年上女性か野球部マネジャーか 急成長株・小泉進次郎の本命彼女はどっち?
#雑誌 #出版 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
●第48回(6月9日~6月14日発売号より)
第1位
「徹底研究 小泉進次郎『家族とオンナ』」(「週刊文春」6月17日号)
第2位
「薄情の人『菅直人新総理』の研究」(「週刊新潮」6月17日号)
第3位
「菅直人首相も知らない小沢一郎の肉声」(「週刊朝日」6月25日号)
政局以外の記事が読みたい。どの週刊誌を見ても、「小沢支配は終わった」「否、これから復讐が始まる」だの、できたばかりの菅直人内閣に対する批判記事のオンパレード。それが週刊誌の生きる道ではあるが、もっと他のこともじっくり取材してもらいたいと思うのは、私だけではないはずだ。
そこで、「AERA」の「伸びる企業 縮む企業」という大特集を読んでみた。トップアナリスト16人に聞いたという、20業種100社の5年後を分析したというのだが、最初の「出版」を読んで、失礼だが、雑誌を閉じてしまった。ここで、縮む会社に「光文社」と「小学館」が挙がっているのは仕方ないにしても、「小学館」より業績が不振だと思われる「講談社」や、ブランド付録商法で売上げを伸ばしている「宝島社」が伸びる会社とされているのは、どのような分析からなのだろう、合点がいかない。「マガジンハウス」という出版社が、ユニークなコンセプトで新雑誌を続々創刊して、業界の話題を一手にさらっていた時代があった。しかし、「マガジンハウスの雑誌は、あまりにも広告に依存する作り方だった」(「マガジンハウス」でいくつかの雑誌の編集長を務めた石川次郎氏)ため、バブルが弾け、広告が減ると、出版社として地盤沈下してしまった。
いまの「宝島社」の雑誌の作り方は、一時的な売上げは上がるだろうが、継続できるものではないはずだ。それが証拠に、他の出版社でこの商法に追随するところは少ない。 次の「新聞・放送」でも、縮むのは「毎日新聞」と「産経新聞」で、伸びるのは「NHK」「朝日新聞」「読売新聞」「日経新聞」では、アナリストに聞く必要などないのではないか。目先を変えたい努力は買うが、ややお手軽すぎる作りでは、賞をあげるわけにはいかない。
ということで、今週もズラリ政局ものが並んでしまった。3位の記事は、小沢一郎氏に詳しいという政治記者・渡辺乾介氏が、幹事長辞任の経緯を、小沢氏の肉声として伝えている。 どう控えめに見ても、「小沢ベッタリ」で、小沢の代弁をしているとしか思えないが、眉につばを付けて読めば、小沢の本音らしきものが透けて見えてくる。
鳩山首相が小沢と抱き合い心中した、との「風評」に対しては、当然ながら「ノー」である。真相は、社民党の連立離脱がどのような影響をもたらすかを理解しない鳩山に、小沢が見限って、輿石参議院議員を含めた2度目の三者会談で、小沢が「3人一緒ですよ」と引導を渡したのだそうだ。
小沢が岩手県連に寄せたビデオメッセージで「自分自身、先頭に立ってがんばってまいりたい」と述べたことで、9月にある代表選に小沢が意欲を見せたとの見方があるが、との問いには、「あのメッセージの真意は、『この政権は長くありません』ということにある」と、菅首相が聞いたらドキッとすることを言っている。
なぜなら、これまで小沢が選挙で訴えてきたのは、消費税を封印して、まずは国民生活を元気にすることだ。「財政再建は必要だけれども、それを増税で、という党内合意もまだない。このままでは公約違反になってしまいます。『反小沢』とか『非小沢』とされる人たちが、増税・財政再建路線を、政権を奪うための口実にしているのではないか」と小沢は考えており、「この借りは必ず返す」と思っているというのだ。
