“超日本語吹き替え版”で新しい映画体験!『シャッターアイランド』
#映画 #洋画 #レオナルド・ディカプリオ
レオナルド・ディカプリオの主演最新作『シャッター アイランド』が公開中だ。『ミスティック・リバー』などで知られるデニス・ルへインの同名小説を、ディカプリオと4度目のコンビとなるマーティン・スコセッシ監督が映画化したミステリーサスペンス。巷では”超日本語吹き替え版”なるものも話題を呼んでいる作品だ。
1954年、米ボストン沖の孤島に建つ精神異常犯罪者を収容する病院で、ひとりの女性患者が失踪。彼女の部屋には「4の法則」と書かれた謎のメッセージが残されているのみ。捜査のため島にやってきた連邦保安官テディ・ダニエルズ(ディカプリオ)は、何かを隠しているらしい職員たち、残された暗号や厳重に警備された廃墟の灯台といった謎に直面しながら捜査を進めていく。さらに島には、かつてテディの妻を手にかけた連続放火魔が収監されており、捜査を進めるにつれ、テディ自身にも不可解な出来事が起こりはじめ……。
『ギャング・オブ・ニューヨーク』で初めてスコセッシと組んで以降、ますます評価の高まるディカプリオは、同監督とのコンビ作では『アビエイター』で強迫性障害に悩まされた実在の実業家のハワード・ヒューズ、『ディパーテッド』でマフィア組織への潜入捜査で苦悩する警察官と、精神的に追い詰められる難役が多く、今回も次々に現れる謎と自身の過去にプレッシャーを肥大化させていく捜査官という役どころをこなしてみせた。謎解きサスペンスとして頭脳が刺激されるとともに、ホラー風にハラハラドキドキする場面もある。人間の深層心理を描いたドラマとしての側面もあり、難役に挑んだディカプリオの熱の入った演技も堪能できるので、一粒で何度も美味しい。
そして、本作で話題になっているのが、”超日本語吹き替え版”の上映だ。字幕を追いかけながら鑑賞していると、謎解きに関する重要なシーンを見逃してしまうこともありえることから、謎解きにより集中できるように作られた特別な吹き替え版で、俳優の口の動きに合わせた、より自然で違和感のない日本語の話し言葉を採用。もちろん、吹き替えはプロの声優が担当し、話題性を狙ったタレント起用などはない。字幕翻訳を手がける戸田奈津子氏が翻訳・監修も手がけ、字幕版・吹き替え版の微妙なズレを極力なくしているという。
近年、観客にシニア層が多い地方シネコンでは、字幕に対して「疲れる」「早くて読み切れない」という声も数多く上がっているほか、字幕・吹き替えの切り替えが自由なDVDに慣れ親しんだ若い世代には、吹き替え派が増加傾向にあるという。日本では「洋画は字幕で」という”常識”が根強いが、今回はそうした事情から実写洋画としては異例の字幕版:吹き替え版=6:4の比率で上映。その結果、公開週の週末3日間の動員シェアは吹き替えが25%を占めたという(通常、実写洋画の吹き替え版の稼働率は10%~15%)。特に吹き替え版来場者は、全国的に10代~20代のカップルや女性のペアが多いとのことで、若者の洋画離れが叫ばれるなか、”超日本語吹き替え版”が、新しい洋画鑑賞のスタンダードになるのかに注目が集まっている。
もちろん、謎解きよりも映画そのものをオリジナルのまま楽しみたいという人は、字幕で見ても楽しめる。お好きなほうで、ディカプリオ×スコセッシの仕掛けた謎解きに挑戦あれ。
『シャッター アイランド』(配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン)はTOHOシネマズ スカラ座他全国超拡大ロードショー中。
(eiga.com編集部・浅香義明)
『シャッター アイランド』
<http://eiga.com/movie/53192/>
『シャッター アイランド』レオナルド・ディカプリオ&マーティン・スコセッシ監督 インタビュー
<http://eiga.com/movie/53192/special/>
みんなそうだと思ってたよ。
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