職場で好かれる上司は青森出身? データで分かるビジネスマンの県民性
#雑誌 #出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
●第53回(7月15日~7月20日発売号より)
第1位
「ビジネスマンの県民性47都道府県衝撃データ」(「週刊ポスト」7月30日号)
第2位
「氷川きよし『松村雄基と過ごす熱い夜』」(「フライデー」7月30日号)
第3位
「男と女『遺言』で何を語るか!」(「週刊アサヒ芸能」7月29日号)
今週も、政治記事には見るべきものがない。菅直人総理を、いくらバカだ空き缶だと口汚くこき下ろしても、国民の多くは国のトップを軽々と取り替えるものではないと考えているようだ。選挙後に行われた世論調査の数字がそれを示している。ただし、内閣支持率は下落傾向が止まらない。ということは、菅総理を今すぐに替えてみても、次に期待できる政治家はいないということである。
一部に小沢一郎待望論があるようだが、これも彼一流の政治駆け引きだろう。一国の総理ともなれば、1円のカネはもちろんのこと、妻の資産まで明らかにしなければならなくなる。自分の政治資金団体を通じて行った、不自然な不動産購入のための資金の出と入りが明らかになる危険がある。そんなことを彼がするはずはないと思うからだ。
ところで、7月10日に亡くなった劇作家のつかこうへい氏(享年62歳)の「遺言」には、胸を突かれた。
「友人、知人の皆様、つかこうへいでございます。思えば恥の多い人生でございました。先に逝くものは、後に残る人を煩(わずら)わせてはならないと思っています。私には信仰する宗教もありませんし、戒名も墓も作ろうとは思っておりません。通夜、葬儀、お別れの会等も一切遠慮させて頂きます。しばらくしたら、娘に日本と韓国の間、対馬海峡あたりで散骨してもらおうと思っています。今までの過分なる御厚意、本当にありがとうございます」
お前さんが恥多い人生だったら、オレはどうすりゃいいんだ。雑誌屋稼業を30年以上続け、人の粗探しばかりやってきた人間は、最後に、何と書いたらいいのだろう。
「アサヒ芸能」がタイムリーな特集を組んでいる。粛然たる死を前にしたとき、人間は何を語るのだろうか。
格好いい言葉を残した男たち。
「一、葬式無用 一、戒名不要」(白洲次郎)「孤独と苦悩に耐え得る者、それを男と称します」(鶴田浩二)「自分は努力だけはしてきた。それは努力が好きだったからだ。思うように成果はなかったけれども、八十歳になってもなお働くことができたのは有難い」(松本清張)
悲痛な叫びを残した女たち。
「私、私、社長‥‥、私‥‥仕事、したい‥‥」(胃ガンに冒され23歳で死んだグラビアアイドル堀江しのぶ)「あこがれていたのに、最近冷たくされて悲しい。勝手なことをしてすみません」(飛び降り自殺したアイドル歌手・岡田有希子・18歳=俳優の峰岸徹ことが好きだったと言われている)
私がこの記事にひかれたのは、私の数少ない友人の一人が脳出血のため、脳死状態で病院のベッドに横たわっていることと深く関わっている。いつかは必ず来ることだが、何十年も同じ道を歩んできた友の死に臨んで、やはり納得できないやりきれなさでいっぱいである。
この特集は、遺言は妻と愛人両方に書くことなどの「作法」にも触れている。必読とは言わないが、死はまだまだ遠いものだと考えている若い人に読んでもらいたい特集である。
2位は、私が知る限り、テレビはもちろんのこと、他のメディアが扱わない、演歌界の王子様・氷川きよし(32)の初スキャンダル。それも相手は、84年にラグビー・ドラマ『スクール☆ウォーズ』で札付きの不良生徒を演じた男前の俳優・松村雄基(46)だというのだ。
男対男。しかも年の差、実に14歳。松村が夜、愛車を駆って氷川の家に来て、二人で朝まで過ごすことが多くあるという。今年の4月、フライデーはこんな「友愛場面」に遭遇した。氷川が、松村のジーンズの尻ポケットに手を突っ込んで歩いてくる。氷川の部屋に入った二人。部屋に明かりが灯ると、笑顔の松村が窓際に立つ。と、次の瞬間、上着とシャツを脱ぎ、上半身裸になった。
これをどう読むかは、読み手側の想像力が試される。芸能界にはありふれた、男と男の恋物語と読むか、氷川の事務所がコメントしているように、よき先輩後輩としての男同士の友情物語なのか。
演歌界最大のスターに降って沸いたスキャンダルの続報が待たれる。
世の中が表面上だけだが平穏無事に見えるとき、どういう企画もので凌ぐかが、週刊誌編集長の腕の見せ所である。
「現代」はセックス、長寿などの企画ものの大特集が功を奏し、このところ部数を伸ばしてきているが、今週はポストが企画の冴えを見せた。
だいぶ前になるが、殿山泰司という怪優が『日本女地図―自然は、肉体にどんな影響を与えるのか』(角川文庫)という本を書いて評判になった。殿山自身が、撮影のために全国各地で出会った女たちの「味」の違いを、軽妙なタッチで描いたものだが、「ポスト」は、県によって好かれる上司のタイプや、嫌われる上司、仕事の相性が分かるというのだ。
これを解説するのは、『ビジネスの9割は「県民性」でうまくいく』(学研新書)を書いた「ナンバーワン戦略研究所」の矢野新一所長だ。
その結果、職場で好かれる上司は1.青森 2.愛媛 3.富山 4.兵庫 5.福岡で、その反対に、嫌われる上司は1.鳥取 2.京都 3.和歌山 4.山梨 5.佐賀となっている。
仕事の相性ベストは、1.神奈川×兵庫 2.大阪×岡山 3.北海道×沖縄。反対にワーストは、1.岩手×大阪 2.北海道×岐阜 3.宮城×長野だそうだ。
データから分かる「自己破産が多い県」は当然ながら東京、2位が高知、3位が北海道。「ギャンブル好きな県」は、人口あたりパチンコの台数が一番多いのが宮崎で、鹿児島、大分と続く。異性との攻略法も出身県を見れば分かるそうだ。「アプローチが成功する県」は、愛知、静岡、沖縄。「セックスに積極的な県」は、北海道、兵庫、神奈川。「浮気に寛容な県」は、出稼ぎ文化の発達している青森だそうで、同県は、バイタリティ溢れる女性が多いので、女性社長輩出率でも全国1位なのだそうだ。
その他にも、「巨乳日本一は岩手女」「トイレが清潔な大阪人」「ペット好きな愛知人」など、酒を呑んだときのつまみに、好感を持っている女性とのきっかけ作りに、使えるネタが満載である。ただし、群馬県出身者に「君の県は、稼いだお金をバクチと車に注ぎ込むそうだね」(自動車保有率は全国1位)とか、香川県出身者に「君の県は、人の足を引っ張ってでも出世したい県民性だ」(主要省庁幹部職員の人口比率が第1位)などと言わぬよう、くれぐれもご用心を。
(文=元木昌彦)
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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