「押尾学もオーディション受けていた!?」北野映画『アウトレイジ』裏話大公開!
#北野武
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!
北野武監督の映画『アウトレイジ』が6月12日に全国公開されたが、クランクイン当初から「今度の映画は痛い映画だよ」と言っていた通り、暴力描写はもちろんのこと、登場人物たちは裏切りの連続で、内容的にも痛かった。
この映画を観て、思い出したのは1993年に公開された北野作品の4作目の『ソナチネ』だった。この映画も沖縄のヤクザ抗争の助っ人に行ったビートたけし扮する村川が組織に裏切られて、子分たちと最南端の島に逃げ、死に怯えながら、子分たちが次々に殺され、最後はたけしが単身、敵の陣中に乗り込むという刹那的なストーリーだった。
筆者は、石垣島で行われた『ソナチネ』のロケ取材に出かけたことをいまだに鮮明に記憶している。ちなみに石垣島は、たけしが”フライデー事件”で謹慎中にマスコミの取材を避けて、避難していた島だった。取材予定日、強風によって那覇から石垣島へ行く飛行機が飛ばなかったために一日遅れて現地入りしたが、北野監督は快く筆者を迎え入れて、撮影を終えたあとにインタビュー取材に応じてくれた。その後、現地の郷土料理屋で歓待された。
92年、自民党の副総理だった故・金丸信さんが東京佐川急便から5億円のヤミ献金をもらい議員辞職し、脱税で逮捕された。その金丸さんの子分が、鳩山由紀夫に道連れにされて民主党の幹事長を退いた小沢一郎だ。酒の酔いも手伝ったのか、たけしは「金丸と小沢を何とかしなければ、日本はダメになる」と力説した。あれから17年、日本の政治状況は悪化の一途を辿っている。一般社会も責任の擦り合いと裏切りの横行。『アウトレイジ』は今の社会背景を、極悪非道のヤクザの世界を通じて、痛切に皮肉っている。
余談になるが、『アウトレイジ』には、現在公判中の俳優の押尾学もオーディションを受けている。英語ができる知的ヤクザ役を希望したようだが、チンピラ風のファッションと異常なまでのテンションの高さにお引取り願ったという。もし、起用していたら、大変な展開になっていた。押尾がやりたがっていた役は、加瀬亮が演じている。痴漢えん罪をテーマにした映画『それでもボクはやってない』の主役のイメージが強いこともあって『アウトレイジ』では、「えっ、加瀬はどこに出ていたの?」と、彼とは気がつかないほどの迫真の演技を見せている。
名作『ソナチネ』は興行的には惨敗したが、異例のプロモーションも展開した『アウトレイジ』はどこまで数字を伸ばせるか?
(文=本多圭)
砂浜の紙相撲のシーンはあまりにも有名。
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