「いいものを出せば必ず返ってくる」【チャン・リーメイ】100%のプロレス・マインド
#声優 #インタビュー #プロレス #小明 #声優 on FINDER! #宍戸留美
──元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の3回目です! ニーハオです! 小明です! 今日はチャン・リーメイさんにお会いするんで、久しぶりに中国語の練習をしちゃいましたよ。
チャン 小明さんは中国語、できますか?
──だいたい中1で習う英語くらいのレベルですかね……。
チャン じゃあ、私よりできるか同じくらい(笑)。母が日本人で、父が台湾人なんですけど、今、(中国語を)勉強中なんですよ。私が一番得意なのは片言なので。ワタシハ、ニホンハジメテデ……。
──おお! 本物っぽい!! 以前は「豊原里美」っていうお名前で活躍されてましたけど、どうして中国の芸名に変えたんでしょうか?
チャン よく知ってますね(笑)。どっちも本名なんですよ。当時は、その事務所の社長と相談して「豊原里美……ちょっとパンチがないよね」「私、いいの(名前)持ってますよ!」って(笑)。字数を見て、チャンとリーメイの間に「・」を入れれば大丈夫だってことで。
──モーニング娘。の「。」みたいな。字数って関係ありましたか?
チャン ありました! チャン・リーメイに変えてから、すぐに声優の仕事が決まりましたもん! それから声優の仕事は全部チャン・リーメイでやってます。
──すごい! 私、字数占いとかやるといつも「凶」ですよ! 改名される前はグラビア活動やタレント活動が主で、声優さんはされてなかったですよね。どういうきっかけで声優業界に?
チャン もっと芝居をガッツリやりたいっていうのがあって。もともと私は舞台をやっていて、いつも活動の根底には舞台があるんです。声優のお仕事を始めたきっかけも、小劇場に出ていたときに、ちょうど得意分野の片言の女子アナ役をやっていたんです。そしたら、観に来たお客様から「片言の中国人の女の子の役があるんですけど、オーディションを受けてくれませんか?」って。その人、セッテイング会社の人だったんですよね。
──え!! 客席から!? どこにチャンスが落ちているかわからないですね!
チャン ホントですよ! それで受かったのが『家庭教師ヒットマン REBORN!』なんですよ。
──イーピン役はそういう風に決まったんですね、すごい! ところで、チャンさんのブログって、基本お仕事のことや美味しいもの、綺麗なお花の写真が載っていたり、すごく清涼感あふれる感じなんですけど、その中にちょいちょいプロレスに対する熱い記事が出てきますよね。
チャン ちょいちょいプロレス(笑)。どっち側に行ったらいいのか分からない感じ、いいでしょ(笑)。私の舞台にもプロレスラーさんが普通に観に来るっていう。
──すごい交友関係ですよね。「SMASH」の大原はじめさんが普通に観に来ててビビリました。
チャン 私も試合の日は、翌日に仕事がなければ声が枯れるまで応援してます!
──チャン・リーメイが客席で応援してたら、外見も声もえらい目立ってしまうんじゃ……。
チャン 目立つみたいです。プロレスラーさんってご自分で物販をやられてたりするから、だんだん仲良くなれてくるんですよ(笑)。面白い人がいると、やっぱり仲良くなりたいですよね。
──私は「西口プロレス」くらいしか知らないんですけど、確かに面白い人が多いです(違う)。
チャン ですよね! 切れますよね、頭が! ホント賢いと思います。私、女優になっていなかったらデスマッチの女子プロレスラーになっていたと思います。私、女子プロレスを観たときに、「私、なっていたかも……」って思ったんですよ。
──えっ!? なんでまた!
チャン うん。もし、女優になっていなくて、大学に普通に通っていて、「私はなんのために生きているんだろう」って思っている時に試合を観ていたら、多分なっていた。……でも、私は今女優だからそんな甘っちょろいこと言えるんですけど、プロレスラーの方は、毎日血反吐を吐くような下積み時代がありますから、耐えられるかどうか分からないですけど……(深刻に)。
──めちゃくちゃちゃんと考えている! レスラーさんは本当に大変ですよね、すごい人気の選手でも全然食べられなかった話とか聞きますし。ブログにも「プロレスラーの方々を見ていると、私もこういう役者になりたい、と強く思います」って書かれていましたね。プロレスラーのような女優って、どのような……?
チャン そうですね、人気商売ですし、プロレスラーの人って自分をプロデュースするんですよ。キャラクターを自分で毎日必死で考えて……どんな人でも、そうじゃないといけないと思うんですよね。それがデフォルメされているのがプロレス、みたいな。
──深い!! そんなチャンさん宅には覆面レスラーのウルティモ・ドラゴンのサインが家宝として飾られているとか。
チャン アハハ、そうです、そうです。日本刀とかもありますよ。
──何故!? さらに『魁! 男塾』を愛読していたりとか、渋いです!
チャン あはは。読んでます。だから、日本刀の横に『魁! 男塾』が全部並んでて。
──と、とんでもないお部屋ですね! 私、てっきりお花とかが飾られているのかと……。
チャン あはは、お花もありますよ。あとキティちゃんがすごく好きなんで、バラバラですね(笑)。それで、『魁!! 男塾』(集英社)の横には『伝染るんです。』(小学館)があって。
──吉田戦車さん!
チャン 大好きでー。あれは傑作ですよ! あと、『自虐の詩』(光文社)がある。
──業田良家さんの! 泣きますよね、あれ。あんなに泣ける四コマはないです。感情移入とかしますか?
チャン 感情移入? 『伝染るんです。』に?
