UMA研究家・山口敏太郎が語る「UMAとエコロジーの知られざる関係」とは!?
#オカルト #山口敏太郎
ネッシー、ビッグフッド、チュパカブラなどの未確認生物を表す「UMA」(Unidentified Mysterious Animal)という言葉はすでにメディアなどでもお馴染みだろう。このUMA好きによるUMA好きのためのイベント「UMAサミット」が6月5日に東京で開催され、大盛況のうちに終了した。このイベントの主宰者であり、UMAについての著作は15冊以上を数えるというUMA研究家・山口敏太郎氏に知られざる生物の魅力を訊いた!
──先日開催されたUMAサミットは大盛況だったようですが、その模様を教えてください。
「UMA研究家の天野ミチヒロさんや怪獣デザイナーの島本高雄さんなどの出演者と共に、それぞれが持つUMAに対する想いを語りました。お客さんも会場キャパのギリギリまで人が入り、事前の予約も途中で締切らざるを得なくなってしまいました」
──世間にUMA好きは結構いるんですか?
「多いですよ。UMAの本は売れるんです。マンガ、文庫本、コンビニ本までいろいろな出版社から15冊以上出しているんですが、心霊とか妖怪、陰謀論よりもUMAの方が売れています」
──サミットの時はどういうお話をされたんでしょうか?
「あまり表の媒体には書けないような内容ばかりなんですが……。『モーゴウル』というUMAがいるんですが、その正体を突き止めるために島本さんがイギリスまで訪れたレポートが発表されたりしましたね。僕自身もネッシーについての話をしたり……」
──ネッシーですか? 以前、ねつ造だということが発覚しましたよね?
「はい、有名な写真は潜水艦とヘビのおもちゃで作ったねつ造だということが判明しました。ただ、巨大生物がいることは確かだと思います。ただし、みんなが期待するような怪獣や海竜ではなく、サケの巨大化したものではないかというのが僕の説です。ネス湖から流れるネス川では、すごく巨大なサケが穫れるんです。それが3、4匹で群れていたら巨大生物に見えるはずです」
UMA研究家として知られる山口氏。その熱意のきっかけとなった事件は今から30年前に遡るという。
──山口さんがUMAを追うようになったきっかけは?
「僕は四国の出身なんですが、大蛇騒動が昭和50年代にあったんです。剣山というところで丸太のような大蛇が目撃され、地元新聞に報道されるくらいの大騒ぎだったんです。僕自身『ゲゲゲの鬼太郎』や『デビルマン』などの影響で妖怪などの方が好きだったんですが、その時にUMAに魅せられました。怪獣や妖怪はファンタジーでしたが、UMAは身近にいたんです」
──確かに身近でそんな大騒ぎになっていれば興味を持ちますね。
「昭和50年代はその他にもヒバゴン騒動があったし、ニューネッシーが引き上げられた。ツチノコも漫画家の矢口高雄先生が『幻の怪蛇バチヘビ』を描いてブームになった。池田湖にはイッシー、屈斜路湖にはクッシーがいた。同時多発的に起こったまさにUMA黄金期です。その時に子どもだった人は相当に影響を受けていると思います」
──日本全国にUMA目撃証言はあるんでしょうか?
「カッパを岩手県の遠野で見たと言う人がいて、本物としか思えない目撃証言も多いんです。現場に行くとそれらしき物証もあります。ただ、カッパはイタチとかの倍数体(遺伝子異常)ではないかと思っています。温度と圧力を加えると魚の卵では倍数体遺伝子がすぐにできてしまうんです。目撃者がいるけど、全く捕まらないのはそういった突然変異が原因なんじゃないかと考えています」
──突然変異が原因なんですか?
「その他にも原因はあります。最近、宮城県で野生のカンガルーが生息していると報道されました。地元では『カンガルー酒』も発売されるくらい盛り上がったんですが、これもおそらくペットで飼っていたのを棄ててしまったんでしょうね。カンガルーは難しいんですが、ワラビーなら日本でも越冬できるんです。外見も似ているので、ワラビーじゃないかと思います」
──そういったこともUMA誕生の原因になるんですね
「『テレポートアニマル』といって、そこに住むはずのない生物を人間が連れてきてしまい、UMAとして騒がれる例は多いです。ペットショップなどで無責任に購入して逃がしてしまうとテレポートアニマルになってしまうんです。少数のうちはUMAでも、鎌倉のアライグマ問題のように個体数が増えてくると立派な社会問題に発展してしまいます」
UMA=未確認生物は決して想像上の怪物ではない。山口氏によれば人間のエゴによって連れてこられたテレポートアニマルたちも立派な「UMA」だという。そして、人間が生み出してしまったUMAはまだまだ数多く存在する。
──「テレポートアニマル」の他にも、人間が原因でUMA騒動となる例はあるんでしょうか?
「また、外来種との交雑も起こっています。和歌山ではタイワンザルが増えてニホンザルと混血になってしまったり、岡山や京都でも中国と日本のサンショウウオが混血してしまっているんです。沖縄では台湾ハブと琉球ハブが混血し『スーパーハブ』が誕生しています。普通のハブよりも大きくて毒も強いから血清も効かないんです」
──それは大問題ですね。
「遺伝子汚染や純血種絶滅の引き金になります。さらには交雑種が繁殖してしまったら生態系の崩壊にもつながるんです」
──UMAを考えることは生物学的な側面もあるんでしょうか?
「そうですね。環境や種について考えることがとても重要なんです。ホッキョクグマが環境の悪化が原因でアラスカに上陸しているんですが、普通のクマと交雑して白黒まだらなクマが生まれてしまったりしている状況です。これは生物としてもよくないことですよね。人間が原因となってUMAが生まれてしまっているんです」
──UMAを考えることが環境問題につながるとは意外です。
「UMAを考えるにあたっては、論理的に考えなきゃいけないんです。人間が外来生物を連れてくるエゴを考えなきゃいけないし、環境が激変してホッキョクグマが交雑してしまうという現実を考えなきゃいけない。だからUMAファンは意外とまともな人が多いんです」
──(笑)
「もちろん不思議な生物も確かに存在するんだけど、解明できるところはしっかり解明していかないとダメです。別にそれを解明したところでUMAへのロマンが消えるわけじゃないし、UMAに対する愛が変わるわけじゃない。だからUMAは面白いんですよ!」
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])
●やまぐち・びんたろう
作家・漫画原作者・ライター・オカルト研究家・株式会社山口敏太郎タートルカンパニー代表取締役。妖怪・都市伝説・UMA(未確認生物)・怪談・心霊 スポット・UFO・日本史ミステリー・前世・格闘技・秘密結社・サンカ・忍び・幽霊・四次元・超能力・呪術など様々な分野で活躍する。7月23日には阿佐ヶ谷ロフトにてオールナイトで語り明かすイベント「山口敏太郎祭り3」を開催!
大真面目!!
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