有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」(前編)
#お笑い #インタビュー #対談 #サブカルチャー #よゐこ #小明 #有野晋哉 #大人よ教えて!
モテない、金ない、華もない……負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第12回のゲストは、4月28日発売のDVD『全日本オヤジ選手権』に出演されている、よゐこの有野晋哉さんです!
[今回のお悩み]
「人気アイドルの条件を後付けしたい……」
──はじめまして! いやぁ、『とぶくすり』も『めちゃイケ』(フジテレビ系)も『ウリナリ』(日本テレビ系)も大好きで、すごく小さいときからずっと有野さんは私の中に生息していて……。
有野晋哉氏(以下、有) 生息していたんや(笑)。
──そうなんですよ、だからうれしくって! 奇遇なことに、有野さんはしょこたんや宍戸留美さんとも仲が良いじゃないですか。私も両者と仲が良くって……。
有 うん。でも、しょこたんからも宍戸からも、小明さんの名前、聞いたことないよ。
──……えっ。
有 いや、もっと話したら出てくるのかもしらんけど(笑)! ほんで?
──あ、はい、最近は「BOMB」(学研)で有野さんがアイドルのランキングを付けているのを見ているので、いつ私がランクインするのかなーって待ってるんですけど、延々ランクインしないもんで……。
有 ひゃっはっは!
──そこで早速相談なんですけど、有野さんがチェックしたアイドルは売れるっていう現象に私もハマりたいんですけど、次はどんな子がきますかね? 私きますかね?
有 ふははは! 私きますかねって!
──はい(真面目に)。有野さん、包帯巻いてるアイドルに”怪我ドル”って命名したじゃないですか。それと近くて、私、元”エプドル”なんですよ!
有 ”エプドル”っていうのは?
──常にエプロンをつけて活動するアイドルっていうコンセプトで写真集も出したんです。今だったら「○○ドル」ってブームに乗れたんですけど、早すぎたんですよね。
有 うん。僕、「○○ドル」を取材の度に聞かれて、もうめんどくさいなーと思って。
──ですよねー。で、”エプドル”写真集は本当に売れなくって、そんなに不況でもないのに6割も返本だったんですよ。
有 そりゃまた(笑)。でも、エプロンつけて収録きても気持ち悪い話だよね(笑)。まず「なんでエプロンしてんの?」ってところがあるから。
──私も何で着てるのか分かってないし、ファンもそんなに興味がないしで……。それからは妹系・アキバ系に進出したんですけど、老け顔だっていうのを忘れてて鳴かず飛ばずで。いろいろ惜しいはずなんですけど、絶対ヒットしないんですよ、私。
有 あの、すげー自己分析ができてるんすね。
──いろいろ考えざるを得なかったですかね。売れないもんでね。
有 うーん、いや、老け顔っていうか……なんか、薄いんですよね。
──薄い?
有 うん、薄い(笑)。
──ん? ん? なにが薄いんですか、影?
有 いや、影とかじゃなく、全体的に、薄いんですよ。あ、薄幸って言うんですか?
──ひ、ひどい! じゃ、有野さんがいつもアイドルを見て、「応援したいな」と「売れるかもな」って思うポイントを教えてください! こうなったら後付けでも補足していきたいんです。後付けでなんとか、時東ぁみちゃんのメガネみたいな感じのをひとつ!
有 雰囲気なんですけど、家庭があったかそうな人は良いなーって思いますね。インタビューの端々で、「弟にバレンタインあげて」とか、「家族で旅行したときにお父さんが」とか、そういうのがポロっと入ってると「あ、育ちがええねんなー」って、ふわっとするんですよ。小明さんで言うたら、あの、家庭環境あんまり良くなさそうな(笑)。イメージですよ! 僕のイメージですけど!
──わーなんで分かるんだろー! ……いや、そんなことはない、はず、です、あの、ホラ(著書『アイドル墜落日記』を開いて)、ここに家族で仲よさそうな写真とかも載ってますよ、ぜんぜん育ち悪くないです。愛に溢れた……。
有 あ、ほんま?
──ただ、あの、家庭の事情で写真によってお父さんの顔が違うんですよ。
有 ははははは! そんな家庭環境やったんや(笑)。
──ええ、でも、明るくいいお家です……。えっと、家庭環境も後付けでは難しいと思うので、なんかもっとこう、今から勉強で身につけられるスキルとか……例えば、有野さんも決して前へ前へ、俺が俺がのタイプではないじゃないですか。
有 ないですね。
──それなのにずっと第一線でいらっしゃるから、それってすごいことですよね。
有 不思議ですよね、汚いやり口なんですよ。汚い、姑息なね(ニヤリ)。
──あはは! そこらへんはどうなってるんですか? 私も前に出るのが苦手なので、前に出ずに一線で活躍し続けるコツみたいなのって……。
有 「こいつなんかやってくれそう」って期待されたまま、20年経ってるんじゃないですか(笑)。何考えてるか分からへん、っていうのも、よく言われるんすけど。強いて言うなら、考えてるふりをすることじゃないですか? 仕事が終わってから、「実はこんなこと思ってたんちゃうかな、あいつは……」って思わすような雰囲気を出すこと。
──実際はいつも何を考えてらっしゃるんですか?
有 ぜんぜん考えてないすよ! 「飲みにいってから帰るか、そのまま帰ってゲームするか……」くらいのことをぼーっと思ってたら、「あいつまた考えてるなー」って。
──なるほどー。私もぼんやりするだけなら得意なんですけども、ただの呆けた人みたいになっちゃいます……。バラエティーでのアイドルに関してはどうですかね? やっぱりどんどんトークに食いついていった方が良いんでしょうか?
有 なんて言うのかなー。ガツガツ前に来る感じの子、「私こんな面白い話もってます!」的な。それはあんましいらないなぁって思うんすよね。
──ガッツのある子は自分をアピールしようとして前へ前へ出がちですよね。
有 うん。バシバシつっこんでくるアイドルもおるじゃないですか? それは司会者がするのにーって。そんなところが大事なんじゃなくて、ゲラゲラ笑ってるくらいで良いのになーって思うんすよね。
──ほー! ワイプ抜きしやすい感じですか?
有 そうですねー……「ワイプ抜きしやすい」とか、そういう言葉も知らなくていいと思う(笑)。でも、そんなようなことですよ。視聴者が何を思ってるのか、言える人。「おいしそぉー」だったり、簡単なことで良いと思うんすけどねぇ。そこにやっぱ、育ちが出ると思うんすよね。プレゼント貰ったら、「うれしー!」って言える。
(後編につづく/取材・文=小明)
●有野晋哉(ありの・しんや)
1972年、大阪府生まれ。90年、お笑いコンビ「よゐこ」としてデビュー。93年から放送されたフジテレビ系『とぶくすり』で頭角を現し、その後15年以上にわたって第一線での活躍を続けている。4月28日発売のDVD『全日本オヤジ選手権』出演。
●小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
全日本オヤジ選手権
収録時間:本編117分 特典映像14分
発売日:4月28日(水)予定
価格:3,800円(税別)
発売・販売元:株式会社イーネット・フロンティア
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