「ありえねー!!」 トンデモB級アメリカン・ムービー『特攻野郎Aチーム』
#映画 #洋画
爆笑! トンデモ! 痛快! 往年のB級アメリカン・ムービーの雰囲気を醸しながらも、現代的なヒネリと洗練が加わった快作2本が、残暑厳しい8月の日本に上陸する。映画で大いに笑ってスカッと暑さを吹き飛ばしたいなら、『ヤギと男と男と壁と』(8月14日公開)と『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(8月20日公開)は要チェックだ。
まず『ヤギと男と男と壁と』は、ノンフィクション本『実録・アメリカ超能力部隊』(文藝春秋)をベースにしたコメディ映画。超能力部隊と聞くだけでトンデモ感が漂うが、米軍が冷戦時代からイラク戦争まで、大まじめで超能力の軍事利用に取り組んでいたというから驚きだ。映画化にあたり、原作の要素を盛り込みつつ、ユーモラスでノスタルジックな味もあるロードムービーに仕上げている。
時は2003年。地方紙記者のボブ(ユアン・マクレガー)は、妻を編集長に寝取られ、傷心のまま戦下のイラクへ取材に向かう。途上のクウェートで、かつて存在した米軍極秘部隊「新地球軍」の超能力隊員リン(ジョージ・クルーニー)に出会い、同行することに。リンの目的は、同軍の設立者ジャンゴ(ジェフ・ブリッジス)を救出すること。かつての超能力マスターは、嫉妬深く邪悪な隊員ラリー(ケビン・スペイシー)に拉致されていた……。
本作の売りは、とにかく豪華な俳優陣。製作も兼ねるジョージ・クルーニーの元に集まった名優たちが、大真面目で超能力者を演じるのだからたまらない。クルーニーがマクレガーに「私はジェダイだ」と言い切る楽屋オチもある(マクレガーはご存知、『スター・ウォーズ』新3部作でジェダイの騎士オビ=ワン・ケノービを演じていた)。とは言え、抱腹絶倒の展開の中にも、”何かを一途に信じること”の素晴らしさと切なさが丁寧に描かれ、作品をピリッと締めている。
一方の『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』は、80年代の人気ドラマ『特攻野郎Aチーム』を、リドリー&トニー・スコット兄弟の製作で映画化。監督は『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』のジョー・カーナハン。
天才戦略家のリーダー・ハンニバル(リーアム・ニーソン)、プレイボーイの調達屋フェイス(ブラッドリー・クーパー)、機械と運転が得意なバラカス、イカレた敏腕パイロットのマードックは、米軍最強の特殊部隊4人組。軍の枠に収まらない強烈な個性を放ちながら、絶妙のチームワークで荒唐無稽な作戦を成功に導く。
そんな彼らが何者かに無実の罪を着せられ、監獄や病院に送られるが、機を見て脱出。再び合流したAチームは、汚名を晴らすため奇抜な作戦を敢行、陰謀の黒幕に迫る……。
予告編ですでに目にしている方も多いと思うが、パラシュートで落下する戦車に乗った4人が、主砲をぶっ放す反動で落下コースを変えて湖に着水するなど、思わず「ありえねー!」と叫びつつ爆笑してしまうシーンが目白押し。理屈抜きに楽しめるし、ブラッドリー・クーパーとジェシカ・ビールによるロマンチックな場面もあるので、デートムービーとしてもオススメしたい。
(文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ヤギと男と男と壁と』作品情報
<http://eiga.com/movie/55080/>
『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』作品情報
<http://eiga.com/movie/55187/>
おうちでも。
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