『THE OUTSIDER第11戦』血塗られた拳と拳──男たちの魂の叫びを聴け!!
#格闘技 #前田日明 #THE OUTSIDER
4強、出揃う! 新星、現る!──前田日明主催の不良系格闘技イベント『THE OUTSIDER(ジ・アウトサイダー)』第11戦が3日、東京・ディファ有明で開催された。優勝賞金100万円をかけて争われる注目の60-65kg級トーナメントでは、渋谷莉孔、渡辺竜也、和田周作、幕大輔の4名が1・2回戦を勝ち上がり、6月開催の決勝ラウンドへと駒を進めた。また恒例のシングルマッチでは、埼玉のカリスマ不良、格闘マニアの漫画家など個性的なニューフェイスが鮮烈なデビューを果たし、会場を大いに沸かせた。各試合の詳細は多媒体にお任せして、日刊サイゾーでは今回も、気になる選手の舞台裏での言動をレポート!
“リアル刃牙”
渋谷莉孔(東京・24歳)
”リアル刃牙”がド根性を見せた。60-65kg級トーナメントの2回戦。レスリング歴13年の茂木浩明(群馬・30歳)に寝技でねちっこく攻め込まれ、劣勢に追い込まれた渋谷だが、終盤から打撃のラッシュで猛反撃。逆転のKO勝ちを収めた。
試合直後に控え室でインタビュー。
──押されていたが、よくぞあそこから盛り返しましたね。
「作戦……って言ったらいいんですか?(笑)。1回戦も2回戦も全然力を出せなかったし、ヤバいなって思う場面もあったけど、普段練習してる仲間のほうが強いから、勝てるかもしれないと、戦いながらずっと思ってました」
──2回戦は、ハイキック一発で形勢逆転。
「いっつも当たるんですよね、あれ。ロー蹴っといてから、ハイキック。そのあとのパンチも、倒せるパンチを怖い人たちから教わったんで。相手に打たせてから打つっていう。僕はカウンタータイプなんで」
──あと2回勝てば100万円。
「100万じゃあ、なんもできないっすよ。セコンドの人たちに恩返ししなくちゃいけないし。まあでも、引き分けた選手とか負けた選手の立場がないから、優勝目指して頑張らないと」
ここで控え室のモニターが、渡辺竜也(静岡・21歳)のKO勝利を告げる。次の対戦相手は渡辺に決定だ。
「やっぱり渡辺竜也かー。最初から彼が来ると思ってましたよ。強いですよ、彼は」
渡辺は強烈な右ストレートを武器に、優勝候補の秋山翼(山口・26歳)、松岡洋平(静岡・30歳)を連続撃破した急成長株。準決勝は激しい打撃戦になりそうだ。
“横浜義道会初代総長 濱の狂犬”
黒石高大(神奈川・23歳)
60-65kg級トーナメントの1回戦は突破するも、2回戦で和田周作(福岡・28歳)に敗北。「あ~、最悪! このトーナメントで全部取り返そうと思ったのに!」と叫びながらバックステージに引き上げてきた人気者の黒石。敗戦のショックから「格闘技をやめる」的なことを口走ったらしく、「応援してる人いっぱいいるんだから、簡単にそんなこと言うな!」と先輩に怒鳴られる一幕も。
さらには、親友のアウトサイダー、武井勇輝からも説教を食らう。
「1ラウンド途中、絶対パウンドでTKO取れたのに、あそこでサイドにいっただろ? 男・黒石高大はパンチで決めんだろ? 格闘家にかぶれたんだよお前!」
「かぶれたー!」と叫び、天を仰いだ黒石。敗れた上に叱られて踏んだり蹴ったりだったが、ひとつだけ、いいこともあった。客席とバックステージを仕切る暗幕の隙間から、女性ファンが何か(プレゼント?)を投げ込みながら、天使のような優しい声でこう囁いたのだ。
「おつかれさま。やめないでね。地元一緒なの。応援してるよ。頑張ってね。愛してるよ」
こんなことを言われたら、やめたくたってやめられないはず。男・黒石の再起を待とう。
確実に進化している。
“埼玉白岡町の若き長 全身凶器”
齊藤龍正(埼玉・21歳)
「アイツの喧嘩はいつもパンチ一発で決まる。天性の強さだと思う」と、地元・白岡の仲間は齊藤を評する。その「ワンパンチKO伝説」を観衆が見守るリングの上で証明してみせるとは、たいしたものだ。初参戦のシングルマッチを、わずか4秒で終わらせた齊藤を直撃!
