トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー  > “肉食女子”ライター・桜木ピロコが大激怒 「アタシの本パクるんじゃねぇ!」
『肉食女子に食べられちゃう技術』ブックレビュー

“肉食女子”ライター・桜木ピロコが大激怒 「アタシの本パクるんじゃねぇ!」

pirokosann003.jpg「好きな男の血液型はB型」だそうです。

 なにかと「草食男子」「肉食女子」という言葉で片付けられる昨今。そんなブームに完全に乗っかった『肉食女子に食べられちゃう技術』(講談社)なる本が発売された。だが、その本に対し、「完全にアタシの本の丸パクリじゃん!」と激怒しているのが、”肉食系女子ライター”桜木ピロコ氏。はたしてこの本は悩める草食男子たちのバイブルとなりうるのか、ズバッと斬ってもらった。

***

 そもそも、「肉食系女子」って定義したのはこのアタシ。なのに、アタシに何の許可もなく、この言葉をいろいろと使ってる媒体や、こういった類の本が何冊か出ているのは知ってる。けど、去年の流行語大賞にもノミネートされたし、それだけ社会に認知されたってことなのだから、喜ぶべきことだ。あー、アタシってすごい。

 で、まず結論から言うと、「オメー、アタシの本とかあらゆる媒体での発言とか、隈なくチェックしすぎだよ! アタシが言っていること丸かぶりじゃねーの!」ということ。本当にビックリだわよ!

 ツッコミどころ満載なので、いちいちツッコませていただきます。でも、これを書くことによってこの本が少しでも話題になるかと思うと、死ぬほど悔しいわ。

 まず、第1章「肉食女子の正体」の構成から、アタシの『肉食系女子の恋愛学』(徳間書店)とまったく同じ。本文中では、”~世間が肉食系と定義した”なんてあるけど、定義したのはアタシです。草食男子のことを”弱り切ったシマウマ”なんて言ってるけど、”弱ったガゼル”と表現したのもこのアタシ。

 続く第2章「女子に食べられちゃうための基礎知識」では、著者・北上氏の自意識過剰ぶりがうかがえるんだけど、どうなのこれ? これまで1077人の女とセックスしたカリスマナンパ師で、ナンパ師以外にもファッションアドバイザーの肩書を持ってるそうですが、正直、著者の顔写真からはそんな片鱗、1ミリも感じられません!「常に女の子の年齢確認を怠るな」なんて明言しちゃってますけど、これ真逆。そんなことしたら、ヤレるもんもヤレなくなるよ。ホントにこの人1000人以上とヤッてんのかな?

 第3章「『合コン』で食べられちゃう技術」。この章でも、北上氏の勘違いっぷりが炸裂。合コンでは、女子たちの「今夜こそいい男とゴ―ルに持ち込んでやる! と攻撃的な欲望が渦巻いるのですが」とおっしゃっていますが、大間違い。女のコは真面目に彼氏を探しに行ってるんです。さらに「合コンはチーム戦」と続きますが、完全にイタいね、これ。チームでこそこそ何かやっているのは女の子にバレバレで、正直評判は悪い。出し抜いた者こそ勝利を得るって、基本だよ。あとさ、「連絡先をゲット」したら脈アリ的なことも書いてあるけど、古くない? 最近は全員で交換するのが基本。で、メールしても返事が来なかったらダメ、って感じ。

 ちょっと飛ばして第6章「『デパート』で食べられちゃう技術」。デパガに声をかけるのは昼休みがベストで、この時間帯はデパガがリラックスしてる。そこを突けって話なんだけど、北上氏が大事だって言うのが”最初の一声”。「どうしたの? 何してんの?」って偶然を装って声をかけるのがいいって言ってるけど、実際デパガの友達に聞いたら、「タメ語で話しかけられた時点で無視」とのこと。そりゃそうでしょ。

 そして第8章「『ストリート』で食べられちゃう技術」。この章の中では、いろんなタイプの”ストナン”(と呼ぶらしい)が紹介されているんだけど、ビックリなのはこの一説。「秋葉原にはどうかしている子が多い」。……きっと全ネット社会を敵にまわす覚悟はできているんでしょう。

 最終章「『出張先』で食べられちゃう技術」では、「地方出身の女子に肉食は多い」って書いてるけど、これ、アタシが「サイゾー(ウーマン)」のインタビューで言ったことだよ~。さらに「肉食系女子とは~夢や仕事にも貪欲な女子を指している」と続きますが、これもアタシがあらゆる媒体で常に言っていること! 

 とまぁ、よくもこんなにいい加減な本が出たもんだ! 北上氏はさぞ、アタシの本やブログを血眼になって読み倒してくれたことでしょう。な・の・に! 本文にアタシの本が出てこないのはどういう了見? 肉食草食の類の書籍はすべてタイトルを挙げているのに、アタシのものだけは、”あえて”外しているってどういうことよ。

 アタシはものすごく心が狭くて器がおちょこよりも小さい人間なので、こういう書籍には平常心でいられないんだなー。死ぬ気で調べて、死ぬ気で考えて、死ぬ気で書いた本だよ?

 それと、やっぱり恋愛指南書を書くのに外見って大事だよね。北上氏の写真見て、「いやぁ、アンタに言われても納得できません」って思ったもん。

 まぁ、「恋愛は女子に主導権がある」ってところと、「いつまでもチヤホヤされたい」ってところの2点だけは正しいと思いました。でも、こんな本参考にしたら痛い目遭うと思うよ。

***

 と、桜木氏の怒りは収まらない様子なので、実際に『肉食女子に食べられちゃう技術』の担当編集に話を聞いた。

「そもそもこの本っていうのはナンパの本ですし、『肉食』『草食』ジャンルの既刊本を参考にして作ったわけじゃないですよ。それに大変申し訳ないのですが、桜木さんがそういう本を出版されていたこと自体、存じ上げていませんでしたし……。おかげさまで本は順調に売れていまして、もうすぐ重版がかかりそうです。タイトルや装丁的にちょっと抵抗があるのか、書店よりアマゾンで買う方が多いようですよね」

 ”狙った獲物は逃がさない”という点では、肉食女子とナンパ師の思考回路はだいたい似たようなものってことなのだろうか。実際にこれで女の子をGETできるかどうかは、ぜひ自分自身でお試しいただきたい。
(文=桜木ピロコ/構成=編集部)

●さくらぎ・ぴろこ
1973年生まれ。大学卒業後、旧通産省勤務、イベントコンパニオンなどを経てフリーライターに。著書に『肉食系女子の恋愛学』(徳間書店)、『もっと知りたい!オトナの保健体育』(コアマガジン)など。ブログ「肉食系女子の恋愛学」<http://ameblo.jp/sakuragi-piroko/

肉食女子に食べられちゃう技術

ヤレるもんならヤってみろ!

amazon_associate_logo.jpg

【関連記事】
桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」(前編)
非モテもイケメンもごちゃごちゃ言わずに『モテキ』を読め!
世界は「モテない男」が救う! 本田透の痛快すぎる文学論

最終更新:2010/07/23 15:18
ページ上部へ戻る

配給映画