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日刊サイゾー トップ > 社会 > 事件  > 痴漢冤罪で命を絶った青年が録音していた「警察の非道」
【短期集中連載】発生から1年「新宿駅痴漢冤罪暴行事件」の闇(1)

痴漢冤罪で命を絶った青年が録音していた「警察の非道」

信助さん(以下、信) 電話借りられませんか? お金は払いますので。

西口交番警官(以下、警) 貸すときは貸すので。そのときはお金もいらないので。

 すぐほしいんですよ。(携帯の)充電器がないので。

 警察官は携帯を持ってないんですよ。

 いや、電話でいいですよ。これ(交番の電話)、外線につながってますか。

 つながるけど、一般の方には原則お貸ししないんですよ。

(その後、「暴行の被害者」として「任意同行」という名目で新宿警察署に移動)

刑事(以下、刑) 取り調べますんで。

 取り調べって、どういうことですか? 私は任意でこちらにお伺いしたんですよ。

 あなたはですね、痴漢の被疑者ということなんで。

 ちょっと待ってください! 被疑者というのはどういうことですか!?

 理由は、あなたがね、痴漢したんじゃないかって疑われているわけですよ。

 私は暴行を振るわれて、警察の方が来たから交番に行って、警察署に連れて行かれただけなんですよ! 意味が分かりません!

(警察庁は09年6月の通達で、こうした事件に際しては「早期に被疑者の手指から微物採取を行なうこと」を全国の都道府県警に指示している。信助さんは、大学時代に友人が痴漢被害に遭った際に相手方の代理人と折衝した経験から、刑事に次のように切り出す。)

 指紋とか取れないんですか?

 どっからですか?

 どこ触られたんですか、その女性の方は?

 当然、服の上からですよね。

 じゃ、服の上から何か反応とれないんですか?

 ん~、それはこれからの話だから。

 すぐとって頂きたいですね。

 うん、これからの話になりますんで。

 いや、これからって……。

(取調べはこの調子で延々続く。気丈だった信助さんの声は、時間の経過とともに明らかに弱々しくなり、口数も減っていく)

 あの……。ニュースとか、ドラマで見るような、職場に知らされたりみたいな……。

 そんなことはしない。ハハハハ(笑)!

 じゃぁ……。

 ンフフフ……フフフフ……フフフフ(しばらく笑いが続く)

(中略)

 冤罪で社会生活に支障をきたすような、ドキュメンタリー(番組)みたいなものが世の中にはあるような、そういう支障がある可能性は……。

 だって被害届出すわけでしょ。

 出しますね。

 ねえ(笑)。出すんなら別にね。あとは話がつかなければ、お互いに裁判になるしさ(笑)。

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