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携帯メールで出頭要請も!? Googleを辟易させた中国ネット検閲の実態

google.jpgGoogle中国版より

「検閲を止めなければ撤退する!」と、果敢にも中国政府にケンカを売ったグーグル。その結果といえば、”漢奸”(売国奴の意)というそしりを受けることを恐れる企業のグーグル離れが進み、中国市場での広告収入は騒動以前と比べ4割近く減少。挙げ句の果てには、グーグルの中国撤退を見越してか、早速のパクリサイト「Goojie」が登場。トップページには「グーグルがいなくなっても私たちがいるから寂しくない!」と書かれており、同社では法的措置を検討するなど対応に追われている。

 しかし、当局に啖呵を切るとなれば、この程度の犠牲は覚悟の上だったはず。それでも声を上げざるを得ないほど、グーグルを辟易させた中国のネット検閲の実態とは、一体どんなものなのだろうか。

 中国のネット検閲で良く知られているのが「金盾」である。これは当局が「問題あり」と見なすウェブサイトに対し、国内からのアクセスを遮断したり、特定のキーワードの検索を不可能にさせたりする巨大システムだ。

 例えば2月5日現在、中国国内からYouTubeやTwitter、Facebookへのアクセスは遮断されている。また、「天安門」や「法輪功」、「ダライ・ラマ」などのキーワードを検索しようとすると、検索結果に何も表示されないばかりか、その後数分にわたってネットが繋がらなくなる。ほかにも「監獄」や「新宿歌舞伎町」などでも同様の結果になることもあり、こうしたNGワードは1万語以上設定されていると言われる。中国人民の間では、こうしたNGワードを複数回検索すると、IPアドレスが当局のブラックリストに登録されるという噂もささやかれているほどだ。

 さらに、検索ワードの自動検閲のみならず、個人間のメールやチャットまで、モニタリングされているという見方もある。

 上海在住の日本人男性は、自らの不気味な体験を語る。

「中国人の友人に頼まれ、日本のアダルトサイトのリンクをメールで送った。しかし翌日、『見られなかったよ』と言われたので、再度アクセスしてみたら、アクセスできなくなっていた。それまでは毎日見ていたのに、メールの本文が検閲されたとしか思えません」

 当局の検閲は携帯電話のショートメッセージにまで及んでいる。以下は中国紙「南方日報」1月22日の報道。

 広東省に住む男性が、ある日自分の携帯電話のショートメッセージの機能が使用できなくなっていることに気がついた。早速、携帯電話会社に問い合わせてみたところ、「公序良俗に反するメッセージの送信が確認されたのでサービスを停止しました」とのこと。男性には心当たりがあった。数日前、友人宛に下ネタ満載のショートメッセージを送信していたのだった。

 携帯電話会社はサービス再開の条件として、警察に出頭し「有害メッセージは送りません」という内容の誓約書を書くことを要求したという。

 北京在住の日本人女性によれば、こうした状況のなか、人民たちは常に当局の視線を気にしながら生活しているという。

「たとえばメッセンジャーのチャットで、あからさまな政府批判をしようものなら、中国人から『HXされるぞ』と警告される。HXとは、胡錦濤政権のスローガン『和諧』(He Xie)の略。直訳すると『調和されるぞ』という意味ですが、この場合、『封殺されるぞ』という隠語。他にも『共産党』や『胡錦濤』などの敏感なキーワードを打ち込むと、『空気読めよ』みたいな気まずい空気が流れます」

 ここ最近は、ブログやネットカフェにいたるまで、利用に実名登録が必要となるなど、当局による通信検閲はその厳しさを増すばかり。人民からは「まるで巨大な監獄にいるようだ」という声も上がっているという。

 一度入ればタダでは出られないのが監獄。そんな中国市場に自ら飛び込んだグーグルの運命やいかに?
(文=高田信人)

「人民中国」の終焉―共産党を呑みこむ「新富人」の台頭

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最終更新:2010/02/12 15:47
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