Wコロンの「なぞかけナイト」が5分でソールドアウト!!
#お笑い #インタビュー #ねづっち #Wコロン
「ととのいました! 電車とかけまして、かつらのコマーシャルとときます!」
「そのココロは!?」
「東武東上(頭部・頭上)あるんです!」
「おぉー(笑)!」
昭和の香り漂う「なぞかけ芸」に、若い観客が一斉に沸く。3月18日に阿佐ヶ谷ロフトAで開催された「WコロンPRESENTSなぞかけナイトvol.3」。お笑いコンビWコロン(ねづっち・木曽さんちゅう)の声がけで集まった若手芸人たちが、ただひたすらに夜中まで「なぞかけ」をやり続けるというシュールなライブだ。
この日の出演はWコロンの2人とナイツの土屋伸之、U字工事の福田薫、インスタントジョンソンのじゃい、くじら、超新塾のドラゴン高山。観客からアットランダムに出される共通のお題に対し、木曽さんちゅうを除く6人が次々に手を上げてなぞかけを行い、これを木曽が瞬時に解説してテンポよく場を回していく。
もともとはWコロンらが、芸人仲間と居酒屋で飲みながら何時間もなぞかけをして遊んでいたものを「このまんまライブでもやっちゃおう」とはじめた企画。従って、なぞかけをやる側の芸人も観る側の観客も、ひたすら酒を飲み続けながら進行するというのが基本ルールだ。
テレビ朝日系『アメトーーク』町工場芸人の回で一躍注目を集めたWコロンのねづっちについては既報のとおり(記事参照)。その後コンビの露出は飛躍的に高まり、この日のライブも民放キー局2社が密着取材。チケットも全100席が5分で完売という人気ぶりだ。「今もっとも注目されているコンビの一つ」(阿佐ヶ谷ロフトAスタッフ)であることは間違いなさそうだ。
「アメトークでは若い観客がなぞかけ芸に『へ~』って感心しながら、若干とまどい気味だったみたいだけど、ライブでは皆が”それ前提”で楽しみにくるから盛り上がりが違う」(ライブに訪れた20代女性)というとおり、なぞかけが終わるたびにあがる声は「へ~」や「あぁ~……」という感嘆の声ではなく、ストレートに笑いを楽しむ「おぉー!」という大歓声。冒頭のようにうまいこと「二つがけ」(お題に対し二つの言葉がかかる状態)が決まると、景気のいい手笛や「ヒューヒュー!」というノリのいい声が飛ぶ。
「あの、みなさん、なぞかけにポジティブにならないと、このライブひとっつもおもしろくないですから」
ねづっちの煽りに、ドっと笑い声をあげる観客。7時半開演のライブはテンションを維持したまま11時前にようやく終了した。本来ならWコロンにライブの感想などをお聞きすべきところだが、終演後は先方もこちらも酔いと疲労でぐったり。とてもまともな会話ができるとは思えず、日を改めて元気になったお二人にお話を伺った。
──先日は大変おつかれさまでした。ライブはどのくらいのペースでやっているのですか?
