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進む”二極化”……『マリオ』が大ヒット中でも笑えないWiiのヤバい現実

mario.jpg『ニュー・スーパーマリオブラザーズ・Wii』
任天堂

『New スーパーマリオブラザーズ Wii』や『ファイナルファンタジー13』の大ヒットでにわかに活気づく国内ゲーム市場。ゲーム不況が叫ばれる中、このニュースはゲームがまだまだ元気だという印象を世に与えた。

 しかし実際のところ、ゲーム業界は笑ってはいられない状況だという。売り場の実情を知る某量販店Aの関係者X氏は、「ブランド力があり、大量に広告を打てる一部のメーカーのタイトル以外は壊滅的な売り上げです」と語る。近年、売れるタイトルと売れないタイトルの二極分化が、以前にもまして進行しているというのだ。


「大ヒットと言えない中小規模のゲームも、店頭に出せばちゃんと売れていきます。ただ量販店という性格上、ある程度まとまった数を見込めるタイトルでない限り、どうしても入荷本数は絞らざるを得ません」という小売店の事情もあり、メジャー・タイトル以外はそもそも市場に並ぶ機会すら与えられない、というのが現実のようだ。全国展開する某量販店Bでの売り上げ本数は、ゲーム情報誌最大手『ファミ通』(エンターブレイン)の売り上げランキングの3~4分の1を占めるという話もある。このことからも分かるように、ゲームショップなどの小売店が激減している昨今、量販店での扱いがほぼゲームソフト全体の売れ行きに直結しているといえる。

 特にこの現象が顕著なのが、ライトユーザー&ファミリー向けのラインナップでいわゆる「勝ち組」となった任天堂のゲームハード「Wii」である。

「11月に発売された『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー』は、『ファイナルファンタジー』シリーズの外伝ということで期待されていましたが、初週に約3万5,000本しか売れずにゲームファンの間で話題となりました。また、ライトゲーマー向けタイトルの『太鼓の達人Wii ドドーンと2代目!』は、前作の売り上げ60万本の10分の1程度となりました」(ゲームライターY氏)

「PSPで大ヒットしたシリーズ最新作『モンスターハンター3』は公表された出荷本数はかなり多いのですが、市場に在庫がかなり溢れていると聞いています。実際に当店では100本単位で在庫が残ったままです」(X氏)

 というように、一部のヒット作以外のWiiタイトルの売り上げは芳しいとは言えないようだ。

 『Wii Fit』、『Wii スポーツ』などライトユーザー向けのタイトルを多数発売し「ゲーム人口」の拡大に成功した任天堂だが、そのライトユーザーをゲームファンとして定着させることに失敗し、コンスタントにゲームを購入するゲームファンがWii市場から減ってしまったことが浮き彫りとなった形だと言える。

 この現象について、先述のX氏は「PS3などの他ハードも似た傾向にありますが、まだどのタイトルも満遍なく売れていると言えます。やはりWiiにおけるヒット作とそれ以外のタイトルの売り上げの差は特に激しいものとなっています」と語る。

 現に、今年の4月にアスキー・メディアワークスが発表した2008年度の各ハードのソフト売り上げを見ると、現行ハードの中で、WiiとDSのみ売り上げ本数が前年割れをしていたことからも分かるように、じわじわと任天堂ハードからのゲーム離れは進行しているようだ。

 その事実を裏付けるように、10月に行われた任天堂の中間決算説明会において、岩田社長の口から、業績の下方修正と「Wii市場の冷え込み」「ソフトの不足」を認める発言が飛び出し、業界に衝撃を与えた。

 大作、ヒット作がズラリと並ぶ年末のゲーム市場だが、あえてマイナー・タイトルをチョイスしてゲーム業界の活性化に貢献してみてはいかがだろうか?

ニュー・スーパーマリオブラザーズ・Wii

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最終更新:2009/12/26 11:00
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