「ファイトマネーはまだか!?」亀田大毅世界戦で”未払い騒動”が勃発していた
#ボクシング #亀田三兄弟 #亀田大毅
7日、神戸で行われたプロボクシングのWBA世界フライ級タイトルマッチで、挑戦者の亀田大毅(亀田ジム)が王者デンカオセーン(タイ)を判定で下し、兄の興毅とともに”国内初の兄弟世界王者”となった。だが、この試合の舞台裏ではファイトマネーの支払いを巡って、直前まで試合中止もささやかれるようなトラブルが起こっていた。
「ボクシングの試合では、前日の計量までにファイトマネーを支払うのが通例です。ところが今回、試合当日になってもデンカオ側がお金を受け取っていなかったというんですよ。タイトルマッチの主催は亀田ジム側ですから、当然、亀田側に支払い責任があったんですが……」(格闘技記者)
タイの関係者によれば、20万ドル前後と見られるファイトマネーの支払いが行われておらず、デンカオ側は「試合当日の午前中までに支払われなければ試合には出ない」と話していたという。そうした強硬姿勢をとる王者側に対し、試合の立会いのために来日していたWBAのスーパーバイザーとJBCの安河内事務局長が「自分たちが亀田側に支払わせることを保証する」と説得し、リングに立たせていたというのだ。
支払いが遅れていた理由について、JBCの関係者は「ドルへの両替ができていないらしい」などと話していたという。とはいえ、6、7日は週末で銀行は休み。それまでに両替を行っていないこと自体が不可解である。結局、デンカオのファイトマネーは試合直後に支払われたというが、JBCの言い分が正しければ、一体どうやって両替をしてきたというのか。
いずれにせよ、日本で行われる世界戦のファイトマネーが試合前までに支払われないという事態は、異例中の異例。ある中堅ジムの会長は、「もし自分たちの試合で、試合前日の計量の直後までにファイトマネーが支払われていなかったら、選手を絶対にリングに上げません」と断言している。さらに、この会長は「亀田側の手落ちにもかかわらず、統括団体のWBAとJBCが選手を説得するなんて、それこそ異例の話。一体WBAとJBCは、どうして亀田に、そこまでサービスする必要があるのか」と首をかしげる。
そもそも、今回の試合に関しては、亀田兄弟の古巣である協栄ジムの坂田健史が前王者と交わした契約を、WBAとJBCが強引な理屈で”無効”として、2回の防衛戦で指名試合もしていなかった前王者と大毅を、通常は認められないダイレクトリマッチで対戦させるという異例の経緯で実現した。つまり、今回のファイトマネーの話だけでなく、WBAやJBCは業界のルールや慣例をネジ曲げて、亀田を後押ししていたといわれても仕方がないの状況なのだ。
今回の世界戦に関して、前王者デンカオセーンは昨年末、周囲の関係者に「できれば苦しいことはしたくないから、ベルトを売りたい」と冗談交じりに語るなど、そのやる気のなさが日本にも伝えられていた。試合後、デンカオセーンは「試合中に右腕を痛めた」などと語り、判定にも不満をぶちまけたが、試合中の前王者は、持ち味である強力な右フックを自ら封印したような形となり、ある業界関係者はこの試合運びについて「まるで大毅の顔を殴らない契約でもしていたみたいだ」と苦笑する。
まさか、そんな”契約”などありえない話だが、現実的に興行の主催者である亀田側が、試合前までにファイトマネーを支払わず、自分たちが勝った直後に支払ったとなれば、「もし亀田が負けたら支払わなかったんじゃないのか?」(中堅ジム会長)といった嫌味を言われても仕方がない部分もありそうだ。
結局、日本初の兄弟王者という夢を実現した亀田陣営。だが、昨年発覚した税金の申告漏れではないが、今後はせっかくの勝利に水を刺されないよう、お金の支払いくらいはキチッとしたほうがいいのは間違いないだろう。
(文=原田翔)
これも大事。
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