鮮血と怒号……カリスマ不良たちの荒ぶる魂の叫びを聞け!!
#格闘技 #前田日明 #THE OUTSIDER
“宇都宮オリオン通りの闇皇帝 栃木のラストエンペラー”
菱沼郷(栃木・31歳)
もうネタキャラとは呼ばせない! もうマグレとは言わせない!──前回、起死回生の逆転パンチで連敗地獄から抜け出した菱沼が、今回はなんと、パウンドの連打で完全勝利。格好いい! 格好よすぎる! 試合直後の”闇皇帝”を直撃だ!
──連勝おめでとうございます。素晴らしい試合でした。
「ありがとうございます!」
──身長差をものともせず、相手をねじ伏せましたね。勝因はなんでしょう?
「勝つ執念、それだけです。実際、暇を見つけては『勝つ』と何度も書きましたからね。ノートに」
──前回勝ったことによって、何か変化があったのでしょうか?
「いろいろな人に声をかけて頂く機会が増えまして、期待に応えなきゃいけないという自覚が芽生えました。だから、練習にも熱が入るようになりましたね」
──たとえば、どこで誰に声をかけられるのでしょう?
「宇都宮の牛丼屋で一人でご飯を食べてると、リュックを背負ったマニアックな方がいきなり近付いて来たりする。『何事か?』と身構えると、『応援してます』『勇気をもらいました』なんて言われる。ああいうのはビックリしますけど、非常にうれしいですよね」
──すっかり地元の名士じゃないですか! 闇皇帝というより、日の当たるスターですよ!
「そういえば、新日本プロレスの宇都宮興行がある度に、リングに上げて頂けるようにもなりました」
──えっ!? プロレスラーとしてデビューしたんですか?
「いやいや、試合はしませんよ。花束の贈呈係です。『アウトサイダー第6戦に勝利しました菱沼選手から花束の贈呈です』と紹介されて、リングに上げて頂けるようになったんです」
──すごい! 格好いいじゃないですか! 今日はこのあと、どうされます?
「ピンサロに行こうと思います」
最後のひと言ですべてを台無しにした菱沼であった。
戸塚俊介選手(撮影/水野嘉之)
清水征史郎選手(撮影/水野嘉之)
“最強リングスを知る男 アウトサイダー現役 グラウンドバウンサー見参”
森素道(東京・29歳)
強いと分かってはいたが、それにしたって圧倒的だった。元リングスの格闘家である森。一度は一線を退いたものの、闘争本能に再び火が付き、アウトサイダーに殴り込み。結果は、対戦相手をボコボコにして圧勝。勝って当たり前と言われる中、きっちり勝ち切るのもまた見事である。閉会式終了後に話を聞いた。
──出場動機から教えてください。
「前回、前々回大会とセキュリティーとして参加させてもらったんですが、見ているうちに、自分もまた選手としてやりたくなってきたんですよ」
──アウトサイダーのどこに魅力を感じたのでしょう?
「全体の雰囲気ですね。アマなのに入場曲があるし、スポンサーがついて賞金も出るし、目立てるし。自分、プロで3戦やって、勝ち星なくてやる気なくしてたんですけど(編注:アウトサイダーの出場資格はプロ経験3戦まで)、またリングスがこういうのをやるってことで、久しぶりに燃えましたね」
──格闘技のブランクはどの程度ありました?
「5~6年ですかね。出場決まってからみっちり練習を再開して、徐々に慣らしていきました。体重も一時期は98kgありましたが、そこから14kg落としました」
──久しぶりの試合で、怖くなかったですか?
「ちょっと緊張はしましたけど、怖さはなかったですね。僕が勝つのは鉄板と言われたりして、いろいろ思うところはあったけど、まあ実際問題、冷静に考えたら負ける要素はないかなと」
──今後も継続参戦を?
