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トラブル続出の『ハート・ロッカー』 一発逆転”金メダル”なるか!?

hr.0304jpg.jpg(C)2008 HURT LOCKER, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 スピードおよびフィギュアのスケート競技で日本に5つのメダルをもたらしたバンクーバー冬季五輪が3月1日、閉幕した。スポーツ界最大の祭典に世界が沸いた17日間があっという間に過ぎ、少し寂しさも漂う今日この頃だが、次は映画界最大の祭典、アカデミー賞がやってくる。従来は2月末に行われるアカデミー賞授賞式だが、バンクーバー五輪を避けて今年は現地時間3月7日(日本時間8日)に開催。今回のアカデミー賞で、作品賞という名の”金メダル”を期待されているのが、授賞式直前、今週末6日から日本公開の『ハート・ロッカー』だ。

 この映画は、2004年のイラクを舞台に、爆弾処理の任務に就く米軍兵士たちの日常を描く戦争ドラマ。ひとつ間違えば木っ端微塵に吹き飛ぶ爆弾処理の様子は、嫌が上にも緊張感を増し、息詰まる思いをこれでもかと強いられる。ジャーナリストのマーク・ボールが現地で目の当たりにした事実を随所に盛り込んだ脚本で、キャラクターやストーリーはフィクションだが、現代のリアルな戦場の姿として極めてノンフィクションに近いという。

 監督はキャスリン・ビグロー。その名から分かるように女性監督だが、そのことを知らずに映画を見れば、まさか女性が作った映画だとは思われないかも。ビグロー監督のこれまでの代表作も、キアヌ・リーブス主演で銀行強盗とFBI捜査官の追走劇をアクション満載に描いた『ハートブルー』(91)や、ソ連の原子力潜水艦が史上最悪の事故に立ち向かうハリソン・フォード主演作『K-19』(02)など、”漢(おとこ)”映画がズラリ。『アバター』のジェームズ・キャメロン監督の元妻でもあるビグロー監督だが、『タイタニック』(97)や『アバター』でも男女のメロドラマを描かずにはいられない(もちろん商才に長けた監督だから、ビジネス的理由も大きいだろうが)キャメロン監督よりも、はるかに骨太で男気にあふれた作風だ。

 今年のアカデミー賞は、ビグロー監督とキャメロン監督の元夫妻がともに監督賞にノミネートされているという展開で、『ハート・ロッカー』『アバター』ともに作品賞を含む最多9部門ノミネート。最有力といわれるこの2作品、および両監督のどちらが”金メダル”を手にするのか? その動向から目が離せない。

 アメリカでは年末から始まる各地の批評家賞や、ゴールデングローブ賞といった各種映画賞が、アカデミー賞にいたる「賞レース」と称され、オスカー像の行方を占う重要な指針になっている。世界歴代興行収入を更新するメガトン級のヒット作『アバター』に比べ、『ハート・ロッカー』は映画ファン以外に知名度が低いが、賞レース成績は『ハート・ロッカー』のほうが圧倒しており、オスカーの本命視ともされてもきた。しかし、ここに来て同作のプロデューサーが、『アバター』ではなく『ハート・ロッカー』へ投票するよう、かなり具体的に呼びかけるメールを一斉送信。アカデミーの規約に反する行為をしてしまうという失態を犯してしまい、雲行きが怪しくなってきた。

 とはいえ、作品内容に関しては、間違いなく絶賛されている『ハート・ロッカー』。その出来栄えはいかなるものか? ぜひ劇場で確認を。
eiga.com編集部・浅香義明)

『ハート・ロッカー』作品情報
<http://eiga.com/movie/53910/>

K-19

キャスリン姐さんの代表作

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最終更新:2010/03/06 11:00
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