「冬の時代到来……」ネタ系バラエティー番組続々終了でテレビはどう変わるか
#テレビ #お笑い #裏チャンネル
3月、『ザ・イロモネア』(TBS系)、『エンタの神様』(日本テレビ系)終了。そして8月、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)終了……。
今年に入ってから、お笑い系の人気バラエティーが続々と終了、『イロモネア』の後番組として始まった『ウンナンのラフな感じで。』も、開始からわずか4カ月で打ち切りと、お笑い系の番組は苦境の時期に立たされている。
芸人たちにとって冬の時代が到来と言われることも多いが、その影響を被っているのは出演する芸人だけではないのではなかろうか。番組の構成作家にとっても大きな試練が訪れているのではないだろうか。人気バラエティー番組を手がける放送作家に聞いてみたところ、もちろん影響はないわけではないのだが、
「芸人さんほど深刻な問題ではないと思います」
とのこと。どういうことなのかと言えば、
「10年、20年前のテレビ界なら、お笑いに特化した作家さんというのはいたでしょうけど、今はそういったタイプの人はほとんどいないですね。例外的にコントを書く作家さんというのもいますが。センスや感覚を持っている人は、お笑いだけではなくて、いろんなスタイルの番組を担当できますので、お笑い番組が減ったからといっていきなり仕事がなくなるような人は少ないんじゃないでしょうか」
現在のテレビ界の状況で大変なのは、やはり出演できるネタ系の番組が激減した芸人たちなのだ。同作家は言う。
「ギリギリすべり込めた人はいいんですが、これから出てくる人にとっては、厳しい時期です。出るきっかけ自体がなくなっちゃってるわけですからね。視聴率が欲しいので、テレビは基本的に売れている人、有名な人しか使わないですから。きっかけとしては『あらびき団』(TBS系)なんかもあるのですが、ちょっと放送当初と雰囲気が変わってきていますしね。差別化を図るために、何か特技を身につけて付加価値を高めようとするタレントや芸人も増えてます」
テレビ界では間もなく10月の改変期を迎えるのだが、新たなお笑い系の番組が登場しそうな雰囲気はあるのだろうか。
「『レッドカーペット』や『イロモネア』は、枠移動によって数字が悪くなったところもありますから、番組自体の人気が低迷したのかどうかという判断は難しいところなんですが、今のところ、今までのような形でのネタ番組が出てくることはないですね。今は模索中というか、”次”がまだ見つけられていない状態。たとえばツイッターなんかとの連動もそうですが、いろんなことがうまく噛み合わせができていないまま秋を迎えるといったところですね」
では、そんなテレビ界の現状で、伸びてきているジャンルはどんなものがあるだろうか。
「あえて言うなら、『衝撃映像』系の番組ですね。視聴率はどこも好調のようです。有り物の映像でスゴいものを見せるので、楽な面もあります。あとは『バカ映像』や『おもしろ動物』など、それぞれの番組で切り口で差別化をはかっていくような感じですね」
ただ、ひとつ欠点があるそうで、
「有り物で作れるのはいいのですが、衝撃映像系の使用料が、数秒で何十万とかの場合もあるんです。意外とコストがかかるんです」
とりあえず、この秋の改編から来春の改編期までは、新しい流れが出てくるまでの「つなぎ」の期間になりそうな雰囲気のようだ。
(文=太田サトル/「サイゾー裏チャンネル」より)
止めておくのが無難。
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