「司会もゲストも観てるだけ……」ロケ番組のスタジオパートって本当に必要なの?
#裏チャンネル
VTRを流しつつ、画面上の隅っこの小窓(ワイプ)に、それを観るゲストの顔・リアクションが映し出される──。これは、『ぴったんこカン・カン』(TBS系)や『いきなり!黄金伝説。』(テレビ朝日系)をはじめとした、近年のバラエティー番組のお決まりのパターンだ。
それにしても不思議なのは、VTRからスタジオに場面が切り替わった際、タレントたちがVTRに関するコメントをするでもなく、そこからトークが始まるわけでもなく、また矢継ぎ早に次のVTRに入ってしまうことが多いということ。
こうなってくると、「そもそもスタジオのパートって必要なのか?」という気もしてくる。
柴田理恵など、「小窓」での仕事を熟知したタレントはともかく、スタジオにはたいていレギュラー出演者のほか、ゲストがいたり、それなりの人数がいるけれど、たいしたリアクションやトークをするわけでもない。これって、意味あるの? それとも、単に「番宣のため」にゲストを呼ぶ場を設けているものなのか。
あるテレビ関係者によると、
「スタジオ部分がいらないというのは、確かに感じることかもしれませんが、これはタレントの番宣のためにというわけではなく、スタジオを開くことによって、視聴者が一緒に観ている気持ちになるなどといった、演出上のものなんですよ」という。
もちろん普段バラエティー番組に出ない女優・俳優などが来てくれるのは、新鮮さがあるが、「番宣」はあくまでオマケなのだという話だ。
「ただ流しているVTRを視聴者が観ていると、リアクションが取りにくく、退屈してしまう人も出てきてしまう。そこで、ワイプとしてのタレントのリアクションが必要なんです」
また、あるバラエティー番組の構成作家はこんな指摘をする。
「バラエティー番組では近年、ロケのVTRから、スタジオトークの部分に替わると、明らかに視聴率が下がってしまうという傾向があるんです。そのため、スタジオ部分よりも、ロケをなるべくたくさん撮り、VTRをなるべく多く放送しようという方向になっています。スタジオの部分がいらないのではなく、本来はスタジオありきの番組だったのに、どんどんVTRを増やしていることで、VTRの割合が増えすぎてしまったということなんだと思いますよ」
たとえば、人気番組『いきなり!黄金伝説。』において、いまやココリコはほとんど何もしていないようにも見えるだけに、スタジオ部分をなくして、『濱口優のいきなり!黄金伝説。』にしても……という気もするが、そういう簡単なものでもないらしい。
「番組自体の認知度が高いだけに、やはり『ココリコの番組の濱口』という認識が強いのでは? それが『濱口優の~』となると、別の番組になってしまいますから、曜日が替わって視聴率が落ちる番組も多いのと同じだと思います。また、かつてはココリコ自身がチャレンジしていましたが、それだけではやはり飽きてしまうので、いろいろ旬の人がやったほうが面白くなるし、スタジオに豪華に人をたくさん入れて……という手法になるんだと思いますよ」
不要に見える、バラエティーの「スタジオパート」。でも、それは本来、番組の骨子であって、むしろVTRに浸食されすぎて、逆転現象が起こってしまっているということのようだ。
(「サイゾー裏チャンネル」より)
芸達者!
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