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ガイジンが見たクールでHENTAIな日本『ザ・ニッポン・レビュー!』

gaizin.jpg『ザ・ニッポン・レビュー!』
(著:えいち/洋泉社刊)

 ジャパニメーションが世界を席巻し、それに伴い諸外国における日本文化への関心がとみに高まっている。『ドラゴンボール』は世界40カ以上で放映、コミックスも世界累計3億5,000万部を超えるメガヒットとなり、いまだ人気冷めやらぬ様子。『ポケモン』『ワンピース』『ハルヒ』なども絶好調だ。”OTAKU””HENTAI”はすでに国際語として浸透し、日本はポップ・カルチャーの発信地として耳目を集めている。

 この『ザ・ニッポンレビュー!』は、月間200万PVを誇る人気ブログ「誤訳御免!!」を書籍化した本だ。「誤訳御免!!」とは、英文記事や外国人のアニメ・マンガ評など、日本と日本文化を語る海外掲示板を翻訳したブログ。その「誤訳御免!!」管理人・えいち氏が、2006~09年の3年間の記事の中から特に面白いものを厳選し、まとめている。日の丸と刀を背負ったメイドの表紙がCoolだ。

 海外の日本掲示板は数多く存在する。いずれも非常に盛んで、アニメ・マンガだけにとどまらず、日本の伝統・習慣・風俗など、外国人ならではの視点で日本を語っている。寄せられたコメントの大半が批判的でなく好意的に日本とらえていて、皆、純粋な「日本ファン」であると言える。「日本のアニメはやたらと電柱・電線が映る」「(日本人は)まぶたを1本の指で下に引っ張り、舌を突き出す(※アカンベーのことか?)」「Kancho(カンチョー)に気をつけろ」など、言われてみれば確かにそうかも、と改めて気づかされる面が多い。「アニメではひっきりなしに蝶と羽根が使われている。何のメタファーなんだろうか?」「アニメは西側を乗っ取るための陰謀だよ」って深読みしすぎでしょ。アニメから話題が広がり、日本でのマナー、宗教、人種差別にまで及んで議論する様はまさにHot。

 各国の人が、おのおの自国の価値観と照らし合わせて議論することで、日本のヘンなところ、面白いところが浮かび上がってくる。「わたしの国ではこうだったよ」「俺の国では考えられない」というように、日本そのものではなく、それぞれの自国の価値観と比較し、再発見することに面白みがあるのだ。「ニッポン」は比べるのにはあまりに奇異な国で、彼らの好奇心を誘うのだろう。外国人はその奇妙なところを、愛を込めて「ヘンタイ」と呼んでいる。この『ザ・ニッポンレビュー!』を読んで、ヘンタイでクールなニッポンを外から見てみよう。
(文=平野遼)

えいち
愛知県生まれ。男性。2006年7月、英文記事やアニメ・マンガ評を翻訳するブログ「誤訳御免!!」を開設。現在は月間200万PVを超す人気ブログに成長。

誤訳御免!!
<http://shirouto.seesaa.net/>

ザ・ニッポンレビュー! ~ガイジンが見たヘンタイでクールな日本

これがニッポンの文化

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最終更新:2009/12/28 11:22
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