人気バンド解散の裏に隠された「20億円出会い系サイト詐欺」事件の真相とは?
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2008年11月、2ndアルバム『パーフェクトワールド』をリリースし、タワーレコードのJ-Indies ウィークリーチャートで1位を記録したアコースティックバンド・無限マイナス。今後の躍進が期待されたバンドだったが、今月16日、突如解散を発表。実は、メンバーである前川和磨が20億円を荒稼ぎした出会い系サイト詐欺集団の一人として逮捕されていたのだった。責任の重さを痛感したほかのメンバーは、公式ブログで次にように解散を発表した。
「この度、無限マイナスのメンバーである前川和磨のインターネット詐欺による逮捕で、無限マイナスを応援して下さった皆様、スタッフ、バンド関係者様に多大なるご迷惑をお掛けしてしまった事、深くお詫び申し上げます。前川が所属しておりました、摘発された会社とは、所属事務所、無限マイナスに関わるバンド、無限マイナススタッフは一切関与致しておりません。前川以外の無限マイナスのメンバーも一切関与しておりません。関係者の皆様にご迷惑が掛かります故、これだけは命を掛けて固く誓わせていただきます。しかし、同メンバーである前川の不祥事は無限マイナスメンバー全員の不祥事と受け止め、無限マイナスを解散させていただきます」
前川は、男性が演じたサクラだらけの出会い系有料サイトを運営していたという。事情を知る週刊誌の記者は次のように明かす。
「犯人のグループはmixi、GREE、モバゲーなどのSNSサイトを用いて、言葉巧みにSNSの男性会員に接触。やりとりを続けた後、『迷惑メールが多いから別のサイトで二人きりで話したい』などと誘い、チャットルームなどに登録させる。そのサイトは犯行グループが運営する有料の出会い系サイトに同時登録される仕組みとなっており、高額の利用料金を請求していた。男女11人の詐欺グループが逮捕されましたが、約80人のアルバイトが24時間体制でサクラとしてメールのやり取りを行い、会員数は複数のサイトを合わせてのべ140万人で、売り上げは約20億円あったようです」
人々に夢を与えるバンドのメンバーが、社会の害悪の象徴のような事件に身を染めていたのは、嘆かわしい事実だ。SNSサイトは、一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(EMA)が審査を行い、健全さをアピールしているが、個人間でメッセージをやり取りする以上、今後も今回のようなSNS経由の詐欺事件は増加の一途をたどるだろう。今一度、我々はネットリテラシーについて、考え直さなくてはならない時期に来ているようだ。
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