弁は剣よりも強し 使える”べしゃり”の技術『「口のきき方」最強の法』
#本
古代中国には、縦横家と呼ばれる人がいた。奇抜なアイデアと巧みな弁舌で諸侯を説いて回り、その影響力は絶大なものであったという。縦横家の代表的人物で、強国・秦に対抗するための合従策を唱えた蘇秦は、その弁舌によって六国の宰相を同時に兼務したというからすごい。舌先三寸で登りつめる、まさに”オールド・チャイニーズ・ドリーム”だ。
国を動かすような大がかりな話じゃなくても、やっぱり話し方にはコツがある。『「口のきき方」最強の法』は、相手の心をつかむ会話術を記した実用書だ。米国NLP(神経言語プログラミング)協会認定トレーナーの加藤聖龍氏が、NLPの理論に基づいたコミュニーケション技法を伝授してくれる。「相手を一瞬で引きつける口のきき方」「相手をのせ、味方にする口のきき方」「仕事が抜群にできる人の口のきき方」「交渉が必ずうまくいく口のきき方」「大勢の前でも堂々と話せる口のきき方」「お互いの関係をさらに深める口のきき方」の全6章で構成され、イラストもふんだんに挿し込まれており、シンプルで分かりやすい内容となっている。
挙げられた話の技術は、相づちのうち方や緊張のほぐし方、どれも難しいことではなく、ちょっと気をつければ誰でも実践できる些細なことばかり。
その内容を一部ご紹介しよう。
■初対面で緊張を和らげる方法
両足の指で地面をギュッとつかむようにすると、”気”が下がって緊張がほぐれてくる!
■「イヤ~な場面」を切り抜ける会話術!
誰かの悪口などを言っても、得るものは何もありません。人伝えに伝わってやがて本人の耳に届き、後々まで影響が残ることもあります。誰かの悪口を聞いたときは、「へ~、そうなの~?」と軽く流して、その話を終了させるようにしましょう。
■人を育てる叱り方
自分の怒りをまき散らすだけの叱り方では、相手は絶対についてきてくれません。「なぜできなかったか?」よりも「どうしたらうまくいくか?」に焦点を当てて叱りましょう。また、「まあ、仕方ないか」とやりすごすよりも、相手と面と向き合う時間と場所を用意しましょう。
バラク・オバマは「Yes,we can」「Change」で大衆の心をつかんだ。コミュニーケション能力が低下していると叫ばれる昨今でも、弁は剣よりも強い。『「口のきき方」最強の法』で会話術をマスターすれば、ビジネスも、異性を口説くのも、より円滑になるはずだ。その気になれば、国だって動かせる? かもしれない。
(文=平野遼)
・加藤聖龍(かとう・せいりゅう)
愛知県生まれ。米国NLP協会(リチャード・バンドラー)認定トレーナー。宇宙物理学から下ネタまで、縦横無尽に繰り出す話題の豊富さと、ともすれば難解になりがちなNLPを誰にでも分かりやすく「ちょいワル」の味付けで伝える。その活動範囲は幅広く、ビジネスにおけるマーケティング・ストラテジーコンサルティングも提供し好評を博している。著書に『手にとるようにNLPがわかる本』(かんき出版)などがある。
SEEDS OF LIGHT ホームページ
<http://www.happy-sol.jp/>
The NLP ホームページ
<http://www.thenlp.jp/>
「口のきき方」最強の法―一瞬で相手の心をつかみ、「とっさの一言」に強くなる!
お口が悪いあなたに。
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