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日本"未解決事件"犯罪ファイル

見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し……

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 何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく……。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない”未解決事件”を追う犯罪糾弾コラム。 

[第6回]
広島県廿日市市における女子高生殺害事件(2004年10月)

 2004年10月5日午後3時頃、広島県廿日市市上平良(はつかいちし・かみへら)に住む女子高生が何者かに刺殺され、短すぎる生涯を終えた。殺されたのは、会社員・北口忠さんの長女・聡美さん(当時17歳)。その日は午前中に学校の試験があったため、午後2時頃に帰宅し、家にいた妹と祖母・ミチヨさん(当時72歳)に「4時に起こして」と言い残して、離れの2階にある自室で休んでいた。そして、帰宅から1時間ほど経った頃、聡美さんの部屋から悲鳴が聞こえたため、妹とミチヨさんが慌てて駆けつけると、離れの階段下で血を流して倒れている聡美さんのそばに見知らぬ若い男が立っていたという。

 2人を見るや否や、男がいきなり襲いかかってきたので、妹は無我夢中で逃げ回り、近所の園芸店に裸足で駆け込んで「若い知らない人にお姉ちゃんが刺された!」と助けを求めた。一方、男に捕まったミチヨさんは胸など数カ所を刺されたものの、重傷の身体を引きずりながら母屋まで戻って警察に通報。数分後に警察が駆けつけたときには、すでに男の姿はなく、絶命した聡美さんと意識不明に陥ったミチヨさん、そして2人が流したおびただしい量の血が犯行の凄惨さを物語っていたという。

 司法解剖の結果、聡美さんは首や左胸などを10カ所近く刺され、出血多量で死亡。手や背中に傷がなかったことから、抵抗すらできないまま執拗に刺し殺されたものと見られ、怨恨による犯行の線で捜査が進められた。しかし、過去の交際相手や知人男性の中に、妹とミチヨさんの記憶に残る男の顔は見つからなかった(手配書の人相書きは事件の3日後に作成)。また、ストーカー被害を受けた証拠・証言なども出てこなかったため、捜査本部は無差別にターゲットを狙った変質者による犯行の線に切り替えて捜査を続けたが、5年以上経った現在も犯人逮捕に繋がる有力な情報は寄せられていない。

 唯一、それらしい情報と言えば、事件が起きる約3カ月前、現場付近を通る国道433号線から信号を無視した車が北口さんの家の前の駐車場に停まり、似顔絵のような風貌の男が家を覗き込んでいた、という近隣住民からの情報ぐらいだろうか。   
 
 事件当日は平日なので、午後3時前後に自由に行動できる人間は限られているはずなのだが……やはり、妹とミチヨさんの目撃証言に勝る手がかりは得られていない。

 事件後、背中や腹部を刺されて危篤状態だったミチヨさんは、奇跡的に一命を取り留めて回復したが、事件の記憶と身体の傷跡は消えず、精神的ショックも未だに癒されていないという。

 07年2月28日、遺族は聡美さんの進学のために蓄えていたお金を懸賞金300万円(上限)として用意。その際、聡美さんの父・忠さんは犯人逮捕に繋がる情報提供を悲痛な思いで呼びかけている。

「大学進学を夢見てコツコツと勉強する時間が多かった娘を奪った犯人を、許すことは絶対にできません。17歳で人生を閉じることがどれほどつらいか、伝える術がない娘の思いを伝えて欲しい」

 犯人に命を奪われなければ、聡美さんは事件の翌週から参加する予定だった修学旅行でたくさんの思い出を作り、高校卒業、大学進学……。そして、きっと今頃は社会人になる準備を始めていたに違いない。ご家族の無念さを思うと、誰しもが胸を痛くする凶悪事件である。せめて事件解明に繋がる情報、わずかな1本の糸でも見つかることを願って記事を締め括りたい。
(取材・文=神尾啓子)

<犯人の特徴>
年齢:20歳前後
身長:165cm前後
顔:目が細い、頬にニキビ跡
髪型:短髪(やや茶色)を立たせていた
体格:がっちり型
靴のサイズ:26〜27cm
(ダンロップ製の運動靴を着用)
公訴時効成立:2019年10月5日

<情報>
懸賞金:300万円(上限)
(平成22年2月28日まで)※延長の可能性あり

<連絡先>
広島県廿日市警察署
TEL 0829-31-0110

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最終更新:2009/12/28 11:00
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