懐かしきのあの頃にタイムスリップ!『遊園地の記憶』
#DVD
子どもの頃、休日に連れて行ってもらえる特別な場所と言えば、遊園地だった。メリーゴーランドやコースター、観覧車など色とりどりのメルヘンな乗り物に心躍らせ、ウサギやパンダの気ぐるみから風船をもらい、ソフトクリームやポップコーンをほお張りながらベンチで一休み。そこは子どもたちの幸せな笑顔で溢れていた。
大人になるにつれて、流行をいち早く取り入れたテーマパークに遊びに出かけることが多くなり、遊園地からはすっかり足が遠のいてしまった。ディズニーランドに代表されるような”一流”のテーマパークは、設備から演出にいたるまですべてが完璧で、文句のつけようがない。けれど、遊園地には肩の力を抜いて楽しめる、庶民的な魅力がある。
先日、日本最古の屋上遊園地とされる浅草・松屋の「プレイランド」が閉鎖されたばかりだが、集客が伸び悩み、惜しまれつつも取り壊されてしまう老舗遊園地も少なくない。
『遊園地の記憶』は、巨大遊園地からデパートの屋上遊園地まで、現存する懐かしい遊園地を収録したDVDだ。「浅草花やしき」の日本最古のコースター、国の有形文化財に登録されている群馬県前橋市「るなぱあく」の電動木馬など、歴史遺産とも言うべき遊具たちが多数収録されている。ちょっとセンチメンタルな音楽とともに、ただただ園内の乗り物を追ったシュールな映像だ。まるで、遊園地のなかに一人迷い込んでしまったかのような不思議な錯覚に陥る。
昭和に造られた遊園地ばかりとあって遊具は老朽化が進み、色がはげたり、もうなんのキャラクターだかよく分からなくなっていたりもしているけれど、その分、哀愁はたっぷり。
東京・浅草にある「浅草花やしき」と言えば日本最古の遊園地。ペリーが浦賀に来航した年にできたというのだから、その歴史は150年以上(1942年に一度取り壊された後、47年に再建した)! もともとは植物園として開園したが、浅草が流行の地となるにつれて、動物や見世物の展示、遊具の設置を行うようになった。何度か経営会社が代わり、現在ではナムコが経営しているが、栄枯盛衰を繰り返してきた、苦労が絶えない遊園地だ。
神奈川県小田原市にある「小田原城址公園こども遊園地」は、戦国大名・北条氏の居住地だった城跡に併設して造られた遊園地だ。名物の豆汽車をはじめ、乗り物はすべて80円。コイン式の児童遊具は30円とお財布に優しい。幼い頃、祖母に手を引かれて何度か行ったことがあるのだが、豆汽車に乗って下から見上げる小田原城がすごく好きだった。
昭和という一時代を彩った遊園地。庶民の憧れであったその場所は、いつの間にかまわりの急激な変化から取り残されてしまった。園内の時間だけが止まり、なんだか時代と合わないちぐはぐな存在になってしまったけれど、いま一度その魅力を見直してみたい。幸せな想い出がつまった場所、それが遊園地なのだ。
(文=編集部)
特典映像は桜金造のアノCM。
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