木曽さんちゅう(以下、木曽) 「なぞかけナイト」は3カ月に一回くらい。今回が3回目です。毎回300近いなぞかけが出ますから、終わるともう、ぐったりですよ(笑)
ねづっち もともと芸人仲間が集まって、居酒屋で「ととのいました!」なんて言いながら泥酔して何時間でもやってるんです。最後はベロベロになって全然かかってないのに「いいねー!」「うまい!」みたいな。朝起きたら全然覚えてない(笑)。
──たしかに、いつもそれをしていたら瞬発力はつきそうですね。しかも楽しそうです。
ねづっち 楽しいんですよ(笑)。こないだなんか明け方に閉店間際の居酒屋で、客が僕らだけ。回り見たら店員さんがギャラリーみたいにグルっと囲んで聞いてるんです。で、僕がなぞかけ言い終わったところで「おー!」と拍手が起こったところで、店長さんが「みごとなオチがついたところで閉店でございます」と。とてもいい方でした(笑)
──それをそのままライブ会場で再現したのが「なぞかけナイト」。
ねづっち もう、僕にとっては仕事を離れて単純にわくわくする、めっちゃ楽しみな場です。なぞかけをすべて一人で受ける木曽は大変かもしれないですけど(笑)
木曽 僕にとっては重い十字架で……(笑)。前にサイゾーさんの記事で「複数のピッチャーの球を一人で受けるようなもの」と書いて頂きましたけど、まさにそうで。第2回目のときは終わってから熱出して寝込みましたよ。そしたら「なぞかけ熱」だって笑い者にされました。
──メンバーはいつもどのように決めているのですか。
木曽 普段から楽屋とかでなぞかけして遊んでる「なぞかけナイターズ」と呼んでる芸人仲間がいまして、そこらを中心に毎回僕が選んでいます。まぁ、今回の超新塾のドラゴン高山君みたいに、なぞかけから縁遠そうな芸人をあえて選んだりもしますけど。その化学反応がまたおもろい。
ねづっち 今回のメンツ以外では響の長友(光弘)君とかコージー冨田さんとか。コージーさんもなぞかけ大っ好きで、「なぞかけナイト」って命名したのも実はコージーさんなんですよ。
──なぞかけでWコロンの名もすっかり有名に。先日18日の「なぞかけナイト」も100枚のチケットが5分で完売。若いお客さんも多かったです。
木曽 いや、まだ全然……。ただ、僕ら基本は漫才師なので、寄席などでネタを披露する漫才が本業なんです。なぞかけはそもそもフジテレビの『爆笑レッドカーペット』用にはじめたんだけど、結果的にそれで露出する機会が多くなったという(笑)。今は漫才となぞかけの両刀使いみたいな感じになってますね。
ねづっち 過去2回の「なぞかけナイト」は僕らを知ってる方たちがなぞかけというマイナー芸を楽しむ、ちょっとアングラな集いという感じだったんですけど(笑)。今回はご新規の方が多かったですね。『アメトーーク』以後初めての「なぞかけナイト」だったのと、あと『キャンパスナイトフジ』に出たときに告知をさせてもらった影響もあると思います。1、2回目にいらしたお客さんで今回チケット取れなかった方もいたのかなという心配はちょっとありますけど……。
──Wコロンの活動にとってライブはどんな意味を持つのでしょう。
木曽 単純にライブ感を楽しむという気持ちはもちろんありますけど、なぞかけの可能性を確認したい場所でもあります。現状はお客様からお題を即興で戴いてやるというのがベースなんだけど、もっとなぞかけを使っていろんな企画ができればいろんな楽しみ方ができるので。
──昨年末に出された本もその形の一つ?
木曽 そうですね。あれってクイズ形式なんですけど、なぞかけをクイズの形で表現するというのは、本を作るときに初めて認識しましたから。まだまだいろんな可能性を秘めていると思うので、もっといろんな切り口を探していきたい。そのためにもライブはすごく貴重な場です。
──お二人のメディアへの露出が増えるに従い、業界もこの芸をこれからどう扱っていいか読みきれていない部分もあるように感じます。
ねづっち たしかにそういうところはあるかもですね。とにかく僕らとしては「へー」とか「なるほど~」で止まらないように、どうやって笑いに転化していくかが一番問われるわけで。そこを今、模索しているという感じですかね。
──そういう意味では今回のライブのお客さんの反応を見ていると、「へー」ではなくて普通に笑いとして楽しんでいる空気は強く感じました。
木曽 お客さんの側も、これまで馴染みがなくてどう扱っていいかわからん「なぞかけ」っていうものに、徐々に慣れ親しんでいる過渡期なのかなと。ライブでの楽しみ方も様々かもしれません。いずれにしても僕らは漫才師なので、とにかく笑ってもらうために何をすればいいかを突き詰めていくしかないわけで。なぞかけがそのための武器になればいいんですけどね。
ねづっち 武器にならないときもあるしね。
木曽 それを言うなっての(笑)。
(文・構成=浮島さとし)
なぞかけとかけて、サイゾーと解く。そのこころは……
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