『マッハ!弐』はCG&ワイヤーも使わない”人間の限界”を見せた本格タイアクション!
[徳光正行オススメポイント!]
アジアの神秘、タイの魅力が詰まった本格アクション映画
監督兼主演のトニー・ジャーは、とても俳優とは思えない肉体美を誇っていましたね。あれは、ウェイトトレーニングでは作ることができない、格闘家のボディです。それだけに、アクションシーンの力強さは圧巻で、特に、荒れ狂う象の群れを従わせるところは、ものすごく新鮮でした。象とのバトルって、タイならではの発想じゃないでしょうか。ほかの国のアクション映画では、ほとんど見かけませんよね。
主人公が身を寄せて修行をする「ガルーダの翼峰」という部族も、おどろおどろしくて個性的。『タイガーマスク』の「虎の穴」とか、日本の山伏のような香りもして、ちょっと郷愁を覚えたり……。昔、僕が『世界ウルルン滞在記』(TBS)でタイに行ったときも、あれほどインパクトのある部族には出会えませんでした(笑)。
ただ、もう少しコメディの要素を入れてほしかった。復讐がテーマなので仕方がないのかもしれませんが、あまりにも暗いイメージが強すぎる。
例えば、子ども時代の主人公が踊りを習いに行ったとき、とぼけた男と踊りの掛け合いをするんですが、ああいうコミカルなシーンをもっと入れてくれれば、よりシリアスさが引き立った……かも?
とくみつ・まさゆき
1971年、神奈川県生まれ。フリーアナウンサー徳光和夫氏の次男にしてタレント。本誌連載のほか、主なレギュラー番組に『ザ・ゴールデンアワー』(TOKYO MX)、『美人塾』(BSフジ)など。近著に『伝説になった男 〜三沢光晴という人〜』(幻冬舎/1260円)。昨年6月、リングの上で帰らぬ人となったプロレスラー三沢光晴氏。彼との、15年間にも及ぶ交流から知られざる素顔を浮き彫りにした渾身のエッセイです。
[宣伝担当オススメポイント!]
CG&ワイヤーを使わずに”人間の限界”に挑戦した意欲作!
意外に知られていないタイの生活風習も忠実に再現。アユタヤ王国時代を舞台に、人気アクションスターのトニー・ジャーがド派手なバトルを繰り広げるアクション活劇です。これまでトニーがかかわってきた映画では、ムエタイにこだわり続けてきました。しかし、本作では、ムエタイはもちろん、カンフーやサブミッション、剣術や日本の居合いなど、数多くの武術を披露。そのリアルで迫力満点のアクションや、武術修行するときのストイックな姿は、まるで往年のブルース・リーを見ているような感覚に浸れるでしょう。アジアの格闘ものでは、ワイヤーや早回しを使ったアクションが多いのですが、それらは一切使わず、トニー自らの肉体のみで演技。特に、荒れ狂う象の群れを渡り歩くシーンは、いつ最悪の事態が起こってもおかしくないほど危険なものです。
今のCG全盛のアクションムービーとはひと味違う、鍛え抜かれた人間のすごさをたっぷりと味わうことができる作品です。
(構成/丸山大次郎)
(写真/田中まこと)
(スタイリング/中里智弘)
アクション映画
『マッハ!弐』
15世紀のタイ国アユタヤ王朝の勢力が拡大する中、東の王国の王子・ティン(トニー・ジャー)は、家臣ラーチャセーナが起こしたクーデターによって、父と母を殺されてしまう。唯一、難を逃れて生き延びたティンは、ひょんなことから山賊”ガルーダの翼峰”に拾われ、その一味として生活することに。そこでムエタイやカンフー、剣術を師匠たちから学びながら、家族を殺したラーチャセーナへの復讐心を心の奥に燃やすのだった。
販売元/ポニーキャニオン
監督・原案/トニー・ジャー、パンナー・リットグライ
出演/トニー・ジャー
時間/98分
価格/3990円(税込)
発売/好評発売中!
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