「75kgトーナメントをやるという噂あるので、それがもしあるなら、いま84kgの身体を75kgまで絞って出ようかなという気はある。特定の誰かとやりたいというのは今のところないですけど、格闘家である以上、やっぱりベルトを目指したいですね」
この男を倒せる不良は果たして現れるのか? 今後の成り行きに注目しよう。
森素道選手はサイゾー賞を獲得!(撮影/水野嘉之)
“茅ヶ崎連合第十二代総長”
庵野隆馬(神奈川・30歳)
パンチパーマに特攻服。いにしえのヤンキー臭を色濃く残す庵野が、アウトサイダー2戦目にして初勝利。試合直後、超ハイテンションでインタビューに応じてくれた。
──格好いい勝ち方でしたね。
「えっ? マジで? ヒョーーーーーッ!(と叫んで満面の笑み)」
──勝因は?
「いろんな先輩たちにすっごいサポートしてもらったから。これで負けたら先輩たちにヤキ入れられるところだった。そっちの方が断然怖いから! マジで!」
──前回の敗戦がバネになった?
「うん! 前回負けたときから、『あ、俺、寝技全然ダメだ』と思って猛練習したよ。それまでは本格的な練習ってのは、してなかった。ま、体動かすのは好きだから、エクササイズをたまにしたり、喧嘩はしょっちゅうしてたけどね。ふふっ」
──最後に喧嘩したのは?
「1年ぐらい前かな」
──庵野さんみたいな顔の男に、喧嘩を売る奴なんているんですか?
「いるの、これが! 酔っぱらった若い子、7人ぐらいがタムロって騒いでたんだよ。そこを通ろうとしたら、『ねぇ、お兄さん』なんつって肩組んできたから、『誰だ、てめぇ』つったら、7人ぐらいグワーッと来て、『やっちゃう、コイツ?』なんて言ってきた」
──で、どうでした?
「いやぁ、しんどかったよー。『上等だ!』って広場まで行ったはいいけど、向こうがいきなり囲ってきたから360度取られちゃって。こりゃ、マズいって、何人かハッ倒してから、ガーッと走って壁を背負ったの。壁を背負って180度にしちゃえば、さっきの半分でしょ? で、何人か蹴散らしたんだけど、これもだんだんしんどくなってきたから、今度はもっと角度を狭めるために、細い路地まで走っていった。で、路地入ったところで『逃げんな』って言われたから、『逃げてねえバカヤロー!』と振り向き様にカウンターパンチ入れたら、鼻血がドバーッと出てオシマイ(笑)」
──そんな緊迫した状況下で、360度だの180度だの、よく冷静な判断を下せますね。
「そんなの喧嘩の初歩中の初歩っしょ! 神奈川の暴走族、喧嘩大好きだもん! お祭り、お祭り。ガハハハハ~(爆笑)」
──これまでで一番、酷い目に遭ったのは?
「内部分裂で150人に囲まれて、ヤキ入れられたときかな。全治3カ月」
──そんな死線をくぐり抜けてきたら、もはやこの世に怖いものなどないでしょう?
「いや、先輩は今でもめちゃくちゃ怖いよ! 暴走族時代の上下関係は、いくつになっても変わらない。先輩とはガキの頃からの付き合いだし、気合いの入れ方から何からいろいろ仕込まれてきてるから、生涯リスペクトっすよ、マジで。今日のセコンドも暴走族時代の先輩です。試合に出るとなると、みんな応援してくれるし、マインドから上げてもらえる。その代わり、格好悪いことやったらそりゃもう、今でもびっちり引っぱたかれますよ!」
──気合いの入れ方を教えてください。
「それは秘密っしょ! 気合いの入れ方ってのは、ヤンキーの命だからね」
恐ろしくも素晴らしい、ジャパニーズ・ヤンキーの戒律。それが庵野初勝利の原動力であった!
次回アウトサイダーは、来年2月14日のバレンタインデーにディファ有明で開催予定。もちろん、甘い戦いは許されない!
(取材・文=岡林敬太)
庵野隆馬(撮影/水野嘉之)
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