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日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 芥川賞授賞・本谷有希子がかく語りき
祝「劇団、本谷有希子」創立10周年

「まだやることが腐るほどある」本谷有希子が語るこれまでとこれから

“男はまだ魅力的に書けない”本谷有希子と女

――本谷さんの脚本には女性性が強く描かれたものが多いですね。これは意識的なものなのでしょうか?

本谷 どうなんでしょう? 方法としては、まずヒロインの方に出演をお願いして、その人がいちばん魅力的に見える役を考えながらお話を作ることが多いかな。女性の方が魅力的に書ける感じがしますね。逆に言うと、男性を魅力的に書く自信がまだあんまりないのかもしれないなあ……。

――役者に合わせて台本を作る「アテ書き」ですね。

本谷 最近はずっとこの方法です。前回公演『来来来来来(らいらいらいらいらい)』のりょうさんの場合だったら、意外と耐えちゃう女とか、その前の『幸せ最高ありがとうマジで!』の永作(博美)さんだったら明るい人格障害みたいな。そういう役を演じたら魅力的に見えるんじゃないかなと思ったんです。

――そういったイメージは女優さんと話しながら作るんですか?

本谷 ほとんど話さずに書いています。私から見て、その人が持っている面白そうな部分だなと思った印象からイメージしてますね。

――永作さん、りょうさんと続き、次回公演『甘え』では小池栄子さんの出演が決まっていますが、起用する女優さんの基準はあるんでしょうか?

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本谷 基本的に、私の芝居に出る女優は根性がないとダメらしいですよ。例えばりょうさんの場合は、出演を受けてもらう前に一度食事をしたんですけど、この人絶対根性あるなって思ったので出演してもらいました。

――根性が必要と言うのは? 稽古が厳しかったりするんですか?

本谷 怒ったりするわけではないんだけど、場合によってはその人が育ててきた演技観を一回ぶち壊しますね。それが正解というわけじゃなく、私の現場においての私の好みなので、一回だけ我慢してくれと。最初はみんな、私が何言っているか全然分かんないらしいんです。外国語しゃべっているみたいな感じだと、永作さんにも言われましたね。

――じゃあ、きっと小池さんにも……?

本谷 あぁ、言われるんでしょうね(笑)。

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