谷垣ツイートは発展途上!? 「ネット選挙」解禁へ向けて永田町ツイート人口増殖中!
#政治 #Twitter #自民党
いわゆる「ネット選挙」の解禁へ向けて動きが加速している。民主党では今年夏の参院選での解禁を想定し、5月の大型連休明けにも「公職選挙法改正案(ネット選挙解禁法案)」を議員立法として提出する方向だ。解禁になれば、公職選挙法で禁止されている選挙期間中のブログ更新やメールでの情報提供が可能になる見込み。ここ最近、急激に広がりを見せているツイッターも強力な武器になりそうだ。
たとえば、街頭演説を「明日の午後1時に日比谷交差点で」「応援演説にあの△△さんが来ます!」と”つぶやき”で告知をし、iPhoneが一台あれば、テレビクルーなどいなくてもユーストリームによるネット中継が可能だ。また、選挙期間中に起きるさまざまな世の中の動きに対し、候補者が考えを発信することは極めて重要だが、実は現在その術はない。解禁になれば、ブログやツイッターで素早く情報発信できるというわけだ。
「ネット選挙」が解禁になれば、こうしたネットツールをいかに効果的に使えるかが当落の鍵を握る可能性は高い。実際、現役議員の間にもツイッターは徐々に広がりを見せている。犬塚直史参議院議員の外交政策担当の私設秘書を務める勝見貴弘氏はこのほど、『Twitter議員のTwitter利用実態』(http://ow.ly/1BbUK)を発表した。これによると、4月21日現在のツイッター利用国会議員は84名。政党別内訳で見ると民主が50人と圧倒的で、次いで自民20人、公明7人と続く。当選回数別では1回生が47人と、やはり若手議員が圧倒的に多いのが特徴のようだ。
さてそんな中、「私はつぶやかない」と”ツイッターしません宣言”をしていた自民党の谷垣禎一総裁が考えをあらため(?)、4月20日午後4時13分にツイッターデビューを果たした。もともと、鳩山首相がツイッターを始めたことに対し「つぶやきは好きな方がすればいいこと」と皮肉ったことで「反ツイッター宣言」(朝日新聞)などと報じられてしまったが、頑なに拒否する理由があったわけでもなさそうだ。今回の”転向”の理由も、自民党でツイッター議員として知られる世耕弘成衆院議員らが説得した結果だと噂されている。
さて、満を持して船出をした谷垣ツイッター。野党に転落した自民への注目度に比例するかのように、総裁のツイッターの注目度も、現段階ではいまひとつとの声もある。おりしも、自民党のツイッター議員として知られる山本一太議員は、谷垣氏がツイッターを始めることに際し、「谷垣総裁の手による、谷垣総裁のための『本音のメッセージ』でなければ、ダメだ! 逆に言うと、そこが鳩山首相と違う、谷垣ツイートの魅力になる!」と熱く語ったものの、そのつぶやきを見かけたユーザに「どうでもいいけど、何の興味も湧かない。鳩も同様」とリツイートされてしまい、さらにそれにも「同意」「まったくその通り」と多数のリツイートがつく結果に。「谷垣さん、まじめすぎてツイッターに向かないんでは?」なんていう意地悪なつぶやきも見うけられた。
そのあたりについて、山本一太議員にあらためて聞いてみた。
――谷垣さんはマジメすぎてツイッターも期待できない?
「いやいや、逆ですよ。あの性格のよさが出るのがいいんだから。だって、本当にチャーミングな方なんですよ(笑)。それがなんとかたくさんの人に伝わるといいんだけど」
――谷垣ツイートをはっちゃけさせる秘策は……?
「私ね、たまに20分間という枠を決めて僕に対する全部のリプライとかリツイートにかたっぱしから答える『弾丸ツイート』というのをやるんですよ。それをちょっと変えて、谷垣さん向けの企画で『谷垣総裁激励&注文ツイート』みたいなのやろうかなと(笑)。国会とかで疑問に思ったことを、毎晩『谷垣さん、あれはなんでですか?』って、返事が来るまで10分くらい公開で突っ込み続けるの。なんかそういうことから面白い形が生まれるんじゃないかな。フォロワーもすぐ5万、10万と増えますよ」
発足1週間を過ぎた「谷垣ツイート」を覗いてみると、フォロワーは早くも3万人を突破。第一声で「つぶやきはしないと申し上げましたが、多くのみなさんから『なまごえ』をうかがう有効なツールとの熱心な勧めがあり……」と極めて丁寧に”説明責任”をはたしたうえで、「鳩山由紀夫総理をフォローしました(4月21日)」「党首討論が終わりました。(略)一言で言うとむなしさを感じております(同)」「今日昼過ぎに舛添要一議員が離党届を提出されました。大変残念なことです(4月22日)」と、淡々とした表現ながら自民党総裁ならではのけっこうコアなつぶやきが続く。一般ユーザからのリツイートも「なんか、いがいにいいかも」「癒し系だなww」と好意的な声もチラホラ。今後の進化が楽しみだ。
そんなユルい動きを他党ではどう見ているのか。ネット選挙解禁法案作成の中心となって動き、民主党のツイッター隊長の異名を持つ藤末健三参院議員に「谷垣ツイッターなんて脅威にもなりませんよね?」と聞いてみた。
「いやいやいや、何言ってんですか(笑)そんなことないですよ。やっぱりガンガン感情に訴えるつぶやきが来ると手強いことになるんじゃないですか。どうしたって鳩山総理との対比もされるだろうから、相乗効果もあるので遠慮なくやっていただきたいですね」
永田町に急速に広まりつつあるツイッター。夏の参院選に突入する頃には、国会のツイッター事情は激変している可能性が高そうだ。谷垣総裁が「スタジオなう。ポスター撮影なう」なんてつぶやく日が来るのかもしれない。
(文=浮島さとし)
◆谷垣禎一 on Twitter
<http://twitter.com/tanigaki_s>
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