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ミックスナッツ、ジャムトースト……ヤバすぎる!? 冗談のような『変な給食』

kyusyoku.jpg『変な給食 』(著:幕内秀夫/ブックマン社)

 現代の給食は、栄養摂取基準を満たしただけの、食べ合わせを全く無視した食事なのか、ハタマタ、単なるおやつに成り下がってしまったのか。この本『変な給食』では、全国で実際に食べられている、総勢73点のおかしな給食を写真付きで紹介している。

 例えば、「桜エビのかきあげ、味噌汁、黒糖のパン」という、なぜか米ではなく、黒糖パンを主食にしてしまったナンとも奇妙な組み合わせや、「酢豚、ジャムトースト、みつ豆」と、もはや食事とは言いがたいお菓子のような給食。さらには「いためそば、ミックスナッツ、トマトケーキ」という、まともなおかずと米を出せ~! と思わず叫びたくなるような粗末な貧乏給食など、冗談のような衝撃的な給食写真の数々が掲載されている。

 著者は管理栄養士であり、『粗食のすすめ』(新潮文庫、東洋経済新報社)がベストセラーになった幕内秀夫氏。彼が学校給食について疑問を持ち始めたのは、10年以上前。当時、小学生だった彼の娘の給食の献立を何気なく見たところ、ハンバーガー、ホットドッグ、ピザ、ラーメンなど、砂糖や油の多い料理ばかりが並んでいるのを発見し、愕然とする。それをきっかけに、もっと給食の献立について本気で考えてほしい、という思いで、1998年に「学校給食と子どもの健康を考える会」を発足させ、以後、給食改善への活動を続けている。

 本書の中では、「食育と学校給食」「完全米飯給食で非行ゼロに」「食育と米飯給食と農業」などの読み物もあり、ただ単に”この給食は変だ”と言っている訳ではなく、食が体に及ぼす影響や日本人の米離れ、今後の日本の農業についても、専門家や改善しようと実践している担当者の意見が綴られている。

「成長期の大切な時期に、子どもたちは何を食べさせられているのか。より多くの方に、考えていただきたい」。彼はこの本をきっかけに、学校給食が本当の意味で役立つものになることを期待する。

 わたしたちの食生活は、今回取り上げられている冗談のような給食のようになっていないだろうか。改めて、学校給食がその後に与える食生活への影響を考えなければいけないのかもしれない。
(文=上浦未来)

幕内秀夫(まくうち・ひでお)
1953年生まれ。管理栄養士。東京農業大学栄養学科卒業。「フーズ&ヘルス研究所」主宰、「学校給食と子どもの健康を考える会」代表。帯津三敬病院などで食事相談を担当するほか、プロスポーツ選手の食生活指導、企業の社員食堂、幼稚園・保育園の給食改善、そして食生活に関する講演会や執筆など、精力的に活動している。

変な給食

食育どころの騒ぎじゃない

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最終更新:2010/01/25 16:00
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