アダルト絶対NGはホント? iPadで夢のエロ漫画読み放題生活!
#ネット #iPad #電子書籍
「電子書店では、エッチな内容の本、特に漫画は買うことができないらしい」
こんなことが、iPadが発売された今春以降あちこちでささやかれている。
一種の都市伝説なのだが、その根拠は存在する。海の向こうでiPadが華やかにデビューし、それを見た日本人が「電子書籍=iPad」という錯覚を起こしたことがその一つ。さらにiPadを販売しているAppleが、アダルトコンテンツに対して非常に厳しい姿勢を取っていることがもう一つの原因だ。
Appleの製品であるiPhone用の「App Store」では、”エロコンテンツ狩り”が行われており、水着写真集程度のアプリであっても発売停止の処置が取られる。内容的によりフリーダムな日本の漫画の場合、単純なアダルトものよりもApp Storeの関門は厳しい。単純な露出だけではなく、キャラクターの年齢(児童か否か)、暴力描写などが問題視されるからだ。講談社が一般向け漫画コンテンツをApp Storeで販売しようとしたら3分の1が審査落ちしたとか、廣済堂が持ち込んだコンテンツが全滅した、とかいうニュースも実際に伝えられている。こんなものを立て続けに見せられたのでは、「アダルト漫画を電子書籍として買うことはできない」と思い込むようになったとしても無理はない。しかし、実際には全くそんなことはない。
iPadは「電子書籍リーダー」とは言われているものの、その正体はタブレット型のパソコンであり、ごく普通にインターネットに接続できる。ブラウザもAppleのパソコンが搭載しているものと同じSafariなのだ。だから、これで普通のダウンロードサイトに接続し、コンテンツを買うことが可能だ。別にApple直営の書店でなければ本が買えないというわけではない。決済方法にしても、一般的なWebブラウザ上で使用可能なクレジットカードやPayPalなどが使える。
iPadで標準とされている電子書籍のフォーマットは「EPUB」と言われているもので、その中身は基本的にWebページと同じものだ。「EPUBで日本語の書籍を作るのは難しい」とよく言われるが、これは縦書きで作ろうとした場合の話。漫画のような、絵だけで構成されたコンテンツの場合、驚くほど簡単に電子書籍化できる。特別なソフトは何もいらない。その気になれば、Windows付属の「メモ帳」でもイケてしまうのだ。
というわけで、「iPadでも利用できる電子書店」も、「そこで販売できる電子書籍」も、個人ベースで作れてしまう。EPUBそのものは、Appleが開発したフォーマットではないオープンな規格なので、いくらエッチな本を販売しても、Appleが文句を言ってくることはない。表現面でやりすぎたり、そこらにある漫画を勝手にスキャンして電子書籍化して売ったりすると日本の法律によって処罰されるが、水着程度なら全く問題ないのである。
筆者はケータイ用のデジタル漫画を制作するプロダクションで働いている。だから著作権的に何の問題もない漫画データは豊富にある。それをフリーのツール(FUSEeというフリーソフト)で電子書籍化し、さらに書店サイトを作って販売を開始した。コンテンツはiPad・iPhoneで閲覧できるほか、ビューアソフトを入手すればパソコンでも鑑賞可能だ。
自分で書店を運営する場合、問題になるのはネットを通じて商売する上で必須になる決済システムだが、これにはPayPalを使用した。PayPalは日本ではあまり使われてないが、世界的にはオークションの決済などに多用される少額決済用のシステムである。サービス利用開始時に初期費用が一切かからないこと、日本国内だけでなく世界中のユーザーが利用可能という点が魅力である。
他のやり方としては、ビューアアプリだけを製作し、コンテンツ本体はそのビューアから出版社のサイトに直接アクセスさせ、そこで購入させるという手法がある。この方法は、パピレスが運営する「電子化資本Renta!」などで採用されている。ただし、アプリ方式だと提供する業者ごとにユーザーインターフェースが異なったり、近い将来登場してくるAndroid端末では利用できないなど、克服しなければならない問題点も多い。
しかし、AV見たさにビデオデッキが急速に普及したと言われるのと同様に、電子書籍においてもエロコンテンツがその普及の牽引役を担うことを期待したい。
(文=高安正明)
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