「ち●こ祭り」と「ま●こ祭り」がまさかのコラボ 愛知県の奇跡とは……
#へんな社会学
世の中のへんなものをこよなく愛するのり・たまみの、意外と知らないちょっとへんな社会学。
「ち●こ」の語源を調べたら、仏教用語の「珍宝(ちんぽう)」から来ているそうです(諸説あり)。
その「珍しい宝」であるち●こをご神体として祀り、毎年春に盛大な通称「ち●こ祭り(豊年祭)」をしているのが愛知県の田縣神社。世界的に有名な奇祭で、日本人だけでなく、外国人観光客が大勢訪れるそうです。
そして「ち●こ祭り」で有名な田縣神社のご近所、大縣神社では、しっかり「ま●こ祭り(姫の宮豊年祭)」もやっています。愛知県は風俗が盛んといいますが、やっぱり好きなんでしょうか、いろいろと……。
この近所の神社同士が対になってやっている「ち●こ祭り」と「ま●こ祭り」。2009年にこの2つの祭りが同じ3月15日に開催されることになり、「奇跡のコラボ!」として話題になりました。
実は、「ち●こ祭り」は毎年3月15日に開催されており、「ま●こ祭り」が「3月15日以前の日曜日」と決まっています。「3月15日」が「日曜日」になる確率は7年に1回ですから、4年に1回開かれるオリンピックやW杯より稀で珍しいことです。隣駅で行きやすいので、当日は両方行った人も多く「先にち●こ行く、それともま●こ?」というような素敵な会話が数多くの家族やカップルの間で交わされたことかと思います。
ち●こ祭りをやっている田縣神社は、普段からち●こがご神体です。いつもは境内で立派に”勃っている”ご神体を神輿にして、男たちがわっしょいわっしょと担いで練り歩きます。そしてその脇では、巫女さんたちが小さなち●こ像を抱えて歩きます。そこら中にち●このオブジェが立ち並び、お土産もち●こ一色。屋台の食べ物でさえ、ち●こに似せている始末です。最後にち●こ神輿が大回転した後に、神社に挿入されておしまいという、なんとも凄まじいお祭りです。
「ま●こ祭り」も女性器をかたどった巨大なお餅などを先頭にパレードしたり、巫女さんがオープンカーで走ったり、女性たちが何かベールのようなものをまとってしずしずと歩いたり……。ち●こ祭りが「わっしょい、わっしょい」と動的な祭りとしたら、ま●こ祭りは静的(性的?)な祭りです。
世界各地に昔から性器信仰はありました。インドの世界遺産「カジュラホの建造物群」には、男女が性交している何千ものエロティックな彫刻があることで有名です。しかし、だんだん風化してしまったり、タブー視されてしまい、21世紀の現在でも「ち●こ祭り」「ま●こ祭り」などををやっているのは日本だけのようです。
特にキリスト教の影響が強い欧米では、公共の場での性模写は一部例外を除き基本NGなので、こんなお祭りは出来ないようです。たぶんやったとしたら、すごい問題になるんでしょう。ヌーディスト村なんかはありますが、誰でも参加できるお祭りとしては世界唯一かもしれません。アメリカで開催されているオナニーの継続時間等を競う「世界オナニー大会(マスターベータソン)」なんて特殊な例もありますが、すごい批判にさらされているようです。
ともかく、ち●こ祭りもま●こ祭りも日本というより、むしろ外国人観光客に有名で、「日本のへんな風習」としてよく報道されています。
また田縣神社のち●こ祭りは盛大で有名ですが、こうした「ち●こ祭り」は実は日本各地で行われています。たとえば神奈川県川崎市の若宮八幡宮神社で毎年行われている「かなまら祭」も「ち●こ祭り」として有名です。外国人観光客にとって、愛知県より格段に交通アクセスが抜群にいいので、日本人だけでなく多くの外国人観光客で賑わう祭りです。海外では「ち●こ祭り」という名称でなく「歌麿フェスティバル」として親しまれています。「歌麿」は春画で有名な浮世絵師ですね。
「ち●こを祀る」→「ち●こを大事にする」と変化して、最近は「エイズ除けの祭り」として国際的に有名です。たんなる奇祭でなくて、別の意味を持ち始めていたりします。これからの「ち●こ祭り」の動向から目が離せません。
(文=のり・たまみ)
●のり・たまみ
世界中の「へんなもの」をこよなく愛する夫婦合体ライター。日本のみならず、世界中の政治の仕組みや法律などをこよなく偏愛している。主な著書に『へんなほうりつ』(扶桑社)、『日本一へんな地図帳』(白夜書房)、『へんな国会』(ポプラ社)、『へんな婚活』(北辰堂出版)などがある。
まさに!
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