菅が、「(小沢さんには)しばらく静かにしていただいたほうがいい」と発言したことに、「余計な一言でしたね。あれは小沢の逆鱗に触れたはずです」と、小沢の代理人の如く怒り、最後に、「問題は参院選後に小沢がどのような政策を唱えるかにかかっている。それ次第で菅内閣と民主党は音を立ててきしみ、大海に浮かぶ小舟のように揺れる可能性があります」と不気味な予言をする。
「現代」は小沢時代は終焉したといい切るが、果たしてどちらが正しいのか。じっくり読み比べてもらいたい。
菅新首相に関する記事も溢れているが、「新潮」の記事が「いやらしさ」という点では抜きん出ている。
菅首相をひと言で「薄情の人」と言い表したのはよい。さきがけ時代の同僚、武村正義元官房長官にこう言わせている。
「彼は少し信望に欠けている面がある。包容力と言い換えてもいいかもしれないが、理詰めで迫りすぎるところがあって、人間的な温かみが足りないように感じられてしまう。あまりに情よりも理に走りすぎる傾向があるので、”もっと両方のバランスを大事にしたらどうか”とアドバイスをしたこともあるんですが……」
「新潮」らしさはこの後に発揮される。菅首相のアキレス腱は、権力奪取に全力を注ぎ込んだために精も根も尽き果て、早くも老化現象が出ているというのだ。
それは、会議中のひどい居眠りにも表れている。また、「目下”意識の混濁”も激しい」というのだ。「最近の彼の口癖は”あれ、またこんがらがっちゃった”。喋っているうちに、自分でも何について話していたのか忘れてしまうんです」(民主党関係者)
菅首相が掲げる「最小不幸社会」や「奇兵隊内閣」、経済を成長させるための増税というのも、分かりにくいキャッチフレーズである。それが「新潮」の言うように、一時的な「意識の混濁」から出たものでないことを祈りたいものだ。
さて今週のグランプリは、人材不足という側面があるのだろうが、自民党の新人・小泉進次郎株が急成長である。言わずとしれた小泉元総理の次男で、ルックスもオヤジを凌ぐ格好良さだが、国会で放つ舌鋒の鋭さも、なかなかのものなのである。
「現代」も、「はきだめにツル 小泉進次郎、なかなかやるわい」と好意的なのだ。文春は、子どもの頃のエピソードを紹介しながら、コロンビア大学大学院に留学し、その頃から、「政治家になる意思がなければコロンビアには来ていません」と言っていたと、天川由記子東京福祉大学教授が話している。
それに彼は、周囲に対して、「うちは麻生さんの家と違い副業がない。政治家がいなければ(小泉家は)倒産するんです」と漏らしていたというのだ。
国会ではすでに「進次郎ガールズ」といわれる女性ファンが、傍聴席から黄色い声援を送っている。文春らしく、そこから彼の女性問題に踏み込んでいく。一人は、高校時代、野球部の女性マネジャー。大学時代はもちろん、アメリカ時代、英語が急激に上達した背景にはガールフレンドがいるのではと囁かれたそうだ。
だが、本命は、小泉事務所で私設秘書をしていた頃、当時、横須賀でバーを経営していた一歳年上の女性Aさんだったという。
「Aさんは『進ちゃんとは一緒に住んでいて、よくご飯を作ってあげているの』とか、『進ちゃんは地震が怖くて、寝るときにいつもヘルメットを枕元に置いているの』などと話していました。告白したのは進次郎君から。バーでは彼のヒザの上にAちゃんが座ったりして、仲むつまじい様子でした」(二人の知人)
この二人、進ちゃんが当選後は、噂も聞こえなくなってきたという。巷ではよくある話だが、今や史上最年少総理待望論まで出ている若者だけに、この女性との交際がどうなっているのか、気になるところではある。フライデーの張り込み班! 期待してるよ。
(文=元木昌彦)
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。
【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
デストロイヤー。
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