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本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」Vol.69

TBSドラマ『歸國』出演の長渕剛 忘れがたき「AD殴打事件」その蛮行

tsuyoshinagabuchi0625.jpg『長渕剛 YAMATO大和魂 』
フォーライフミュージックエンタテインメント

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 シンガーソングライターの長渕剛が、8月14日放送予定のTBS系の終戦スペシャルドラマ『歸國(きこく)』に出演するという。長渕がTBSドラマに――こう聞いて思い出すのが、17年前の長渕による理不尽な”AD殴打事件”だ。だいぶ前にこのコーナーで報告したことがあると思うが、許しがたき長渕の愚行を改めて、ここに問いたい。

 1993年に放送された長渕主演のドラマ『RUN』(TBS系)の打ち上げパーティー終了後のこと。長渕は一度パーティー会場を後にしたADを呼び戻し、何が気に入らなかったのか、サンドバッグのように殴りつけたのだ。当時、長渕の愛人と言われて、同ドラマでも共演していた国生さゆりも、ADにコップ酒を投げつけて「やれ、やれ」と囃し立てたという。長渕は、無抵抗のADを殴り終わったあとに、金を投げつけて「訴えられるものなら、訴えてみろ」と開き直ったそうだ。長渕がキレたのには、それなりの理由があるのだろうが、立場的に弱い人間を徹底的に痛めつけるという行為は絶対許されるべきではない。筆者は、この事件の裏を取り、記事を発表した。 

翌年9月、長渕は溶連菌感染症で緊急入院。全国ツアーを中止したが、入院先の病院で国生とイチャているとの情報を得て、取材を開始。”仮病疑惑”を夕刊紙で報じたところ、事務所が「事実無根であり、名誉毀損で告訴する」と通達してきた。記事は署名ではなかったので、本来は夕刊紙の担当デスクが対応するのだが、長渕本人は記事の執筆者に激怒し、筆者と直接話したいと言っているという。”AD殴打事件”のこともあったので、担当デスクと一緒に、長渕の事務所に話し合いに出かけた。ところが、応対に出てきたのは、その日に長渕の所属事務所社長に就任したという東芝EMI元社員のI氏。それと、どういうわけか、女性誌の副編集長だったN氏が同席していた。長渕が直接話したいというから足を運んだのに、本人がいないのでは話にならない。しかし、事務所のどこかに隠れている様子がしたので、帰り際に「長渕、出てこい!」と捨て台詞を吐いて帰ってきた。

 後日、事務所の関係者に聞いて分かったことだが、そのとき長渕は事務所内に隠れて、筆者の顔写真を撮影していたという。その写真をファンクラブの会報に載せようとしていたというのだ。さすがにそれはやり過ぎだと、スタッフが止めたらしいが、もし掲載されていたら、長渕のファンが暴走していたかもしれない。そう思うとゾッとした。

 それだけではない。長渕は筆者に報復したいと思ったのか、筆者の女性スキャンダルを掴もうと、探偵数人を雇って、尾行させたのだ。幸い親しい友人が尾行に気づき、探偵を捕まえると、その探偵は長渕に頼まれたことを白状した。卑劣な長渕は、95年1月に大麻取締法違反で逮捕された。これで少しは反省すると思ったが、最近でも、聞こえてくるのは弱い者いじめの話ばかり。それだけに、今回のドラマでも、17年前の悪夢が再現しないかと危惧している。

 今回、長渕をドラマに起用したのは脚本を担当した倉本聡さんらしいが、倉本さんに対しても筆者はいい印象を持っていない。筆者は昔、北島三郎の地方興行に同行した経験がある。場所は青森の恐山の近くの村だった。3月の初めでも寒さは厳しかった。会場の体育館では、村の人たちがサブちゃんのショーを楽しみに、せんべい座布団を敷いて待っていたが、開演時間になっても幕が開かない。どうしたのかと楽屋を覗きにいくと、サブちゃんが倉本さんとマージャンをやっていた。まだ、勝負がついていなのか、倉本さんがお客さんに対して、「待たせておけばいい」と言ったことをいまだに記憶している。些細な出来事だが、長渕と同じように弱者の気持ちが理解できない人間の素行だろう。2人の作品が多くの人に愛されていることは否定しようがない事実だが、まずは人間として愛のない言動は慎むべきだろう。
(文=本多圭)

長渕剛 YAMATO大和魂

暴力じゃあ解決できないことも、たまにはある。

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最終更新:2013/02/14 11:16
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