「なぜMママはあんな証言を……」押尾学裁判 嫉妬渦巻く銀座の女模様
#事件 #薬物 #押尾学 #本多圭
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
元俳優の押尾学被告の合成麻薬MDMA譲渡ならびに保護責任者遺棄致死罪などの裁判員裁判で、押尾の異常とも言えるドラッグセックスへの依存度、元マネジャーに罪を被せようとするという卑劣な性格が明らかにされた。起訴されている罪を直接裏付けるものではないが、罪深い男であることは間違いない。獄中ノートに綴っていた”無罪を勝ち取る”という言葉が、虚しく聞こえる。
その反面ガッカリしたのは、死亡した田中さんが事件以前から押尾と肉体関係をもっていて、ドラッグセックスを強要されていた事実が発覚したことだ。田中さん周辺を取材してきた筆者は、事件当日まで押尾と肉体関係がなかったと信じていた。田中さんを銀座のクラブ「J」にスカウトした筆者の旧知の友人でもあるクラブ関係者も、そう信じていた。
さらにショックだったのは「J」のママを勤めていたO・Mの、裏切りとも受け取れる供述内容だった。
初公判の冒頭陳述で押尾サイドの弁護人が「田中さんが勤めていたクラブのママの供述です。クラブでは田中さんはアゲハと呼ばれてました。アゲハは過去に暴力団と付き合ってました。背中に刺青があることも知っていました。体重変動が激しく、半年ほどハイな状態があり、ちょっとした薬物を飲んでいるのかと言う思いはありました」と捜査一課の供述内容を明らかにした。公判が終わったその日、夜の銀座は「なんでMママは、アゲハを陥れるような供述をしていたんだ」という声が関係者の間で上がって、ちょっとした騒動になっていた。
「J」の幹部は「なぜMママは、アゲハが暴力団と付き合っていたなんて嘘を言うのか分からない。暴力団と付き合っていたのはMママ自身ですよ。アゲハがクスリをやったようなことも言ってますが、Mママはアゲハとはほとんど交流がなく、体調を知る状況にはなかった。刺青については、スカウトしたスタッフしか知りません。事件後、マスコミに報道されて知ったんだと思います」と言う。さらにこう続ける。
「Mママはアゲハの葬儀(昨年8月6日、岐阜の飛騨市の大黒寺で営まれた)に出席して号泣したんですよ。その彼女が、アゲハを裏切るような供述をしていたなんて、信じられません」
田中さんと親しかった同僚ホステスは「アゲハは性格も明るく、お客さんだけではなく、ホステスや従業員からも好かれていた。そんなアゲハにMママは嫉妬。嫌ってましたからね」と言う。
夜の銀座は、女の嫉妬と羨望が渦巻く世界。Mママの嫉妬を利用して、押尾サイドは「クスリは田中さんが用意した」という主張を立証するために、田中さんが暴力団と付き合っていたから麻薬を入手する可能性が高かったことを裁判員に印象付けようとした。Mママの証言は、それに利用されたのだ。
その結果、Mママは総スカンを食って、銀座から追放されるかもしれない。Mママも、押尾事件の被害者になりつつある。
その押尾にMDMAを譲渡して実刑判決を受けた泉田勇介受刑者の証言からは、田中さんが飲んだMDMAは、泉田が手配し、押尾が田中さんに渡したものである可能性が高いことがうかがえた。保護責任者遺棄致死についても、救命医が「(すぐに救急車を手配していれば)9割方助かった」と医学的見地から証言。さまざまな人間を不幸に陥れた押尾が、絶体絶命のピンチに立たされたのは間違いない。
(文=本多圭)
ドロドロ。
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