──あっという間のワンパンチKO。手応えは十分?
「はい。まったく緊張もしませんでした」
──アウトサイダーに出場しようと思った動機は?
「カネです。人を殴ってカネをもらえるから。自分が負けたら白岡の名が汚れるのに、勝手に出てしまった。だけど兄貴たちが応援してくれたので、勝てて本当によかったです」
──プロフィール写真は金髪オールバックのヤンキースタイルでしたが、見た目の印象がだいぶ変わりましたね。
「やっぱ中身だと。人間、見た目よりも中身が大事ですから」
──ということは、中身は今も恐ろしい?
「たいしたことないっす」
──地元・白岡ではどんな活動を?
「愚連隊のトップをやってます。兄貴たちの伝統を守っていくだけです」
──尊敬する人は?
「先輩たちです」
口数が少なく、シャイな印象。色白で髪が長いため、YOSHIKIのような繊細な雰囲気も漂う。そんな齊藤のことを地元の先輩は「白岡じゃ、誰もが認めるアタマです。強いんだけど、自分からは喧嘩売らない男。すごい謙虚で、先輩を立てることも知っている。後輩のカガミですね」と絶賛する。
今後のアウトサイダー参戦は「考えてない」という齊藤だが、まだまだ底を見せていないため、これで見納めというのは惜しすぎる。継続参戦に期待して、サイゾー賞を贈呈だ!
“バトル漫画家ファイター”
一文字蛍(神奈川・30歳)
秒殺する者もいれば、秒殺される者もいる。シングルマッチに初エントリーした漫画家の一文字。赤いマフラーを颯爽と放り投げ、特撮ヒーローのような大見栄を切って参上したが、ゴングが鳴った5秒後に、ダウンを食らってKO負け。無念極まる敗戦インタビューを聞け!
──登場シーンが最高でした。
「そうですか? 悔しいなぁ。だったら勝ちたかったなぁ……。2秒で跳ね起きましたよボク! 2秒で跳ね起きたのにぃ……、2秒ですよ!!!!」
──まだまだやれた?
「何度も言いますけど、ボクは2秒で跳ね起きましたよ! 効いてませんもん! しかし、セコンドの彼はボクにこう言いました。『食らったお前が悪いんだ』と。普通セコンドって、選手をいたわるもんでしょ? 『ラッキーパンチだ、気にするな』とかって。なのに彼は、『食らったお前が悪いんだ』としか言ってくれない! でも、その通りっ! ボクが悪いですよ! 5秒で倒れたボクが悪いんですよ!!!」
──なぜアウトサイダーに出ようと思ったのでしょう?
だったが……
「DVDで見て格好よかったんで、あ、出たいと思って、付け焼き刃でトレーニングをし、参加しました! 空手のバックボーンはありますが、フルコンタクトの試合に出るの初めてでした! 押忍!」
──不良の多い大会に参加する恐怖心は?
「それはさすがに全然怖くないですね、フフフ。不良と殴り合うことぐらいで臆することはございません! ボク、昔から怖いもの知らずなんですよ。バイクでの武勇伝を話しましょうか? それともタイでの武勇伝を話しましょうかねぇ……」
──タイでの武勇伝を教えてください。
「チェンマイでひとりで迷子になったときは怖かったなぁ……(遠い目)」
──このまま帰るのも悔しいでしょうから、漫画のPRをどうぞ。
「おおそうかそうか、じゃあ、このたび勝利を頂きまし……ううううう! 勝利を頂いたバージョンしか考えてなかった!(と言って頭を抱えた後、突然目を見開き)こからもぉぉおお、めげずぅぅうう、あらゆるところで戦いを繰り広げていきたいと思います! もちろん漫画を描くというのは戦いですから! 一文字蛍は弱かったですが、強ぉ~い空手の漫画を描いてます! 作品名は『転生神機メロウガイン』です! 興味ある方はぜひ! 押忍!」
──何か言い残しは?
「一文字蛍は不屈の男だっ! 不屈の男ゆえ、何度でも立ち上がるっ! 実際、2秒で立ち上がりましたよ! 2秒で立ち上がったんですよ!!!」
敗れたとはいえ、強烈なインパクトを残した一文字先生であった。
次回アウトサイダーは6月20日(日)、東京・ディファ有明で開催。60-65kg級トーナメントの決勝ラウンドのほか、70-75kg級トーナメントもいよいよ始まるので注目だ!
(取材・文=岡林敬太)
ジ・アウトサイダー 第九戦 《65-70Kg級トーナメント決勝戦》
第9戦のDVD。熱い。
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