天秤に架けられる「夫婦別姓」と「死刑執行」……千葉景子法相をめぐる混迷
#政治 #神林広恵 #死刑制度
伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ギョーカイの内部情報を拾い上げ、磨きをかけた秘話&提言。
郵政改革法案、普天間問題と鳩山政権は混迷の度を増しているが、もうひとつの懸案事項である「政治と金」の問題も全面解決したわけではない。土地疑惑で不起訴になった小沢一郎幹事長に関しては、身内である民主党・生方幸夫副幹事長の「理解が得られなければ辞任すべき」騒動で、解任撤回問題を起こすなど、その火種は燻っているのが現状だ。
そんな中、閣僚の中でもその存在感が疑問視されている一人が千葉景子法務大臣だ。
「小沢vs.検察の最中にも、後に事実が違うことが判明した一方的な検察リークや、女性スタッフに対する違法な捜査が問題になりました。こうした問題に関しては、事実が明らかになった際に千葉景子法務大臣が調査、指導すればいいことでしたが、何もした形跡はない。それどころか、ここにきて法務官僚にいいように振り回されているという実態も浮き彫りになってきた」(大手紙司法記者)
それが死刑に関する事案だという。
千葉法相は、いわずと知れた死刑廃止論者。「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属していたが、法相就任後に連盟から脱会している。
だが就任半年にして執行は当然ゼロであり、また夏の参院選まで執行はしないと見られている。小沢問題には手をこまねいていた千葉だが、死刑に関しては信念を貫いている。しかしこれに業を煮やしているのが法務官僚たちだ。
「現在収監されている死刑確定者は109人ですが、これまでの慣例として100人を超えない程度に死刑は執行されている。ですから法務官僚たちはなんとか千葉に署名させようと画策しているんです」(死刑問題に詳しいジャーナリスト)
そのウルトラCが、やはり千葉のライフワークでもある「夫婦別姓制度」問題だ。
「夫婦別姓に関する民放改正は3月の閣議決定では見送られてしまいましたが、千葉にすれば自身が法相としてこの法案を通せば歴史にも残る。そうした思惑を逆手に取り、法務官僚たちは『死刑執行に署名してくれれば、夫婦別姓法案に関し全面的にバックアップする』とささやきかけているという情報があるんです」(前出ジャーナリスト)
これが本当だとしたら、なんとも姑息な取引だが、ここは千葉法相の踏ん張りどころ。名声なんかにまどわされず、信念を貫き通して欲しいものだ。
(文=神林広恵)
好きなようにさせてよ。
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