鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」(後編)
#お笑い #インタビュー #対談 #鳥居みゆき #サブカルチャー #小明 #大人よ教えて!
──あの、もう一度幸せの話をしてもいいですか?
鳥 えー。もういいんじゃないかな。
──この先、こんなんでちゃんと真っ当に生きていけるのかな、とか不安で。
鳥 それは今が真っ当なんじゃないですか? 「真っ当に生きたい」って言ってる人って、「真っ当に生きてると思われたくない」人です。
──……わ! すごい! そうかもしれないです!
鳥 だからそのままでいいんです。
──なるほど。鳥居さん、深いです! ありがとうございます!
鳥 うん。……わたしが不快だ!?
──違いますよ! 話を戻して、今回はワースト編とベスト編が出るわけですけどもDVDのアピールを……。
鳥 『表ワースト』と『裏ベスト』でしょ。プラマイゼロなの。
──あ、はい、すみません。ではまず『裏ベスト』のお話を……。
鳥 ふーん、ブタペスト。
──え?
鳥 ブタペストです。
──いや、あ、裏ベストです。
鳥 アラベスクです。
──アラベ……?
鳥 ホロコースト。
──はい。
鳥 アスベスト。
──いろいろと問題ですね。
鳥 タイトルやっぱり『ホロコースト』と『アスベスト』にしよう。
──そんなDVD出ないですよ!
鳥 ふふん。
──DVDではよく「鳥居ワールド」って言葉が使われることに憤ってましたね。
鳥 ワールドなんて嫌だ!
──よく言われてますよね、「どこにあるんだよ!!」って。
鳥 杉並区にあります。
──あ、意外と近いですね。
鳥 うん、ふふ。
──やっぱり、そういう枠でくくられるのは嫌ですか?
鳥 嫌です。だから、わたし、やんないだろうな、って思ってることをやりたい。だから最近、漫談もやったし。でも、やりたいと思ってやったから、もうやりたくない。すぐ飽きちゃうよ。だから今度はクレイアニメやりたいです。
──また極端に変わりましたね。楽しそうですが。
鳥 うん、クレイアニメで、粘土を粘土のまま出すんです。それで『みにくいアヒルの子』をやるんです。でもぜんぶ、粘土は粘土だから。
──シュールですね。
鳥 はい、それがわたしの命を守ってくれるんです。
──そこはベタですね。粘土じゃ死ぬと思いますけど……あっ話変わるんですが、DVDで言ってた、通販で買ったおっぱいの大きくなる薬って効いてますか?
鳥 効いてないです、もう飲んでません。
──飽きましたか。
鳥 飽きちゃった。なんかー、そんな必要かなー? って思った。
──まあ必要ではないですよね。
鳥 確かに、昔、男の子に「お前の胸アスリートじゃね?」って言われたことありますけど。だからって、ねえ? いいじゃないですか。ねえ?
──ええ、おまえには関係ないよって感じですよね。
鳥 ねえ? 「超気持ちいい!」(北島康介風)って。
──ふはっ! いい意味じゃないですか、もう。そりゃ必要ないわ。
鳥 でしょ。
──あと、結婚について語られてる回もあったじゃないですか。普段あんまり生活感を出されないんで、そういうのを聞かれるのって、嫌じゃないですか?
鳥 別にぜんぜん(足をブラブラさせながら)。でも、いっこあるのは、テレビとかに出て、「ほんとはラブラブでしょ?」って言われたときに、あーここはラブラブって言ったほうが面白いんだろうけど、そんなエピソードねえ! って思って。ほんとにそんな感じじゃないから、そういうときは変な顔してんだろうなーとか、思います。
──なるほど。ちなみにどういうタイミングで結婚しましたか? なんかこう、タイミングってあると思うんですよ、ここだ! みたいな。
鳥 一番「今じゃねーだろ!」って思ったとき。
──えええ。
鳥 ふふ、天邪鬼なんだね。
──DVDでも「好きな人ができてー家庭をつくってーっていうのがクソ食らえだ!!」って言ってましたね。
鳥 はい! そんな感じです。
──そんな感じで、夫婦生活はうまいこと行くもんなんでしょうか?
鳥 はい、夫婦生活は別にうまくいかなくても、自分ひとりが楽しけりゃいいんじゃないですかね。
──夫婦ってもっと大変なもんだと思ってました。通帳とかも共同で……。
鳥 共同にしないですよ、自分で稼いだ金は自分のものだね、あっちが稼いだ金も、半分はわたしのものだね。
──あはは! ジャイアンですね。
鳥 確かにねー、土管で歌ったりしちゃう。
──中島みゆきとかを。
鳥 歌っちゃうー。
──カラオケ的なものとかは?
鳥 行かなーい! そういうとこに行って金払って歌わなくても、別に、いつでも歌えるってことに気づいたんです!
──まちがいないです! 私もそうで、iPodとかももう聴く気しないですもんね。
鳥 聴くよ。
──聴くんですか。なんか耳に入れたりするのがめんどくさくなっちゃって。
鳥 そうそう、歌っちゃえばいいと思うよ、わたしだから、嘉門達夫の『替え歌メドレー2』とか、普通に歩きながら歌うよ! キャ~~ラメルひろたら箱だけ~~~♪(は~~るばるきたぜ函館~~~♪のメロディで熱唱)
──じゃあ仕事後は仲のいい人とかと。
鳥 行きません!
──プライベートとかではどうですかね。
鳥 行きません!
──学生時代の友人とかとは。
鳥 いません!
──楽屋に呼ぶ人とか。
鳥 いません! いません!
──あの~。
鳥 いませんー、いーまーせーんー(泣)。
──完全に飽きてますよね。
鳥 もう! あき竹城! よく分かるね!
──そこだけはすごく分かるようになりました! 今日はありがとうございました!
鳥 はー、いっぱいしゃべった。それじゃ、良いお年をね。(対談時、2月)
(取材・構成=小明)
●鳥居みゆき(とりい・みゆき)
1981年、秋田県生まれ。07年前後に、白いパジャマでテディベアを抱えた「マサコ」キャラでブレイク。以降、テレビ、映画、ラジオなど幅広い活動を続けている。3月25日にDVD『鳥居みゆきの社交辞令でハイタッチ「表ワースト」編』『鳥居みゆきの社交辞令でハイタッチ「裏ベスト」編』(Contents League)発売。
●小明(あかり)
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。
ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>
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