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ひょっとしたら続編も? 過熱する完結編『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』

edeniiparadiselost.jpg(C)東のエデン製作委員会

 2009年4月の放送開始から足かけ1年をかけ、TVシリーズから劇場版へと続いてきた人気アニメーション「東のエデン」。当初は今年1月に公開予定だった、劇場版2部作の後編『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』が3月13日に無事公開初日を迎え、ついに完結した。

 物語は、記憶を失った青年・滝沢朗と、彼を見守り続けたヒロイン、森美咲を中心に語られる。日本各地に10発のミサイルが撃ち込まれるも、1人も死傷者が出なかったテロ事件”迂闊な月曜日”から3カ月後、渡米中の大学生・森美咲が、銃と82億円の電子マネーがチャージされた携帯電話を手にした青年・滝沢と出会う。やがて滝沢は、選ばれた12人の「セレソン(救世主)」のひとりであることが判明。


 セレソンは特殊な携帯電話「ノブレス携帯」と、そこにチャージされた100億円を用いて、各々の方法で「この国(日本)を正しき方向へ導く」という使命を課せられており、その使命が果たせなければ、存在を消されてしまう。TVシリーズでは、続々と現れるセレソンの思惑に翻弄されながらも、滝沢が彼なりの方法で一度日本を救うところで終わる。

 それから半年、再び姿を消した滝沢を追って美咲がニューヨークを訪れたところからスタートするのが、昨年11月に公開された『東のエデン 劇場版I The King of Eden』。滝沢は以前のように記憶を失っていたが、紆余曲折を経て自らの使命を思い出しセレソン同士のゲームにけりをつけるため、日本へ戻ることを決意した。ここから先が、今回の『劇場版II』だ。

 TVシリーズの人気を受けて劇場版製作というパターンはよくあるが、本作は作品発表当初からTVシリーズ後に劇場版公開は決まっていた。しかし、その劇場版が2部作になり、さらに後編が2カ月の公開延期ともなったが、ファンの熱は下がることを知らず。『劇場版I』は7館で上映スタートしてからロングランを続け、『劇場版II』公開直前の3月8日に観客動員10万人を突破した。その勢いをもって今度は前作の倍近い15館で封切られた『劇場版II』も、初日には全回満席になる劇場も出る盛況ぶりを見せている。

 TVシリーズで登場していた伏線が劇場版で紐解かれるなど、全編に散りばめられた謎解き要素も魅力。『劇場版II』まで見たからこそ、「実はTVシリーズのあのシーンにあの人が出ていた」なんてことも分かる。再びTVシリーズの1話目からリピートして見返したくなるほど、ストーリーは練り込まれている。

 また、常に社会問題を巧みに取り入れる手腕が高く評価される神山健治監督は、今回も「日本を救うために与えられた100億円」という設定から、「お金を使うこと」そして「お金をもらうこと」について独自の理論を展開。

 TVシリーズから語られていたニートなどの現代日本社会の問題点に、ひとつの答えを提示している。魅力的なストーリーやキャラクターを生み出しながらも、冷静に社会を見つめる視点も持ち合わせたオリジナル作品として、単なるファン向けアニメとあなどるべからずといった作品に仕上がっている。

 今回で一応の完結を見たが、神山監督は舞台挨拶でたびたび「物語を続けていきたい」と意欲的な発言もしているから、ひょっとするとこれから先も何かがあるかもしれない。

 TVシリーズを一挙上映するイベントも早くも決定し、3月24日には『劇場版I』のブルーレイ&DVDも発売されているから、今からでも乗り遅れることはない。
(eiga.com編集部・浅香義明)

『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』作品情報
http://eiga.com/movie/54697/

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最終更新:2010/03/27 11:00
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