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ボタンを押したら最後? 究極のサスペンス映画『運命のボタン』

eiga0506.jpg(C)2009 MRC II DISTRIBUTION COMPANY, LP. ALL RIGHTS RESERVED

「ボタンを押せば1億円が手に入る。ただし、見知らぬ誰かがひとり死ぬ。決断の期限は24時間」

 さて、こんな問いかけをされたら、あなたならどうする? キャメロン・ディアス主演最新作『運命のボタン』は、そんな究極の選択を迫られた夫妻の身に起こる不可解な事件を描いたサスペンスだ。 

 1976年、ノーマとアーサーのルイス夫妻のもとに、赤いボタンがついた奇妙な木製の装置が届けられる。その装置を届けたスチュワードと名乗る男は、火傷のような傷で顔が半分ただれた不気味な男。彼が言うには、その赤いボタンを押せば、「どこかであなたの知らない誰かが死ぬ」が、「あなたは現金100万ドル(約1億円)を手にする」という。ただし期限は24時間以内。それを過ぎれば権利は失われ、ボタンは別の誰かのもとに届けられてしまう。

 夫妻は折りしも生活が苦しくなりつつあるときで、迷った挙句にノーマがボタンを押してしまう。翌日、再び現れたスチュワードは約束通り100万ドルを渡して去っていくのだが、それから2人の周囲では想像を超える不可解な事態が起こり始め……。

 原作は、『アイ・アム・レジェンド』でも知られるSF小説界の大御所リチャード・マシスンが70年に発表した同名小説(76年に月刊プレイボーイで「死を招くボタン・ゲーム」として掲載。映画公開に合わせて「運命のボタン」に改題され、文庫本が発売された)。原作は基本設定は同じだが、10分程度で読めてしまう短編。「なるほど」と思わせる皮肉に満ちた結末が面白いが、映画はボタンを押した後の展開が小説とは異なるオリジナルストーリーで展開。原作では説明されていない物語の背景に、70年代のNASAの宇宙開発計画を絡めたり、主人公ノーマに身体的なハンディを与えるなどして長編化にあたっての工夫がこらされているので、小説と比べてみるのも面白い。

 主人公ノーマを演じるのはキャメロン・ディアス。ラブコメディで見せるキュートな笑顔が人気な一方で、アクションやドラマもこなす彼女だが、実はサスペンスに主演するのは初めて(過去にトム・クルーズ主演の『バニラ・スカイ』などサスペンス映画に出演はしているが、主演はない)。昨年は『私の中のあなた』で初めて母親役に挑戦しており(今回も息子がいる設定なので母親役でもある)、着々と新境地を開拓中だ。今年のディアスは、トム・クルーズと再共演するアクションコメディ『ナイト&デイ』(10月公開)、声優を務める『シュレック フォーエバー』(12月18日公開)など得意分野も続くが、その前に一味違った彼女の魅力をチェックしてみよう。

 もちろん、知らない誰かの命と引き換えに1億円を手にすることができるか? というテーマに対して、もし自分だったら……ということを考えてみるのも面白い。

 監督は弱冠28歳で手がけた長編デビュー作『ドニー・ダーコ』(01)がカルト的人気を誇るリチャード・ケリー。監督第2作『サウスランド・テイルズ』が日本では劇場未公開だったため、9年ぶりにスクリーンで新作が見られる機会になった。共演にジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラ。5月9日より全国公開。
eiga.com編集部・浅香義明)

『運命のボタン』作品情報
<http://eiga.com/movie/54183/>

ドニー・ダーコ

衝撃のリバースムービ

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最終更新:2010/05/07 21:00
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