業界大注目! 「リストラなう」日記が完全暴露する総合出版社・光文社の内情
#出版 #光文社 #神林広恵
伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。
最近、マスコミ関係者の間で話題のブログがある。それが『たぬきちの「リストラなう」日記』だ。いや、マスコミ関係者だけではなく世間一般から見ても「かなりのヒット作」といわれるほどの注目を浴びている。
このブログの書き手である「たぬきち」は某総合出版社勤務の45歳という匿名氏だが、注目を浴びている理由は、このブログが出版社を舞台にしたリストラを赤裸々に綴ったものだからだ。
「リストラなう その1」は、この出版社が「このままでは立ちゆかないので、社員を減らします。優遇措置を設けたので希望退職を募りますと宣言した」ことに始まり、退職希望者には退職金なども優遇されることなど、社内の様子やリストラの詳細が日々書かれていくのだ。
当然、「総合出版社」とはどこの会社だ? ということになるのが、「業界売り上げ10位?…くらいかな?」などのヒントで分かる人にはすぐに分かる。昨年の赤字50億円、出版界で最もヤバい会社と言われている光文社を指すことを。
日記によれば、「たぬきち」自身もリストラ対象に入るため(編集を含む全部署の50歳以上、営業・管理部門の40歳以上を対象)、彼も退職を希望する。その後は、会社と条件や再就職斡旋などに話は進むのだが、リアルタイムでのやり取りや、社員たちの動揺が描かれていて非常に興味深い。
「この会社のリストラは世間でいうそれとは大きく異なっている。もともとの給与水準が違いすぎる。また特別措置の割増退職金もべらぼうな額だ」
と書かれたと思うと、「春闘での会社側の第一次回答は夏期一時金 基本給×0・5ヵ月」とリストラ断行中なのにボーナスが出るのかと驚いたりする。
また、出版社が外部から触られたくない社員の高給についても日記は言及していく。
「僕の年齢での基本給は月額596,820。現在は5%オフなので566,979」「昨年は夏・冬併せてボーナスは2,020,730」
そして現在、光文社で進められている基本給や諸手当のカットの詳細にも触れ、「僕の昨年度の総収入(税込み)は11,697,471だった。ここから試算したカット分を引くと、だいたい840万くらいになる」と基本給カット後の給与も試算するといった具合だ。
その他にも電子書籍をめぐる出版社の問題など、出版社のタブーにも触れていて、「かなりの出版関係者が注目している日記」(大手出版社社員)となっている。
このコラムでも何度か取り上げたが、確かに光文社の経営状態は最悪の状態だという。
そもそも大手や中堅の出版社の給与や条件はかなり高く、出版不況が長引くにつれ問題視されてきた。
このブログが注目されているのもそうした理由からなのだろう(明日は我が身というマスコミ関係者の切実さもあるだろうけど)。
ちなみにこのブログではまだ公表されていないようだが、年齢などから考えると「たぬきち」の退職金はおおよそ2,000万円プラス特別割増500万円だというのが業界のもっぱらの推測だ。
(文=神林広恵)
◆たぬきちの「リストラなう」日記
<http://d.hatena.ne.jp/tanu_ki/>
「いらない社員」はこう決まる (光文社ペーパーバックスBusiness)
光文社社員の愛読書?
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