世界遺産を「アバター・ハレルヤ山」に変名!? 必死すぎる中国最新海賊版事情
#中国 #アバター
大ヒット映画『アバター』に登場する地名をパクって、中国の観光名所である山が改名したことで賛否両論渦巻く騒動になっている。
今年1月、乾坤柱と呼ばれる世界自然遺産にも登録される景勝地が、映画に登場する「ハレルヤ山」にそっくりとあって名前もそのまま改名。これに国内外から批判の声が上がったのだが、その後にこの山岳部が映画のモデルに使われたことが判明。旅行会社などはこれを大歓迎し、「アバター・ハレルヤ山への旅」などのツアーを実施。改名に大賛成の声を上げている。
ただ、モデルであろうがなかろうが、映画で使われた地名に改名してしまうということ自体は通常、考えられない話だ。あるB級映画では、富士山そっくりの山が「ハラキリマウンテン」として登場するのだが、この映画がヒットしたからといって富士山の名前をハラキリ山に改名するなんてことは、日本人の感覚からは考えられない。
この騒動を受けて、乾坤柱がある張家界市は「別名をひとつ加えただけ」と言説を変え、「乾坤柱」の名称を破棄したものではないと発表したが、中国のフリー記者・李小堂氏は「中国は経済発展の中で、儲かるなら何でもやれ! という感覚が強くなっている。特に海外文化への憧れが強くなっていることから、安易な改名に至ったのではないか」と分析する。
「昨今、中国ではディズニーやドラえもんなどアニメキャラクターの偽モノが有名ですが、最近、かなり人気が高くなっているのがジブリ関係。特に『となりのトトロ』は、格安の海賊版DVDがかなり出回っていて、自主制作の偽グッズも街でたくさん見かける」(李氏)
上海にいる李氏に現地から偽グッズの画像を送ってもらったが、『となりのトトロ』のペンケースはロゴ配列が変な具合で、キャラクターも本物より肥満気味でなぜか片耳がなく、球状の尻尾が付いている。これと同様のレベルで、足が4本しかない猫バスや、体がトトロ風で緑色したポニョなども存在するという。
かつて「クレヨンしんちゃん」の偽物が登録商標を取得した事件があったが、相変わらず著作権無視で海賊版天国のチャイナ。決して、瓜ふたつの精巧にできていないところが笑えるのだが、李氏に言わせれば「作り手に罪悪感があるのか、耳をひとつなくしたり、少し変化をさせることで、これは別キャラクターなんだという言い訳を作っておく風潮がある」という。
中国では昨年あたりから国産アニメの人気も出てきており、ピンクのブタが活躍するアニメ映画「麦兜響当当」が大ヒットを記録。関連グッズの売り上げも上々というが、自国のアニメにでも同様に偽グッズが横行しているというから、これはもう中国の”お家芸”と思うより仕方ないのかもしれない。
(文=小田美代)
ジブリを守れ~!
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