──かわうそに感情移入は難しいでしょ! 『自虐の詩』は主人公が「私は私が嫌いよ!」っていう暗い描写が多いじゃないですか。
チャン 泣きますね……。
──ツイッターにも、「学生時代に瀬戸内寂聴さんと山田詠美さんに救われた」って書いていて。また極端だな、と思いながら読んでいたんですけれど。
チャン あはははは! 高校生の時はもっとストイックな人だったので、もうホントに、「私は孤独だ!」みたいな。
──お友達があんまりいなかったんですか?
チャン お友達はいっぱいいたんですけど、そんな中でも、なんかこう孤独感があって。
──趣味が合わなかったとか?
チャン 趣味は合わなくても、友達ってなんとかなるじゃないですか。その下にある根本的な繋がりみたいなものがあれば。そういう友達はたくさんいたんですけど、やっぱり高校生の時って、それですら頼れないときってあるじゃないですか。
──あ、ちょっと分かります。
チャン ネ。そうだったので、いっぱい本を読んでいたんですよ。学校の勉強は一切しなかったんですけど、山田詠美さんの本はすっごい読んでましたね。一度お会いしたいなぁ。寂聴さんも面白くって好きですよ。
──孤独な学生時代から、今の明るいチャン・リーメイになれたきっかけってありますか?
チャン 出会いですね、人との。それまでに出会った人たちに恵まれてましたね、私は。「ああ、こういう風に生きればいいんだ」とか。なんか、表現していると空っぽになっちゃうときってあるじゃないですか。「なんのためにやっているんだろう」とか、「これをやるために生まれてきているのかな」とか、誰でも思うときがあると思うんですけど、やっぱり、「あ、私は人を元気にするためにやってるんだ!」っていうのが、どっかーん!! ってきたんですよ。ここ1、2年で。
──けっこう最近じゃないですか!
チャン アッハッハッ だから楽になりましたね。
──迷路から抜けたんですね! じゃあ、今は悩みを持ったり、不安になることはもうあんまり無いんでしょうか?
チャン ありますよ。「お客さん入るかなー?」とか。
──客入り! えらい具体的ですな。
チャン アハハ。基本的に悩まないです。「何とかしてもらえる」っていうのがあるので、「これやりたい」っていうのがあったら、だいたい半年か1年後くらいにはできるじゃないですか。
──ほ……ほう?
チャン できますよね? 今まで、実際そうなってきたから、大丈夫なんだろうなって。
宍戸 こないだ、「ワンマンライブやる」って、曲が1曲もないの言い出して、それでマネジャーもみんなもすっごいびっくりして(笑)。
チャン そう、そしたらワ~って人が集まってきて、ぜんぜん引っ張ってってもらえたんですよ。
──すごい! 私はだいたい口に出す前に不安を覚えてしまい込みます。
チャン そうそう、やるって言っちゃうとね、不安を覚えちゃうから、「悩む暇があったらなんかいろいろやったほうが早い」っていうのを、村上龍さんと中田英寿さんの対談で言っていて、「あ、そーだなー」と思ったんです。
──おお。ぐるぐる悩んで結局行動しない派には痛いほどの正論……。
チャン 経験談なんですけど、いいものを出しいてると、いいものが返ってくるっていうのは当たり前なんですけど、みんなそれを信用できてないと思うんですよね。だから、「いいもの出しすぎたら返ってこないんじゃないか」と思っちゃったりとか。
──利用されるだけされて痛い目見るんじゃ……とか思います。
チャン そうそう。でも、いいもの出したら返ってくるって信頼して、100%信頼して出すと、必ずいいものだけが”バッ!”と返ってくるんですよね。
──なるほどー、なんだか自分の心の汚れ方が分かりました……。チャンさんは今後の活動での目標はありますか?
チャン 『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出るっていうのがとりあえずの目標です!
──おお~!! あの『徹子の部屋』に!!
チャン 言えば叶いますからねっ。
──申し訳ないくらいに、徹子さんとツテがありません! まずは『マツコの部屋』(フジテレビ系)とかじゃダメですか?
チャン え? マツコの……部屋? なんですか?
──いや、なんでもないです! 応援してます! ありがとうございましたー!
(撮影=宍戸留美/取材・構成=小明)
●ちゃん・りーめい
Love&Light所属 テレビアニメ『家庭教師ヒットマンリボーン』、『遊戯王5D’s』、BS朝日ドラマ『CLUB104』レギュラー出演中。舞台、声優、ライブと活躍の場を広げている。
7月2日(金)60~70年代のアメリカンPOPSを独自の世界観でカヴァーするバンド「MATOMANIA」のボーカルとして南青山曼荼羅に出演。
時間/19:30~ 料金/4,000円
曼荼羅HPhttp://www.mandala.gr.jp/aoyama.html
8月16日~新宿シアターサンモールにて舞台『SHUFFLE』にも出演。
●ししど・るみ
1973年福岡生まれ。フランス語歌詞タイトル(フェール ラムール)「faire l’ amour」を発表後、昨年、パリでのライブツアーも成功させる。同曲が今年秋公開の映画『死刑台のエレベーター』挿入歌に決定!!先日「宍戸留美デビュー20周年記念スペシャルライブを開催!」 Ustream にて生中継~アクセス数世界1位にランクイン!
ライブ情報 「宍戸留美★ひとりひとりにサリュー~3ヶ月ワンマンライブ~」
7月14日(水) 下北沢 風知空知 http://www.fu-chi-ku-chi.jp/node/196
★特別企画!! USBをお持ち頂いたご来場者さまに毎月1曲プレゼント!!
START/21:00 前売/¥3,000+1D
予約方法 風知空知電話予約 03-5433-2191(17時~26時)
詳細は→http://ameblo.jp/sundaliru/
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
宍戸さん出演作
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