緊急闘論! 前田日明×藤末健三 ”汚染された国会”に殴りこむ理由
#前田日明
(撮影=名和真紀子)
格闘王・前田日明が今夏の参院選に出馬、ついに政界に参戦することが明らかになった。その博識ぶりはかねてから知られていたが、近年は政治的発言をする機会も増え、民主党との距離も縮まっていた。前田の政治家志向を強めた背景には何があったのか? まずは永田町で何と戦っていくつもりなのか? 本音を聞くべく、前田と親交があり、民主党参議院議員としては先輩である藤末健三議員との対談を緊急設定。国会議事堂を目の前に、アニキの熱い思いを聞いた。
──前田日明さんが、民主党から、この夏に行われる参院選挙の比例区での公認を受けました。藤末さんからエールはありますか?
藤末(以下、藤) 公認おめでとうございます、と言っていいのかどうか(笑)。選挙は大変ですからね。準備はいかがですか?
前田(以下、前) まったくの素人なんで、とりあえず情報収集していますけど、まぁ、とにかく金かかりそうですね。びっくりしてますよ。政策をまとめたチラシひとつ取っても、全国へ配ろうとしたら億単位の金かかりますでしょ。
藤 かかりますね。知人が3年前の参院選で100万部刷ったけど、郵送代だけで1億円。結果、入った票が3万ですからね。
前 ネットを利用した選挙活動はお金がかからないということで藤末さんも推進されていますけど、実際はどうなんですか? コアなネットユーザーって若いでしょう。10代からせいぜい30代。彼らは選挙に行かないし(笑)。
藤 わかります。でも、僕らは5年先、10年先に形になると思ってるんですよ。そのために今始める意味は、大きい。だから、今回の選挙からネットの利用を解禁できるように持っていきたいんです。
前 確かに、そういう視点で行動するのは大事かもしれませんね。
藤 ビラ配って2〜3億円かかるところ、前田さんみたいな有名人がブログやツイッターで政策を掲げたら、アッという間に何万という人が見に来てくれますよ。とにかく安上がりなことは間違いないですから。あとは、大仁田(厚)さんみたいに、メディアが食いついてくるようなパフォーマンスをどんどんやったらいいですよ。前田さんなら、いろんなところが取り上げてくれますから。
前 うーん、自分は、メディア受けするパフォーマンスとか苦手なんですよね。
藤 確かに、大仁田さんと前田さんとはイメージもスタンスも違うでしょうけど、スポーツ紙の小さい記事で取り上げられただけでも、宣伝効果は数十万円分あるし、テレビで取り上げられようものなら数百万円分ですよ。それだけの選挙資金が節約できると思えば、やらない手はないでしょうね(笑)。
──今回の立候補内定で、周囲からいろいろ言われたりしますか?
前 どうしちゃったの? と。お前も結局はそっちへ行くのか? とかね。国民の政治に対するアレルギーは、すごいものがありますね。政治=金儲けで、それを目指す人間は悪だと。ボロカス言われますよ。藤末さんは5年前に初出馬したときどうでした?
藤 僕は東大の助教授だったんですけど、親なんか勘当するくらいの勢いでしたよ。「政治家にするために産んだんじゃない!」って。政治家が尊敬されない国は悲しいですね。前田さんのそもそもの出馬動機はなんですか?
前 僕も数年前までは政治に関心なかったし、政治家にいいイメージ持ってなかったです。プロレスで地方巡業すると、地元の議員と接点ができるんだけど、人間的にもなんだかなぁと思うときがあって。報道を見てても議員が利権にハゲタカみたいに集まって、収賄がバレたら秘書が自殺して。ヤクザ以上にヤクザな世界だと。
藤 イメージ最悪ですね(笑)。それがまたどうして?
前 たまたま小泉構造改革について総括した本を読んだら、あれは最悪だったとロジカルに書いてある。自分でも検証しようと、別の視点から書かれた本も読み漁ったんですけど、「ここだけは良かった」ってところが見つからない。そんな政権が続いてしまう日本って、なんなんだと。それで07年の参院選のときに、ちょっと義憤に駆られて、民主党候補の応援演説をさせてもらって。そのためにさらに勉強したわけなんですけど。
藤 あのときは、前田さんが応援した12人のうち9人が当選した。昨年の総選挙でも応援してくれて、そのときは全勝でした。前田さんは、以前から環境問題に関心をお持ちでしたよね。
前 たまたま、その少し前に子どもが生まれたという背景もあったんですよね。気づいたら、日本ってアトピーの子がものすごく多いんですよ。僕が小さい頃なんて聞いたことなかった。それで選挙終わったときに前田雄吉さん(前衆議院議員)を通して環境省に20項目の質問事項を出したんです。半分しか答えてもらえなかったけど、それでも驚くべき内容だった。
藤 どんな結果が?
前 日本人がいかに汚染されているかというデータの羅列でした。例えば、日本人の体内に蓄積している化学物質の量は世界一なんですよね。あるいはアルツハイマー患者数を人口比率で見ると、インドや中国よりもはるかに多い。環境ホルモンにより日本人男性の精子の数は世界一少ないし、自然受胎率は世界で最低。それを国民が誰も知らないじゃないですか。
(文=浮島さとし/「サイゾー」3月号より)
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