【WC2010】モーテルには拳銃を持った警備員と女のあえぎ声……サッカーシティの夜
#サッカー #ワールドカップ
W杯決勝を前に、取材の拠点を決勝の会場となるサッカーシティ近くのサウスゲイト地区のモーテルに変更したのだが、これが失敗だった。
サッカーシティは南アフリカ最大のタウンシップ(旧黒人移住区)ソウェトの傍に位置し、サウスゲイトも同様に、主に低所得者層の黒人たちが暮らす地域。これまで拠点としていた白人たちや観光客が集まる郊外の高級エリア、サントンとは街の反対に位置し、当然周囲の空気も大きく違ってくる。
スタジアムに近く、空港への移動にしても便利などと考えたが、甘かったようだ。
モーテルはまるで学生時代の合宿生活を思い出すような作りで、トイレとシャワーは共同。汚いトイレに加え、不衛生なシャワールームでは自然とつま先立ちになり、アキレス腱は早くも悲鳴を上げている。
夜間にはブリーフ1枚で怪しげな黒人たちが廊下をウロウロし、窓際でたむろしている輩も。禁煙とはいうものの、そんなことはお構いなし。そこら中がヤニ臭い。
深夜、トイレへ行くにも騒がしい輩に絡まれないかドキドキもの。なんとか息を殺してトイレで用を足せば、聞こえてくるのは女のあえぎ声。土地柄、若者たちの連れ込み宿となっているのだろう。
あるとき狭いフロントにコーヒーを買いに行くと、拳銃を備えたセキュリティ会社のスタッフが忙しなく出入りしている。事件でもあったのか、それとも日常的な見回りなのか。
W杯も終わり、明日からは南アフリカも日常を取り戻すことだろう。そうなれば、この1カ月のような厳重な警備は解かれることになる。帰国まであと1日と迫ったが、無事に帰国の途に就けるか。最終日こそがヤマ場となりそうだ。
アジアの宿も負けてないよ。
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