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【元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第42回】

Twitterはバカと暇人の集合痴!? 談志も復活の「週刊誌スクープ大賞」

motoki0426.jpg「週刊現代」5月8日・15日号

●第42回(4月21日~4月26日発売号より)


今週のお薦め1
「新連載 立川談志の時事放談 いや、はや、ドーモ」
(「週刊現代」5月8日・15日号)

お薦め2
「10年後も『絶対生き残っている』会社 前編」
(同)

お薦め3
「現代の肖像 漫画家井上雄彦」
(「AERA」5月3日・10日号)

お薦め4
「AERA表紙 イ・ビョンホン」
(同)

お薦め5
「いま沸き上がる『ツイッター亡国論』」
(「週刊ポスト」5月7日・14日号)

お薦め6
「最高賞は『僕の自慢のお母さんへ』」
(「週刊朝日」5月7日・14日号)

 昔話ばかりで申し訳ないが、一昔前、合併号というのは「お祭り」だった。表紙にはそのとき一番人気のある女優やタレントを起用し、話題になるようなスクープネタを仕込んでおいて、満を持して、部数も通常号の20万から50万部ぐらい増やしたものだった。

 そうした目で今年のゴールデンウイーク合併号を眺めると、華やかさもなければ、何週間も取材したであろう重厚な読み物もスクープもないのは、正直、寂しい。

 今日のワイドショーは、沢尻エリカ(24)が、夫でハイパーメディアクリエーターの高城剛氏(45)と離婚するらしいと大騒ぎしているが、これほどのインパクトはなくとも、週刊誌発の話題がどこかにないかと隅々まで探したが、残念ながら、見つからなかった。

 そこで今回は、小ネタだが、行楽へ出かけるクルマや電車の中で読んでもらいたい、お薦め記事をいくつか選んでみた。

 昨年秋から体調を壊して休養していた談志師匠が、ようやく高座に戻ってきた。それを記念してというわけではないが、私が仲介し、師匠にお願いして始めてもらったのが、「現代」の「いや、はや、ドーモ」である。

 絵は、名コンビの山藤章二さん。第1回目は、小沢一郎幹事長。誰にも真似のできない師匠の文章は、流れる水の如く、あっちゃこっちゃへ飛翔しながら、日本人の小沢感について書いている。

「談志(おれ)に云わせりゃ、”強い奴にゃあ逆らうな”であります。それなのに、ああそれなのに、それなのに。何でまるで幼稚園の園児の喧嘩の如く、文句を、いや愚痴をいうのかネ。ワカラナイ、いやワカル、駄羅自(だらし)のねえ奴ばかりなのだ」

 誰にも書けないリズムの談志調を楽しみながら、コトの本質が見えてくる。

 お次は、10年後にも生き残っている会社を「史上初の大調査」したものだが、○5つ以上がほとんどなく、トヨタ自動車でさえ○3つである。映画、音楽、芸能では○3つが吉本興業だけ。学習・情報の中には出版社も含まれるのだろうが、かろうじて○1つが、角川GHD、ベネッセHD、リクルートだけ。「現代」の親会社、講談社は名前も出てこない。

 新聞、放送で○が2つは、ジュピターテレコム。新聞では日経だけが○1つで後はゼロ。会社の寿命は30年なんていわれたときもあったが、いまでは10年も危ないようだ。

 「AERA」の「現代の肖像」は毎回読んでいる。今回は漫画界の文豪(?)井上雄彦を取りあげている。

 吉川英治の宮本武蔵を原作にした「週刊モーニング」(講談社)で連載中の「バガボンド」は、単行本で32巻、累計部数は5,400万部になるという。2008年に開催された上野での井上雄彦展には10万人以上がつめかけた。

 井上は、今年で「バカボンド」の連載を終えると宣言している。ラストは武蔵と佐々木小次郎の「巌流島の戦い」になるそうだが、「でもそれからどうなるのか、というのはわからないですね」(井上) 

 国民的漫画家は、孤高の人でもある。妻の幸はこう言っている。「『バガボンド』は彼自身の成長がそのまま出ていると思います。本人の成長がないと動かない作品だし、そのために孤独であることも必要だと思います」

 これは見逃せない!

 「AERA」の表紙はいつも素敵だ。今週は、TBSで放映開始された韓国の大人気ドラマ『アイリス』の主演男優イ・ビョンホンが、なんとも格好いい!

 第1回目の『アイリス』を見たが、私は、さほど優れた作品だとは思わなかった。しかし、韓流好きの女性なら、この表紙だけでも一冊買う価値はある。

 鳩山首相だけではなく、谷垣自民党総裁も始めたというツイッター。140字が世の中を変えると、一部で騒がれているが、そんなことはないと「ポスト」が噛みついた。

 ツイッターの住人は「圧倒的な大多数は『普通の人』か『バカ』なのです。もっというとネットの言説の大半が『バカと暇人』による意見、つまり『集合痴』です」(中川淳一郎氏)

 宮脇睦氏は「リツイート信者たちが社会を歪める」と警告し、「ソーシャルメディアの住人たちは、情報を対立構造でみる傾向が強くあります。黒か白か、有罪か無罪かといった善悪二元論ですべてを捉えてしまいがちなので、灰色も推定無罪もない」と言う。

 斎藤環氏は「ダダ漏れ中毒『日本人が未熟化していく』」として、こう語る。「ツイッターブームを『ネット文化における退行現象』としてみると、『日本人の未熟化』という大問題がシンボライズされている──そんな一面があることは否定できません」

 ツイッターはしょせん、有名人たちと企業の宣伝媒体で、大多数の普通の人たちにとっては、単なる独り言でしかない、と私も考えるのだが。

 朝日新聞社が主催した「千の風になったあなたへ贈る手紙」のイベントで、5,056編寄せられた中で、最高賞を受賞した手紙が、「朝日」で紹介されている。西村拓人さんは23歳で、中学2年の時に母親を亡くした。

「有り余りの紙でごめんね。お母さん、56歳の誕生日おめでとう。(中略)まだお母さんが死んだっていう実感がわかないんだよね。いい思い出をありがとうございました。ぼくも一生懸命に生きてるからあんまり心配しないでいいよ。まあ、まだ頼りないからちょっとは見守っててほしいけどね。(中略)今日は雲ひとつないすごくいい天気。お母さんが空から見守っているのかな? ケーキとかないけど、本当に誕生日おめでとう!!最後に、お母さんと歌った曲を書くよ。お母さんもできれば天国で歌ってね。まあ、覚えてる範囲だけどね」

 「朝日」が「不倫疑惑を真っ向否定した渡邉美樹ワタミ会長 不可解な『言い分』」で、前号で、不倫を認めたかのような女性と渡邉氏のメールを、渡邉氏が「偽造だ」と言い張ったので、メールの真偽を検証する第2弾をやっている。それによれば、いくら否定しようと、専門家がヘッダー情報を取り出して見るなり、偽造は99・99%不可能だといったそうだ。

 このメールが本物であることは間違いないようだが、ここから朝日は、どうするのだろうか。終わり方からすると、この問題の追及はひとまず終わりのようだから、渡邉氏は、ホットしているのではないか。何となく、尻切れトンボのような記事だったな。
(文=元木昌彦)

motokikinnei.jpg撮影/佃太平

●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか

談志 最後の落語論

復活!

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最終更新:2010/04/26 21:00
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