追跡レポートをOA直前に封印したテレビディレクターの謎の行動
#事件 #冤罪 #新宿駅痴漢冤罪暴行事件
「新宿警察署の担当者は、息子・信助が疑わしい行動をしているという防犯カメラの画像を見るようにと●●●●●(A局の名前)のディレクター●●氏(I氏の実名)を経由して私に打診してきたのはどのような理由からでしょうか。なぜ直接打診してこなかったのですか」
これに対する警察側の回答は、「当職員がテレビ局のディレクターを経由して、貴殿に防犯カメラの画像を見るように打診した事実はありません」(9月11日付け回答より)という極めて短いもので、問題の画像の有無については一切触れられていなかった。
一方、今回の事件の温床を、「痴漢関連の事件を取り扱う警察の捜査方法が根本的な問題」というのは、都内で同類案件を多く取り扱っているある法律事務所の弁護士だ。
「痴漢と言うと一般的に迷惑防止条例で処理してしまいますが、本来は刑法だけで取り扱うべきだと、個人的には感じています。酒で酩酊させたり薬で昏睡させたりして相手の性器等を触るなどという、”抵抗しがたい状況での破廉恥行為”は準強制猥褻罪(178条)となり、『6カ月以上7年以下の懲役に処する』と刑法に定められている。ところが、一般に痴漢行為については、下着の上から触れば条例違反、下着に手を突っ込めば刑法違反という原則がほぼ確立してしまっています。下着の上からとか下からとかでなく、どんな痴漢行為も全部この条文で処理されるべきです。現状では安直に条例を適用させて、信用性が担保できない”被害者”証言だけを頼りに、科学的な捜査もしないで逮捕してしまう。その慣習を改めない限り、痴漢冤罪はなくなることはないでしょう」
また、別の弁護士も次のように言う。
「迷惑防止条例違反は被疑者国選対象事件にならないんです。つまり、起訴までの間、最高で20日間以上もの期間、国選弁護人が付きません。弁護士の援助を得られないまま被疑者が警察に追い詰められてしまい、精神的に疲弊したところで『認めれば罰金だけ払って帰してやるぞ』と言われ、してもいない痴漢を認めてしまう例も少なくないんです」
今回の信助さんの事件は、多くの証言から、酔った学生グループの身勝手な暴行が発端となっている可能性が高く、一般の痴漢冤罪とは内容が異なる事案かもしれない。しかし、いずれにしても新宿警察署が、確かな証拠の積み重ねで事件の解決を目指していたならば、今回のような悲劇は起こらなかったとも考えられる。
季節は晩秋を過ぎ、冬を迎えた。昨年の12月10日に起こった悲劇から、早くも一年が経とうとしている。尚美さんは今日も新宿駅に行き、チラシを配りながらあらたな目撃証言を探している。(了)
(取材・文=浮島さとし)
<本事件をめぐる、その後の裁判状況>
<https://www.cyzo.com/2011/04/post_7174.html>
<https://www.cyzo.com/2011/11/post_9031.html>
●母・尚美さんのブログとツイッター
<http://harada1210.exblog.jp/>
<http://twitter.com/harada1210>
●支援者のまとめブログ
<http://harada1210.blogspot.com/>
報道という名の蛮行。
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