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非日常にもほどがある! 怒濤のトンデモ展開コメディ『ハングオーバー』

hungover100701-21main.jpg『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
(C)2008 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

 平穏な日常を生きる私たちにとって、「一夜明けたら人生が激変」なんてことはめったにないし、ちょっと憧れたりもする。そんな非日常を疑似体験するのに、映画はまさに打ってつけ。今回紹介する新作2本は、目を覚まして我に返ると想定外のトンデモな境遇に……というシチュエーションは共通するが、その後の展開も作品の味わいも好対照だ。

 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』は、記憶が丸ごと抜け落ちるほど泥酔し、その間に大変なことをやらかしちゃったらしい男たちが繰り広げるコメディ。結婚式を間近に控えた花婿と、その独身最後の夜を派手に祝うためラスベガスに繰り出した仲間3人。だが翌朝3人がひどい二日酔いで目覚めると、1人の前歯が無くなっていて、花婿の姿は見当たらず、なぜか虎と赤ん坊がホテルの部屋に……。

 朦朧とした頭を抱えながら花婿を探す彼らに降りかかるドタバタに、徐々に明らかになる一夜の暴挙や愚行の数々が織りなす笑いの波状攻撃。巧みに組み立てられた脚本の面白さが受けて、有名スター不在、低予算ながら、全米で3億ドル弱を売り上げ、2009年度興収第6位の大ヒット作に。日本ではいったんDVDスルーになりかけたが、ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)の受賞と、劇場公開を熱望する映画ファンの声が後押しとなり、このたびめでたく7月3日より全国公開の運びとなった。

repo_main.jpg『レポゼッション・メン』
TOHOシネマズ みゆき座他全国ロードショー
(C) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
配給:東宝東和

 もう1本のSFアクションスリラー『レポゼッション・メン』(R15指定)は、ユニオン社製の高価な人工臓器で人類が寿命を伸ばしている20年後のダークな近未来が舞台。ローンを支払えなくなった人々から問答無用で臓器を回収する男たち「レポメン」のエリート、レミー(ジュード・ロウ)は、仕事中の事故で失神し、目覚めると人工心臓につながれていた……。

 これを境に仕事ができなくなったレミーは、じきにローンを払えなくなり、回収する立場から回収される立場に。やはり臓器ローンの不払いで追われる女(アリシー・ブラガ)を守るためにも、レミーはかつての同僚のレポメン、そして彼らの雇い主であるユニオン社と戦うことを決意する。

 人体の切開シーンと精緻な人工臓器がリアルに描写され、倒錯したエロティシズムを生む一方で、スタイリッシュなアクションとBGMの個性的な使い方でコミカルな雰囲気も漂う。監督は新鋭のミゲル・サポチニク。

 ジメジメした上に蒸し暑い梅雨の季節。ここはひとつ、涼しい映画館の暗闇で、銀幕に映し出された”うたかたの夢”の中、ゲームのような大どんでん返しの人生をしばし楽しむのも一興。見終えた後は、昨日と大差ない今日を迎えられるささやかな幸せに改めて気づかされるはず。定番ではあるが、そんな映画鑑賞の効能を実感できる2作品だ。
(文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉)

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
<http://eiga.com/movie/54531/>

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』主演ブラッドリー・クーパー インタビュー
<http://eiga.com/buzz/20100618/26/>

『レポゼッション・メン』作品情報
<http://eiga.com/movie/53177/>

平凡

……な人生なんてつまらんよ。

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最終更新:2010/07/03 16:00
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