたいですね。
――PVを撮るんじゃないくて、そこでライブですか!?
M うん、ライブ! なかなか難しいと思うんですけどね。でも、廃墟の美しさ、崩れたものの中にある美しさっていうのがずっと好きなんですよね。
――あ、もしかしてMana様って、かなりの廃墟萌えですか?
M ああ、かなりありますね。
――最後に。音楽は一生やりたいと思ってますか?
M もちろん。やっぱり、音楽を作っていて、「これだ!」っていうのが生まれた時に、ものすごい幸福感を感じるんですよ。どんな形にせよ、音楽は一生やりたいと思っています。
(構成=角川慶子)
●Mana(まな)
音楽プロジェクトMoi dix Moisリーダー。そして、現在活動休止中の大御所ヴィジュアル系バンドMALICE MIZERのリーダーとしても、つとに有名。ファンからは「Mana様」と呼ばれ、「様」までが名前と言っても過言ではない。常にゴシックロリータファッションに身を包んでいるMana様ですが、趣味が高じてか、ブランド「Moi-meme-Moitie」を立ち上げ、デザインおよびプロデュースまでも手がけている。つまりMana様は、ヴィジュアル系女形の神なんです!!
Moi dix Mois公式サイト<http://www.midi-nette.com/mdm/>
Mana公式ブログ「Monologue†Garden」<http://manamonologue.blog16.fc2.com/>
Moi-meme-Moitie公式サイト<http://moi-meme-moitie.shop-pro.jp/>
D+SECT
12月15日発売の、Mana様待望のニューアルバム。一言で言うと「ホンモノ」。この手のことをやろうとしたV系バンドはとても多いのですが、これほどまでに完成度の高い作品を聴いたことがありません! 楽曲の良さ、歌詞のセンス、演奏力のクオリティ、聴き手に情景までを見せてくれるアーティストなんて、ほかにいません。耽美系でMana様に敵う人間なんていません。ほかの者どもは、Mana様の真似でしかないのですよ!!
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