現実はチョコほど甘くない? ちょっぴりビターな恋愛群青劇『バレンタインデー』
#映画 #洋画
今年は2月14日のバレンタインデーが日曜日。前日の土曜日と合わせて、週末バレンタインデートを計画している幸せなカップルもさぞ多いのではと思うが、そんなバレンタインにどんぴしゃりな映画が、『バレンタインデー』。
2月12日、日米で同時公開されるこの映画は、『プリティ・ウーマン』『プリティ・ブライド』などでおなじみのロマンチック・コメディの名手ゲイリー・マーシャルが監督、オールスターキャストの恋愛群像劇だ。
物語の舞台はロサンゼルス。2月14日のバレンタインデーの朝、花屋を経営するリード (アシュトン・カッチャー)は同棲中の恋人モーリー(ジェシカ・アルバ)にプロポーズし、晴れてOKをもらう。リードの友人で小学校教師ジュリア(ジェニファー・ガーナー)は、交際中の医師ハリソン(パトリック・デンプシー)が、この日に限って出張で少しガッカリだが、彼がいると思うだけで幸せな気分。しかし、そのハリソンはリードの花屋でこっそりと2つの花束を買う……。
軍人ケイト(ジュリア・ロバーツ)は11カ月ぶりの休暇で、一晩だけの滞在許可を得てロサンゼルスに向かう飛行機に乗っている。彼女はたった一日でも会いたい大切な相手がいて、そんな彼女と飛行機で隣り合わせたホールデン(ブラッドリー・クーパー)もまた、ロサンゼルスに待っている大切な人がいた。同じ境遇の2人は意気投合し……。
同じ会社で働く秘書のリズ(アン・ハサウェイ)と郵便係のジェーソン(トファー・グレイス)はバレンタインの前夜を共にするが、リズは何かを隠すようにジェーソンから逃げてしまう。出社したオフィスで、ジェーソンはあらためてリズをディナーに誘うのだが……。
有名アメフト選手のパブリシスト、カーラ(ジェシカ・ビール)は、毎年恒例の”バレンタインなんか大嫌い! パーティー”を開く予定だが、今年は参加者ゼロで、空しさが募るばかり。彼女と顔なじみのスポーツキャスター、ケルビン(ジェイミー・フォックス)も、この日ばかりはバレンタイン特集に駆り出されてウンザリ。そんな中、カーラがバレンタインが嫌いな本当の理由を聞かされて心が動く。
ほかにも結婚50年目を迎え、幸せに過ごしてきたはずが思わぬ過去が露呈する老夫婦、同じクラスの女の子に告白しようと決意する小学生の男の子、初めての2人だけの甘い一日を過ごそうと計画する高校生カップル、スポーツ選手としての進退とともに、ある重大な決断を下すアメフト選手などなど……職業も年齢もさまざまな人たちの2月14日が活写される。すべてが甘く幸せな一日ではなく、それぞれに悲喜こもごもがある。まさに”ビタースウィート”な味わいだが、それでも最後は幸せな気分に。「自分にとって本当に大切な人は……?」。そんなことを考えさせてくれる映画でもある。バレンタイン当日に告白計画のある人も、参考までに見てみるのもいいかも?
そして、映画ファンにとって魅力的なのは、なによりもその豪華すぎるキャストだろう。すでに名を挙げたアシュトン・カッチャー、ジェシカ・アルバ、ジェニファー・ガーナー、パトリック・デンプシー、ジュリア・ロバーツ、ブラッドリー・クーパー、アン・ハサウェイ、トファー・グレイス、ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックスらに加え、オスカー女優のクィーン・ラティファやシャーリー・マクレーン、キャシー・ベイツといったベテランから、『トワイライト』シリーズで大ブレイクのテイラー・ロートナー、ジュリア・ロバーツの姪として知られるエマ・ロバーツ、先日発表された第52回グラミー賞で、年間最優秀アルバム賞ほか4冠を達成したカントリー歌手テイラー・スウィフト(主題歌も担当)といったフレッシュな若手まで、ズラリと揃ったこれ以上にない贅沢な顔ぶれ。
2003年に製作されたイギリス製の恋愛群像劇『ラブ・アクチュアリー』は、早くもクリスマスの定番映画になった感があるが、本作もバレンタインの定番映画として定着するか、要注目の一作だ。
(文=eiga.com編集部・浅香義明)
『バレンタインデー』作品情報
<http://eiga.com/movie/54715/>
女の子はだいたい好きです、こういうの。
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