ツイッターひとつ活用できないダメダメ企業続出の理由
#IT #Twitter #佐々木俊尚 #プレミアサイゾー
れよりじっくりと話をするほうがよっぽど大事です。
せっかく公式にツイッターアカウントを取ったものの、活用できていない企業が大量発生している。彼らがソーシャルメディアを使いこなせないのはなぜなのか? 今後企業が目指すべき広報活動のあり方とは、どんな形態なのか? 情報流通の未来を探った。
ツイッターの使い方が、まったくダメな企業が多すぎる。せっかく公式アカウントを取得してマーケティングに利用しようというのなら、どうしてもっときちんと戦術を立てられないのか。
ダメな使い方というのはどういうことかというと、たとえばこういう使い方だ。
【1】自社の情報をただひたすら垂れ流しているだけで、プレスリリースと何が違うのかよくわからない。
【2】「つぶやき」という言葉に引きずられてしまったのか、「ランチなう」「これから飲み会!」といった、情報量のないツイートばかりを垂れ流している。
【3】せっかく自社製品を使ってくれているユーザーから貴重なリプライがあったのに、そもそもリプライをこまめにチェックしていないから、無反応。
【4】自社の商品やサービスがツイッター上でどう扱われているのかをまったく気にしていないから、ツイッター上でユーザーたちが情報交換しているのも知らない。
【5】フォロワー数を増やす努力を何もしていない。まがりなりにも企業の公式アカウントなのに、フォロワー数が3桁というのは、信じられない。
このような使い方をしていれば、ツイッターを使ったマーケティングがうまくいかないのは当然だ。中には、若手社員が公式アカウントで一生懸命ツイートしていると、「なんかおまえらは暇そうでいいな」などと揶揄する高齢社員も少なくない。ソーシャルメディアが企業の情報発信や消費者との接続にどれだけ重要な意味を持っているのかを、まったく理解していない。「つぶやき」という言葉のイメージからツイッターを「暇つぶしにやるもの」と思い込んでしまっているのだ。
知人の女性編集者は、自分が作った本のプロモーションのために一生懸命「今日は社内会議でこんな提案をしました」「本の売り上げに動きがありました!」などとツイートしていたところ、上司の50代男性から「君、今日のつぶやきはちょっと書きすぎなんじゃないか」「事実だけを淡々と書けばいいんだよ。私情なんか交えなくていい」「社内の話をあまり書くな」「暇そうに見えるからツイッターはほどほどに」と毎日のように釘を刺され、げんなりしている。
実のところこうした状況は、海外でも似たようなものらしい。
PR企業のワイルドファイア社がイギリスのIT企業50社のソーシャルメディア利用を調査分析したところ、74%の企業がツイッターのアカウントを開設しているのにもかかわらず、43%の企業はほかのユーザーに一度もリプライしたことがないことがわかったそうだ。また57%の企業が、ツイッターを単なる情報発信手段として利用しているだけで、ソーシャルメディアの特性である双方向性をまったく使いこなしていなかったともいう。
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