都市伝説ライターから元ヤクザまで! 曲者たちが繰り広げるアブない話
#イベント #サブカルチャー
去る6月6日、阿佐ヶ谷ロフトAにて、トークショー『北芝健presents「北芝健の他では絶対に聞けない話!vol.1』が開催された。元警視庁刑事の犯罪学者・北芝健氏とゲストが、他では聞けないようなアブない話を披露する、という催しである。ゲストも元ヤクザに、一水会(右翼民族派団体)の最高顧問にと、曲者揃い。一体どんな危険な話が飛び出てくるのだろうか。
まずは、主催の北芝氏がゲストを紹介しつつ、「実は僕、今まさにセクハラトラブルでモメてまして……。僕の知人女性がセクハラ被害を受けたので、そのことで加害者を咎めたところ、逆恨みされてしまったんです。その件で、今日もこの会場におっかない人が乗り込んでくるとの通告を受けています(笑)。リアルな話です。今日いらっしゃった皆さんは、もちろん危ない目に遭う覚悟をしてきているんですよね?(笑)」と、いきなり笑いながら恐ろしいことを言い出した。
しょっぱなから会場の空気がピリッとしたところで、ゲストのひとりである『あぶない科学実験』(彩図社)著者の川口友万さんが人工卵を作る準備を始めた。著作の中で、”髪の毛から醤油を作る”、”ミミズの肉でハンバーグを作る”など、数々の実験を繰り返す氏が、今日は中国で実際に売られているという人工卵をステージ上で作ってくれるのだ。「押し入れの湿気取りに入っている”塩化カルシウム”と、”アルギン酸ナトリウム”という昆布のヌルヌルから抽出した物質を混ぜると、反応して透明に固まります。黄身の部分は着色料で色をつければ、卵のようなものが出来るのです」と言いながら手際よく人工卵を作る川口氏。出来上がったものを触ってみると、お祭りで売られているスーパーボールのような手触り。とても本物の卵には見えないが、川口氏によると「中国では実際に卵として売られていて、食べた人もいるみたいですよ。もちろん食べ物ではないので、食べたらお腹を壊しますが」とのこと。
そして、今回のトークショーの真打ち、”夜回り組長”として繁華街の若者達の相談に乗っている石原伸司氏が登場した。石原氏は、元広域暴力団山口組系組長であり、30年近く服役した経験もある。ヤクザ時代の、人を痛めつけた経験を語り始めた石原氏。「ヤクザっていうのは、人を脅すときに徹底的に相手に恐怖を与えるんです。相手を全裸で木にくくりつけて、全身にお酒をかける。すると、虫が寄ってくるんですね。体じゅう蚊にさされて、全身がふくらんでしまうので、たいていの人は半日で音を上げますね」(石原氏)
元「週刊プレイボーイ」(集英社)編集者の小峰たかおさんも負けていない。「戦場での話なんですが、捕まえた敵の首を切って殺そうとしたときに、そいつが逃げ出したんです。それも、すでに半分以上首を切られた状態で逃げたもんだから、森の中をパックマンのようにパッカパッカさせながら走っていって。パクパク逃げる敵を、銃で殺そうとするのですが、なかなか死なない。なんという生命力なんだ、と思いましたね(笑)」という小峰氏のエピソードを受けて、前出の石原氏は「人間っていうのは、殺そうと思っても死なないことって、あるんですよねぇ(笑)」としみじみ。この一言の裏に、かつて元ヤクザが目の当たりにした数え切れない人間の生死が見えた気がした。
このような話を、昼間から酒を飲みながら聞くこと4時間。皆、居酒屋トークのような軽いノリで話すものだから、聞いているうちにだんだん”他では聞けないアブない話”だということを忘れてしまったが、どれも話し手たちがギリギリのラインで体験したことばかりなのだ。次回『北芝健presents「北芝健の他では絶対に聞けない話!vol.2』は7月4日(日)午後1時~阿佐ヶ谷ロフトAにて開催予定。刺激が欲しい人にはもってこいのトークイベントである。
(文=朝井麻由美)
阿佐ヶ谷ロフトA
<http://www.loft-prj.co.jp/lofta/>
ちびります。
【関連記事】
根本敬が語る伝説の漫画雑誌「ガロ」と蛭子能収のアブない裏話
「感動もトラウマも、すべてここにある」”サブカル聖地”ロフトプラスワンの道標
一歩間違えれば大事故!? 大人が本気で楽しむ『あぶない科学実験』
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事