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『平清盛』も……経済効果と環境破壊の間に揺れる”ご当地ビジネス”の明と暗

heike.jpg『平家語物 (上)―マンガ日本の古典 (10)』
(中央公論新社)

 各地で龍馬ブームが巻き起こっている最中、8月初旬には、早くも2012度年大河ドラマに『平清盛』が決定したと報道された。

 さっそく「清盛は誰がやるのだろう?」「線の細いアイドル系はやめてほしい」などといった声がネット上では出始めているが、大河ドラマといえば、同時に盛りあがってくるのが、ドラマに関連したビジネスである。

 ある歴史記者は言う。

「京都などの大きな歴史観光土地は別として、小さい地方都市にとっては、大河ドラマの経済効果は計り知れないだけに、誘致合戦が熾烈なものになっています。まったく無名の武将、ドラマの筋にあまり関係のない人物などを担ぎ出して名乗りを挙げるところも多数出ていますし、便乗商品も本当に多いですよ」


 たとえば、龍馬ビジネスで言えば、佐世保バーガーの新作「龍馬バーガー」。これを取り上げたテレビ番組によると、「龍馬には空白の1年間があった。その1年間に渡米して、もしハンバーガーを食べていたとしたら、こんな味だったのではないか」とかいうけれど……。

「2009年度の『天地人』の際には、直江兼続ゆかりの町として、米沢の町には『愛』の兜をかぶった犬のキャラクターが溢れていましたし、上杉博物館には、これまた『愛』の兜をかぶったロボットがいました。でも、これ、『愛の勇者 ナオエイト』という名前で、なぜかダンスのボタンがあり、押してみると、全身をグルグル回した後に『エグザイル!』と言うんです(苦笑)」(前出の記者)

 奇抜な便乗商品・便乗施設などにも発展しがちな大河ビジネスだが、そんななか、『平清盛』ドラマによって、一部で不安視されているのが、栃木・湯西川の変貌である。

 日本中のいたるところに、「平家の落人伝説」が存在しているが、ここもそのひとつ。ある地元関係者は言う。

「湯西川はもともと緑豊かで静かな場所でしたが、『平家の落人』PRによって、資料館になぜか美少年のマネキンが飾られたりしています。また、2005年の大河ドラマ『義経』が放送された頃には、壇ノ浦のその後としてたくさんの人が訪れ、資料館に俳優のパネルやドラマの写真がベタベタ飾られたりしていました。さらに、駅周辺が整備されて変貌し、新道建設・ダム建設工事が進み、便利になる一方で、どこにでもある普通の観光地のようになりつつあります。『平清盛』が放送されるようになると、ますます変わっていってしまうのではないかという不安もあります……」

 ドラマ人気が町を活性化させ、経済効果につながるのは良いことだが、一時的なブームによって、崩れゆくものもあるもの。栄枯盛衰の憂き目に遭う町・施設が少ないことを願うばかりだ。
(「サイゾー裏チャンネル」より)

平家語物 (上)―マンガ日本の古典 (10)

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最終更新:2010/08/16 08:00
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